2020-09-13 更新
原 一男監督、安冨 歩氏
『ゆきゆきて、神軍』、『ニッポン国 VS 泉南石綿村』など数々の作品を生み出した原 一男監督が、令和元年夏、参議院選挙で注目されたれいわ新選組の選挙戦を、東大教授の安冨 歩を中心に密着した『れいわ一揆』。9月11日(金)の上映後、原 一男監督と出演者・安冨 歩氏(リモートで参加)による初日舞台挨拶をが行われた。
9月11日(金)初日を迎え、メイン館となるアップリンク渋谷は満席、今後1週間のチケットはほぼ完売という好発進となった。原監督は「今日はどうもありがとうございます。思い起こせば5ヵ月前、さあ公開だと思って喜んでいましたが、新型コロナウイルスの影響で劇場さんが休業になりまして落ち込みました。そこから5ヵ月、ようやく公開できました。感無量です」と挨拶。
リモートで参加した安冨氏は「皆さんと直接お会いしてお話できなくて残念なんですけれども、選挙活動を始めた理由がこの映画でしたから、私にとっての選挙がようやく始まった気がします。私にとって選挙そのものというのは最初から重大に思っていなかったので、そうではなくて選挙期間中もずっと言ってたように、日々の生活の在り方というものが私たちの社会を作り出していくので、それをどういうふうにしていくか、それを守るというかたちで私たちの生活をつくれるかどうか、というかたちでですね、皆さんにそういう考え方をしていただきたいと思って立候補して、そして今この映画が公開されて、私の目的がようやく動き始めたので感無量です」と挨拶した。
原監督は撮影当時の選挙戦を振り返り「単に1年前は良かったなということではなく、確かにあの熱狂の渦の中にいたじゃないか。あなたもいたし、私もいた。あの時、我々は何を信じたのかを考える必要がある」と観客に向けてメッセージを送った。また、観客やSNSでの反響も踏まえ「つくり手として映画を1本つくる時に込める主題は、決して1つではない」と強調。「本作のポイントとして一番に置いたのは“言葉”であるが、安冨さんの言葉の奥にある生き方を知るべき。選挙活動のパフォーマンスに込めた安冨さんの思いには、現在の選挙制度に対する批判があるはず。そこに気づいてもらえたら嬉しい」と想いを述べた。
そしてトークショーというものは、現場で大変だったことを話さなければ終われないとして「何が一番大変だったかと言えば、馬!」であると、安冨氏の選挙活動を支えた馬について言及。「馬って足が4本あるでしょ、人間の倍ある。つまり速度が人間の2倍なんですよ。撮影を始めてそのことにすぐに気づきまして、撮影時74歳、真夏の炎天下でカメラを担いで、馬をカメラに捉えるために馬より速く歩かないといけない。『原一男74歳、北海道で撮影中にあえなく死亡』という新聞記事の見出しが頭を過りました。あえなく死ぬかと……遺作になるかと思いました」と会場の笑いを誘った。
最後にプロデューサーの島野千尋氏は「『れいわ一揆』は、皆さんの令和の一揆を起こすための映画です」と呼びかけ、安冨氏は「まず渋谷の映画館をいっぱいにしたい。ここが埋まれば、日本中いっぱいになります。映画としてどれだけ面白いのか自分も知りたい」と観客に呼びかけた。
(オフィシャル素材提供)
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