2021-02-11 更新
瀧内公美(『火口のふたり』、『裏アカ』)を主演に迎えた春本雄二郎監督(『かぞくへ』)の最新作『由宇子の天秤』が、3月1日から5日(現地時間)に開催される第71回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に選出されることが決定した。さらに、9月には渋谷ユーロスペースでの公開も決定し、監督から喜びのコメントが到着した。
ベルリン国際映画祭は、カンヌ・ヴェネチアと並ぶ世界三大映画祭のひとつで、国内外が注目する歴史ある映画祭。今回選ばれた<パノラマ部門>は、世界各国から集められた良作かつ現代社会を独自の視点で切り取った作品を数多く選出することで有名で、近年の日本映画では『予兆/散歩する侵略者 劇場版』(17/黒沢 清監督)、『リバーズ・エッジ』(18/行定 勲監督)、『37seconds』(20/HIKARI監督)などの話題作が選ばれている。主人公は、女子高生自殺事件を追うドキュメンタリーディレクターの由宇子。事件の真相に迫るなか、父の政志から衝撃的な事実を聞かされ、究極の選択を迫られるストーリー。“正しさ”とは⼀体何なのか? 情報化社会を生きる私たちが抱える問題や矛盾を真正面から炙り出した本作は、釜山国際映画祭でニューカレンツ部門の最高賞にあたるニューカレンツアワードを受賞、東京フィルメックスでは学生審査員賞を受賞、さらに平遥国際映画祭では審査員賞・観客賞をW受賞するなど、瞬く間に国内外から注目を浴び、そして今回、ついに世界三大映画祭のひとつであるベルリンの切符を手にすることになった。パノラマ部門は「新人監督賞」「観客賞」などが受賞対象になる。『由宇子の天秤』が世界にどう受け止められるのか、ぜひ注目したい。
主演は、『火口のふたり』(19)で第93回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞に輝いた瀧内公美。脇を固めるのは『佐々木、イン、マイマイン』(20)の河合優実、『かぞくへ』(16)の梅田誠弘、さらに日本映画屈指のバイプレイヤー、光石 研ら。監督・脚本は、⽇本の片隅で生きる若者たちの葛藤と不器用な優しさを描き、約1万人を動員する異例のロングランヒットとなった『かぞくへ』の春本雄二郎。
さらに、今年の9月に渋谷ユーロスペースで公開することも決定!
春本監督より、喜びのコメントが到着した。
<春本雄二郎 コメント>
『由宇子の天秤』が世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭に選ばれたことに、深い喜びと、それ以上に「大きな意味」を感じています。
本作は「報道」と「教育」をモチーフに「正しさとは何なのか?」について問うています。
生まれた時からそれらを「正しい」ものとして享受し、無関心になりつつある私たち。
自分に最適化された世界で生き、外の世界があることを想像するのを忘れつつある私たち。
今まさに社会を生きる人々に、誰かの「正しさ」「世界」に手を伸ばしてもらいたいと創った映画です。
このメッセージに、ベルリンが光を当ててくれました。
日本でも『由宇子の天秤』は今年9月に公開がスタートします。
本作を世界の、そして日本の、一人でも多くの人々に届けて行きたいと思います。
この映画を観た方が隣人の世界に思い馳せることを願って。
本映画祭は新型コロナウィルスの影響でオンラインで実施、3月の開催時に受賞作が発表される予定となっている。
<開催時期> ※2回に分けた分散開催
3月1日~3月5日(現地時間) ② 6月9日~20日(現地時間)
(オフィシャル素材提供)
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