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2020-09-20 更新

原題:MADRE
おもかげmadre
© Manolo Pavón

イントロダクション

 幼い息子を失ったひとりの女性の希望と再生の旅路を描いていく本作は、スペインの新鋭ロドリゴ・ソロゴイェン監督が2017年に製作した15分の短編映画「Madre」が出発点となっている。同作は、第91回アカデミー賞®短編実写映画賞にノミネートされたほか世界各国の映画祭で50以上もの賞を受賞し、世界の映画人を驚かせた。短編に続いて本作『おもかげ』のメガホンをとったソロゴイェン監督は、緊迫感あふれるワンシーンのその短編を大胆にも映画のオープニングシーンとして採用し、息子を失った女性エレナの〈その先〉の物語を描いていく。

 本作は2019年のヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門に選出され、主人公エレナを演じたマルタ・ニエトが女優賞を受賞したほか、スペインで4つもの主演女優賞を獲得。止まった時間を深い失意とともに生きてきた女性の繊細さと迫真さが共存するニエトの圧倒的な演技に、観る者は思わず息を呑むだろう。エレナの息子の面影をまとう少年ジャンを演じるのは、本作が長編映画3作目となる新鋭ジュール・ポリエ。

 失意を抱えて生きてきたひとりの女性をめぐる誰にも予測できないミステリアスな物語には、「結末を予想できない。分からないことが幾重にも重なる不可解さに震えてしまう。」(Variety)、「全編を通じて感情のリズムが、不安定かつ力強く、絶えず押したり引いたりを繰り返す。そのコントロールが秀逸。」(Screen International)などメジャー映画誌がこぞって絶賛。


madre

ストーリー

 エレナは離婚した元夫と旅行中の6歳の息子から「パパが戻ってこない」という電話を受ける。ひと気のないフランスの海辺から掛かってきた電話が、息子の声を聞いた最後だった。

 10年後、エレナはその海辺のレストランで働いていた。ある日、息子の面影を宿したフランス人の少年ジャンと出会う。エレナを慕うジャンは彼女の元を頻繁に訪れるようになるが、そんな2人の関係は、周囲に混乱と戸惑いをもたらしていった――。

 これは、暗闇から光へ、死から生へ、罪悪感から赦しへ、そして恐怖から愛へと少しずつ歩み始める、ひとりの女性の再生の物語。


madre

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(2019年、スペイン=フランス、上映時間:129分)

キャスト&スタッフ

監督・脚本:ロドリゴ・ソロゴイェン
共同脚本:イサベル・ペーニャ
撮影:アレックス・デ・パブロ
出演:マルタ・ニエト、ジュール・ポリエ、アレックス・ブレンデミュール、アンヌ・コンシニ、フレデリック・ピエロほか

配給
ハピネット
10/23(金) シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー

■ 公式サイトomokage-movie.jp (外部サイト)


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