2020-09-03 更新
『EUREKA ユリイカ』などで世界的に知られる青山真治監督の7年ぶりの長編映画『空に住む』が、多部未華子を主演に迎え、2020年10月23日(金)より全国公開となる。この度、主演・多部未華子ほか豪華俳優陣が勢揃いした予告編とポスター・ビジュアルが解禁となった。
郊外の小さな出版社に勤める28歳の直実(多部未華子)は、両親の急死という出来事を受け止めきれないまま、大都会を見下ろすタワーマンションの高層階で暮らし始めることになる。まるで“空”に住んでいるかのような感覚をもたらすその空間で寄り添っているのは長年の相棒、黒猫のハルだけ。そんな彼女の前に突如として現れたのは、日本を代表するスター俳優、時戸森則(岩田剛典)。夢のような展開に戸惑いながらも、彼を部屋に招き入れる直実。時戸との出会いによって生活が変わり始めるが、それでも埋めようのない喪失感を心に抱えていた。
どこか満たされないまま日々を過ごしているのは直実だけではなく、出版社の後輩で妊婦の愛子(岸井ゆきの)は誰にも打ち明けられない秘密を抱え、何不自由なく暮らしている専業主婦の叔母・明日子(美村里江)もまた、人知れず虚しさを感じていた。この度解禁された予告編では、それぞれに悩みを抱え、自分をさらけ出すことができず、傷つき迷いながらも精いっぱい前を向こうとする女性たちが映し出されている。映像の最後には、何かを決意したような顔で空を眺めながら伸びをする直実の姿が。時戸を始め、様々な人との出会いによって変化した彼女が選んだ未来とは──!?
また予告編全編に流れるのは、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEが担当する主題歌「空に住む ~Living in your sky~」。暖かく包み込むような歌詞とメロディが、誰もが抱える悩みや孤独を癒し、そっと背中を押してくれる一曲だ。小説と共に誕生したこの名曲は、最後まで登場人物たちの人生に優しく寄り添い、映画の世界観にも見事にマッチしている。
合わせて解禁となったポスターは、両親を亡くし心の整理がつかないままタワーマンションに連れてこられた直実が、切ない表情で空を見上げている印象的なビジュアルだ。空に浮いているかのように、ぼんやりと漂う直実の不安定な心を映し出したものとなっている。
さらに今回、主演多部未華子をはじめ出演者のコメントも到着。多部は「青山真治監督の描く作品の空気は、参加した私にも言葉にできないとても独特な世界観でした。撮影をしていた約1ヵ月はとにかく、その世界観にどっぷりと浸かりたいという思いで必死だったような気がします」と撮影当時の様子を振り返り、岸井ゆきのは「現場に流れていた穏やかで丁寧で、キリッとした空気がスクリーンからも見て取れて、今改めてあの時の空気で、落ち着いて深呼吸したような感覚です」と出来上がった映画を前に姿勢を正す。また美村里江は「活字で読んだ時と、映像として人の体温と陰影が重なった後では随分印象の変わる作品です」と映画ならではの良さを語り、岩田剛典(EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)は「青山さんは現場でしか出せない空気感を大切にされている監督で、多くを語らずとも、ひとつひとつの絵作りや映画としてのクオリティを高めていく情熱がひしひしと伝わってきました。すごく丁寧な撮影で、役者としてはすごくモチベーションを高めてもらえる良い現場でした」と青山監督に感謝を表している。そのほか、多部演じる直実をとりまく面々として出演した、鶴見辰吾、髙橋 洋、岩下尚史、大森南朋、永瀬正敏、柄本 明もコメントを寄せている。
小説と音楽の世界観から生まれた珠玉の物語が、話題の演技派キャスト陣と日本を代表する名監督によって待望の映画化! 現代日本に生きるすべての女性たちへのエールを贈る映画『空に住む』に期待が高まる。
■ 主演:多部未華子 コメント
青山真治監督の描く作品の空気は、参加した私にも言葉にできないとても独特な世界観でした。撮影をしていた約1ヵ月はとにかく、その世界観にどっぷりと浸かりたいという思いで必死だったような気がします。様々な受け取り方が出来る作品なのかなと思いますが、誰かの心の片隅に残る作品になることを願っています。
■ 岸井ゆきの コメント
今回、青山組に参加でき光栄です。この映画は約2年前に撮影しました。現場に流れていた穏やかで丁寧で、キリッとした空気がスクリーンからも見て取れて、今改めてあの時の空気で、落ち着いて深呼吸したような感覚です。2年前と今では大きな変化がありましたが大事なことは変わらずに生活の中にあると思います。ぜひ観てください。
■ 美村里江 コメント
活字で読んだ時と、映像として人の体温と陰影が重なった後では随分印象の変わる作品です。雲のように漂っているのは主人公の直実だけではなく、どの人物も色・大きさ・水分量の違う、そして流れている層も異なる一群れの雲に私には見えました。重なっているようで遠かったり、離れて見えて近いこともあるのかもしれません。
■ 岩田剛典 コメント
青山さんは現場でしか出せない空気感を大切にされている監督で、多くを語らずとも、一つひとつの絵作りや映画としてのクオリティを高めていく情熱がひしひしと伝わってきました。すごく丁寧な撮影で、役者としてはすごくモチベーションを高めてもらえる良い現場でした。
■ 鶴見辰吾 コメント
『レイクサイド マーダーケース』、『エリエリ・レマ・サバクタニ』以来、久々の青山真治監督作品に参加。嬉しいなあ。俺を覚えていてくれたか。青山さんとは同じ年で、彼の作り出す現場の雰囲気が大好きなんだ。美村里江さんと多部未華子さんと猫ちゃんと一緒に幸せで、ご褒美みたいな撮影だった。これから観るのか楽しみだ。
■ 髙橋 洋 コメント
エンドロール、多部未華子さん演じる主人公・直美(28)がスクリーンから消えたあとの余韻のなか、観ている僕の頭にはふいに監督・青山真治(56)が浮かび、そのときハタと思いました。直美は……監督自身なのかもしれない……と。だから、なんだ?と言われたらアレなんですけど。だから映画っていいなあ、と自分は思ったのです。沁みます。
■ 岩下尚史 コメント
青山監督のお声がかりで、初めて映画の出演者として招かれる冥加にめぐりあいました。もとより、しろうとのことですから、監督はむずかしいことは注文なさらず、普段のとおりにと仰言るだけで、ちょっと戸惑いをしたことでしたが、商売の下手なところだけは私と同じですから、そこをお買い下さいましたら幸いに存じます。
■ 大森南朋 コメント
ついに参加させていただけた青山真治監督の映画でした。もう少し現場にいたかったです。
■ 永瀬正敏 コメント
10代の頃、僕達は伸ばした手で繰り返し空を掴むように、何かに向かいただガムシャラに走った。時が経ち彼は作詞家になり、そして小説家になった。青山真治監督によって新たな命が吹き込まれたその現場に、まさか自分が立てるとは。短い間だったけど今までにない特別な現場になった。親友・小竹正人に、二人の歴史に感謝したい。
■ 柄本 明 コメント
公開、おめでとうございます。飲み屋では何度も会っていますが、仕事といえば、『レイクサイド マーダーケース』以来ですから15年ぶりでした。皆さん、何も考えないで、この映画をそのまま、お楽しみください。
(オフィシャル素材提供)