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『女たち』
公開祈念プレミアムトークショー

2021-05-22 更新

篠原ゆき子、倉科カナ、笠井信輔(スペシャルMC)

女たちonnatachi ©「女たち」製作委員会
配給:シネメディア、チームオクヤマ
6月1日(火) TOHOシネマズ シャンテ他全国公開!

 日本映画界を代表するプロデューサー奥山和由が、初めて女性のために製作した映画『女たち』は、コロナ禍でふさぎ込んだ時代に風穴を開ける衝撃の最新作。自然豊かな緑が眩(まぶ)しい山あいの小さな田舎町を舞台に、それぞれに事情を抱えた女たちが繰り広げる、ギリギリの女たちの生き様を描いた映画となっている。6月1日(火)に公開延期となった本作が観客に届くようにと祈りをこめて、本作の主人公・美咲を演じた篠原ゆき子と、その親友・香織を演じた倉科カナ、スペシャルMCに笠井信輔が登壇、『女たち』公開祈念プレミアムトークショーが実施された。


 笠井の「イベントタイトルのキネンという字がいつもの記念とは違うんです。6月1日に無事公開できますようにと願いを込めるという意味の祈念で、35年ほど映画のイベントに携わっていますが、初めてのことです」とコロナ禍で惜しまれる映画館休館に寂しさを見せた前置きの後、主人公・雨宮美咲を演じた篠原ゆき子、美咲の親友・香織を演じた倉科カナが登場し、イベントはスタート。

 まず最初にキャストそれぞれから一言ずつ挨拶。篠原は「雨宮美咲はとある田舎に住む40歳、パートタイムで働き、親の介護をしながら一生懸命に暮らしているという、日本、世界にもたくさんいるであろう一人の女性です」と本作での美咲の役どころを丁寧に説明し、劇中では見せることのない笑顔で話した。続いて、倉科は「養蜂家を営んでいて心に闇を抱えている女性を演じてます」と満面の笑みで挨拶した。スペシャルMCの笠井は「シンプルな『女たち』というタイトルですが、作品は凄まじく強烈なんです。ものすごい映画だと思いました。女たちが壊れていく、精神が崩壊していくさまを演じる女優たちの魂のぶつかり合いが“精神的格闘映画”のように感じた」と、作品を絶賛しながらウィットに富んだ表現で会場を和やかな雰囲気にさせた。


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 キャストの挨拶を終え、トークパートがスタートしオファーを受けた際の話に。「オファーというよりかは、現場でご一緒した奥山さんに突然“篠原さん主演で映画撮ろうよ”と言われ、お願いします!と言いつつも、当初は本当の話か半信半疑だった。初めて企画ゼロの段階から携わり本当に完成するのか、怖かったです。だから記者の方々の前で舞台に立てている光景が嘘みたい」とにこやかな表情で話す篠原。


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 「天真爛漫なイメージだった倉科さんに直接お会いすると、この人闇あるかも!女としての痛み、笑顔で乗り越えてきた何かがあるのでは無いかと思った」と倉科と香織の役に通ずるものを感じたという篠原の話は会場で盛り上がりを見せた。

 続いては、共演者高畑淳子のトークに。倉科は、篠原と高畑の共演シーンを見て「ゴジラ対コングを彷彿とさせる、まさに怪演×怪演がぶつかりあっていて、これは相当なウェイトの撮影だったんだろうな。高畑さん、顔がもう高畑さんではなく別人だった」と、三者交えて高畑の壮絶な芝居、役作りに対して意見を交わした。


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 篠原も「飲みに行ったり人と関わるという、本来であればあるはずの息抜きの時間がないまま撮影は進み、ずっと美咲のまま群馬の富岡で暮らしていたので、1ヵ月以上役と離れる時間が無く、円形脱毛症ができました」とコロナ禍だからこその壮絶な体験を打ち明けた。

 また、「モスクワ映画祭のオンライン記者会見時、現地記者の方が“本当ににハンディキャップがある方なんですか?”と質問するほどリアルを追求した演技で、本読みの段階から凄まじかった。撮影の後半、役に入り込みすぎて美咲と自分、美津子と高畑さんの境界線が曖昧になってしまい、高畑さんが普段のように話しかけてくださったのに責められているような気持に陥り、泣いてしまった」と役に入り込んだ女優たちの裏話も話した。


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 篠原は倉科が親友役を演じるにあたって、食事に誘ったそう。倉科はそのお誘いを「すごく行きたかったです。ですがコロナ禍というご時世もあり、話すとすぐに仲良くなってしまう性格のため、本作で仲良くなりすぎるのは本作のためにならない」とお芝居に対する熱意を伺わせた。

 トークも終盤、クライマックスで倉科演じる香織の10分間カメラ長回しのシーンの話に。当初の脚本では“晴れ”の設定だったがゲリラ豪雨に見舞われ映画史上屈指の名場面が撮れたという。倉科は「豪雨の中撮影しようと思ったのは、本作において天候や気候、環境がすべて力・味方になってくれていると感じていて、雨も味方してくれるのではないかと思ったから」だと述懐。本シーンは雨のため、リハーサル無しで、当初の脚本からも変更になっているため、衝動に任せて役を演じたという。


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 次の日に、倉科の太ももに身に覚えのない大きなあざができたという驚愕エピソードも披露。衝動に任せて演じた際に、ワイン瓶で足を殴ったものだったという。さらには酔った役の撮影のために、本物のワイン2本を丸々空けたという裏話も。「髪を切ったことも、メディアに取り上げていただき、すごくうれしかったですが、それは役作りのためで、そんなに特別なことだと思っていなかった。すべてを受け入れてくれて、思い切ってぶつかれるこの組だからこそ実現できた」と演技に対する想い、本作のへの熱い想いを語った。

 また、笠井の「今まで見たことのない篠原へとパワーアップしている。その人間になりきって、どんな泣き方でもできる。喜怒哀楽の泣き方を網羅していて技のデパートならぬ“泣きのデパート”なんです。本作の最後で鼻水を垂らしながら泣くシーンもあります」という発言に、倉科も「篠原さんの晒けだしている感じ、格好とかではなく心・パッションでお芝居している部分が格好いいし憧れる」と篠原のお芝居を絶賛。

 最後に主演の篠原より「“祈念”という言葉の通り、コロナ禍で本当にこの作品も公開できるのか分からない状況で、世界にはシビアな状況な方々もたくさんいると思います。でも、もしかしたら明日はいいことがあるかもしれないし、私自身もこんな素敵な場所に立てると思っていなかった人生なので、もしかしたら明日いいことがあるかもしれないという想いをつなげてどうか生きていってほしいと思います。良かったら6月1日、劇場で『女たち』をご覧になってください」と涙ぐみながら言葉を振り絞り、コロナ禍の苦境で生きる人々に向けた言葉で締めくくった。


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(オフィシャル素材提供)



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