インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash




舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『アジアの天使』

『アジアの天使』プレミア上映イベント

2021-06-23 更新

池松壮亮、オダギリジョー、佐藤 凌(子役)、石井裕也監督

アジアの天使asianotenshi ©2021 The Asian Angel Film Partners
配給:クロックワークス
7月2日(金) テアトル新宿ほか全国公開

 映画『アジアの天使』のプレミア上映イベントが都内で行われ、主演の池松壮亮、共演のオダギリジョー、佐藤 凌(子役)とメガホンを取った石井裕也監督が舞台挨拶に登壇して作品について語った。中盤からは、共演の韓国女優チェ・ヒソと韓国俳優キム・ミンジェもリモートで参加して再会を喜び、作品についてクロストークを繰り広げた。


 本作は、2020年の2~3月にかけてオール韓国ロケで撮影が行われた。シングルファーザーの小説家・青木 剛(池松)が、渡韓し疎遠になっていた兄(オダギリ)とソウルで再会する。韓国で出会った韓国人一家との交流を通して、文化の違いを体験しながら心を通わせていくさまが描かれる。

 主演の青木 剛役を務めた池松は、「大胆でユニークで、あったかくてすこぶる優しい映画が出来たと思います」と公開できる喜びを噛みしめる。オリジナルの脚本にも感動した様子で、「とにかく、すぐにでも、どんなオファーが来てもこれを成立させなければと思いました」と語った。

 池松は、「(撮影場所が)日本じゃないというのは初めて。石井監督自身の歩みが映画に投影されていました。丸腰で戦おうとしている監督の姿を見て、僕もちゃんと丸腰で臨もうと思いました」と本作への意気込みを語る。


asianotenshi

 石井監督は、「制作にあたっては数々のピンチがあったけれど、最大級のピンチがコロナ禍だった。ノイローゼに何度もなりかけながら撮って行ったのですが、完成したらびっくりするくらいの愛情と優しさが映画の中にたくさん入っていました。みんなの映画に対する真摯な思いが結実したのだと思います」と感無量の様子を見せた。

 今までは共演経験はあるものの、がっつりの共演は初めてだという池松とオダギリ。お互いの印象について、兄役のオダギリは池松について、「ステキでした。作品に誠意を感じられる役者、それを現場の池松くんから感じることができた。貴重な俳優だし、今後の日本映画を引っ張っていく逸材だと思います」と絶賛した。


asianotenshi

 一方、池松は「現場でたくさんのピンチがあったのですが、数え切れないくらい助けてもらったし、笑わせてもらいました」とオダギリに感謝。タイトルにちなんで“天使そのもの”と称賛した。

 オーデションを受け、映画初デビューで、(池松演じる剛の息子の)学役を演じた佐藤は「初めての映画。頑張りました!」と爽やかな笑顔を見せる。また、池松とオダギリとの共演を振り返り、「池松さんは、自分の撮影が終わっているのに待っていてくれたり、オダギリさんは撮影じゃない時に一緒に話してくれました。2人ともすごく優しい人でした」と笑顔で印象を語った。


asianotenshi

 リモートで参加した韓国人家族のキャスト、チェ・ヒソとキム・ミンジは登場時に手を振って、再会を喜び合った。チェ・ヒソは「食事シーンが多いんですけど、石井監督が私の食べっぷりがいいと褒めてくれました(笑)。映画を撮るときも楽しかったけれど、ごはんを食べたり自由時間に海で過ごしたりしたことが楽しかった」と流暢な日本語で撮影を振り返った。

 キム・ミンジェも「撮影が進むにつれて本当の家族になったように感じました。別れるときには本当に泣きました。いまでも撮影を恋しく思います」と感情を高ぶらせ、「また皆さんと同僚として会いたい、家族として気持ちを共有できたことが嬉しい」と大きな笑顔を見せた。


asianotenshi

 石井監督は「チェ・ヒソさんとキム・ミンジさん、2人ともなんてピュアなんだろう……ほんとに素晴らしい」とリモートの画面を見ながら、「彼らのような人たちと映画を作れたことで、映画という不確かなものを真摯に信じられたことが“奇跡”だと思います」としみじみと語った。


asianotenshi

 最後に、池松はコロナ禍や日本と韓国の不安定な両国関係にも触れ、「傷ついたこの世界の再生の一手になれたら。架け橋になれれば……」とメッセージを送り、さらに、「同じように日々架け橋として活動されているNiziUの皆さんに観ていただきたいですね」と笑顔でアピールして、イベントを締めくくった。


asianotenshi

asianotenshi

asianotenshi


(取材・文・写真:福住佐知子)



関連記事
石井裕也監督・池松壮亮 韓国初進出!『アジアの天使』
全州(チョンジュ)映画祭Q&Aイベント
公開記念舞台挨拶

Page Top