2020-07-18 更新
森 達也(映画監督)、佐々木俊尚(ジャーナリスト)、三上丈晴(月刊「ムー」編集長)
世界史を覆す衝撃の問題作『誰がハマーショルドを殺したか』がいよいよ7月18日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開となる。この度、公開前夜の7月17日(金)に公開を記念した70名限定オンライン試写会&オンライントークライブが開催された。
この度、公開前夜の7月17日(金)に公開を記念したオンライン試写会&オンライントークライブを開催。ゲストには映画監督の森 達也氏、ジャーナリストの佐々木俊尚氏、月刊「ムー」編集長の三上丈晴氏が、多様な魅力が詰まった本作を語り尽くした。
本作は、今もなお暗殺説が囁かれる第2代国連事務総長ダグ・ハマーショルド謎の事故死にデンマーク人ジャーナリストで監督のマッツ・ブリュガーが迫ったドキュメンタリー。
映画監督として『A』、『i-新聞記者ドキュメント-』など多くのドキュメンタリー映画を手掛けてきた森氏は、劇中コミカルな演出で観客を煙に巻きながら、思いもよらない展開を見せる本作に対して、「映画としては成功しているが、ジャーナリズムとしては薄くなっている。だが、あえて物議を醸すような演出をしているのかもしれない」とコメント。自身の過去の作品制作においても「未解決の事件を追う中で、当初求めていたものと違うものに展開していくことはよくある」と語った。
真実が曖昧で掴みどころのない本作に対して、フリージャーナリストとして幅広いジャンルで、綿密な取材を行ってきた佐々木氏はポスト・トゥルースが叫ばれる現代に絡め、「事実に基づいた報道をみんな求めなくなっている。‟信じるか信じないかはあなた次第”というメッセージが裏側にあるのでは」と言及。続けて森氏も「それぞれの視点で感じ方は違う。1つの真実ということよりは、人がどう見るか。そこに委ねるという意識を持って監督は作品を作っている可能性があるのでは」と持論を展開した。
トークライブも後半に差し掛かる中、本作で明らかになる謎のウィルスの存在に関して、新事実の発見か、それとも陰謀か議論が白熱。真相が掴めない本作に対して「まさしくムーみたいな映画」と、月刊「ムー」編集長として世界中の様々な陰謀論の取材を行ってきた三上氏は語った。謎のウィルスの存在に関しては「監督は真実を知っているが、どストライクに描くのではなく、演出として少し外して描いているのでは」と語り、続けて「ムーの読者でも流石にツッコミが入るだろう」と信憑性については疑問を呈した。
トークライブの終盤では、コロナウィルスの流行により真偽不明の様々な情報が拡散されたことに触れながら、佐々木氏は「ウィルスは陰謀論を引き込みやすい」と述べ、コロナウィルスが流行する前に制作された映画ながら結果として「災害と社会の問題を先んじて明らかにしていた部分が作品にあるのでは」と解説した。
最後に作品の持つ魅力について三上氏は「真実か否かというところである意味ムー的な映画」と表現。佐々木氏は「映画で描かれていることが真実か否かは置いておいて、こんなに面白いドキュメンタリーはなかなかない。映画としては超一級だと思います」と絶賛。森氏は「真実かどうかは抜きにしてよくできた映画。映画的なお化粧はたくさんしているが、本質的な部分は大事なことを言っていると思う」と語り、トークを締めくくった。
(オフィシャル素材提供)
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