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2019-11-14 更新
森 達也監督、河村光庸プロデューサー
現代日本に大きな衝撃を与え大ヒットを記録した、権力とメディアの“たった今”を描いた衝撃の問題作『新聞記者』のプロデューサーが、私たちが生きる“今”と“メディアの正体”に警鐘を鳴らす、新感覚ドキュメンタリー『i-新聞記者ドキュメント-』が11月15日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開となる。
この度、日本外国特派員協会にて森 達也監督、河村光庸プロデューサーによる記者会見が11月12日(火)に開催された。当日は、会見前の試写会にも申し込みが殺到し、国内外のメディア関係者やジャーナリストで満席の中、記者会見がスタート。外国の記者は、質問に入る前に映画の感想・自身の国のジャーナリズムとの違いを語りだしたりと、白熱したQ&Aが繰り広げられた。
この映画で取り上げられている事件が“辺野古埋め立て問題”“森友学園問題”“伊藤詩織さん準強姦事件”であったことについて聞かれた森監督は、「それ以外にも撮影時にはいろんな事件や事故、災害もたくさん起こりましました。この映画で取り上げた事件はとても大きなものだったのに、いつの間にかほとんどの人が忘れてしまっていることがずっと気になっている」と日本の調査報道の少なさを嘆きつつ、「日本人は新しいもの、刺激的なもの、与えられたものにすぐ反応してしまうから、結局あの事件はなんだったのか分からなくなる」との危惧から、これらの事件にフィーチャーしたことを語る。
ドラマ版『新聞記者』を手掛け、『宮本から君へ』で助成金取り消しを受けた、最前線で戦っている河村プロデューサーは「直接的な政治圧力はほとんどなかったが、いろいろな意味でメディアからの圧力はあった。ただ、『新聞記者』が大ヒットを記録できたので、これからもドンドンぶつかっていこうと思う」と語り、「相手は政治権力ではなくて、同調圧力。自分たちで作りだしている。空気のような幻を怖がっているだけであるということを実感として感じたので恐れることはない」と日本のジャーナリストにエールを送る。
最後に、望月記者の姿勢を他のジャーナリストが見習って変わっていく可能性はあるかと聞かれた森監督は、「このままではいけないという気持ちを、記者が一人ひとり持てば変わる可能性はある。日本のメディアは今本当にどうしようもない状態です。ただ、メディアと社会は合わせ鏡です。社会も三流です。その三流の社会が選んだ政治家も三流です、つまりこの国は三流の国なんだっていうことを日本人は意識したほうがいい。少しでもグレードアップする方法を見出さないと本当にダメな国になってしまうと思う。ただ、今の日本のジャーナリズムはおかしいと思っている記者や報道関係者はたくさんいるので、何かのはずみで劇的に変わる可能性はまだ残されていると思う。あるいは、この映画を一千万人が観てくれたら」と締めくくった。
第32回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門にて作品賞を受賞した『i-新聞記者ドキュメント-』はいよいよ11/15(金)より新宿ピカデリーほか全国公開。
(オフィシャル素材提供)