2020-02-25 更新
ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ
サプライズゲスト:草彅 剛
本年度アカデミー賞®最多4部門を受賞した韓国映画『パラサイト半地下の家族』の日本大ヒットを記念して2月24日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて舞台挨拶が行われ、再来日を果たしたポン・ジュノ監督と主演のソン・ガンホ、さらにサプライズゲストとして草彅 剛が登壇。二人の熱烈なファンだという草彅は、「オスカー受賞おめでとう! 今日お会いすることができて本当に嬉しい」と流暢な韓国語で祝福の言葉を贈り、イベントを盛り上げた。
上映後、観客からの大きな拍手で迎えられたポン監督とソン・ガンホ。満席となった会場を見渡しながらポン監督は、「映画館をいっぱいにしてくれてありがとう。オスカーを受賞する以前から、日本の皆さんが劇場に足を運んでくださっていたことを嬉しく思っています。日本の皆さんは、本当にいい好みをお持ちだなと思いました」と喜びを爆発させると、主演を務めたソンも、「映画というものは、言語が違っても共感していただけるもの。それを日本の皆さんが証明してくれて本当に感謝いたします」と感謝の意を述べた。
2月23日現在で、日本興行収入32億円、観客動員230万人を突破し、15年間不動だった『私の頭の中の消しゴム』(30億円/04年)の記録を抜いて日本における韓国映画歴代興収1位となった本作。これを記念して、この日、金のくす玉が用意され、日本での記録的な大ヒットを祝福。これに対してジュノ監督は、「2000年初頭に、韓国映画が盛んに公開され、日本の皆さんに愛されていた時期があり、日本映画も韓国でとても愛されていました。そして今回、十数年ぶりにあの頃のように韓国映画が大ヒットし愛されたことが、お互いの国の映画に関心を持つきっかけとなって、再び交流が持てるようになれば」とコメントし、ソンもその言葉に同意しながら、「両国がお互いに触れ合って共感できることが何よりも大切」と満面の笑顔を見せた。
また、先日行われたアカデミー賞®授賞式を振り返ったポン監督は、「本作のセリフにも出てきますが、オスカーを受賞することは、全く計画しておらず、無計画が最大の計画になった。あまりの嬉しさに気が動転したしまった」と笑いを取りながら、「本当に光栄なことで、トロフィーは大切にしまってありますが、ただ、日本をはじめ多くの国から熱烈な反応をいただいたことが、私にとっては賞以上に嬉しかった」としみじみ述懐。これに対してソン・ガンホは、「カンヌでパルムドールを受賞した時、嬉しさのあまりジュノ監督に叩かれ、肋骨にヒビが入ったので、オスカー受賞のときは喜びを(表に出さぬよう)噛みしめていた」とエピソードを交えて振り返った。
そして、お祝いムードが高まる中、黄色い歓声とともにサプライズゲストとして草彅が登場。大きな花束を贈呈し、流暢な韓国語で、「わざわざ(再度)日本に来てくれてありがとう! アカデミー賞®受賞おめでとう!」と満面の笑みで挨拶。憧れの二人を目の前にテンションが高まった草彅は、「僕はお二人の熱烈なファンで、ソンさんの演技は、いつも参考にさせていただいています。チョナン・カン(韓国での芸名)として活動している時に、何度も共演をオファーしたのですが叶わず……。でも、今日こうしてお会いできて嬉しい」と怒涛のコメント。
この熱烈な言葉を受けてソン・ガンホは、「20年前から私たちのファンであることは聞いていたので、私も会いたかった。今日は記念日になりましたね」と優しく言葉をかけ、ポン監督も「僕も草彅さんが様々な活動をしていることは知っていました。ソウルで『ぼくに炎の戦車を』という舞台を上演した時も、観に行ったんですよ」と明かし、草彅を驚かせた。
『殺人の追憶』(03)、『グエムル‒漢江の怪物‒』(06)など二人の作品をたくさん観ている草彅は、本作も「最高のエンタテインメント。退屈するところが全くなくて、あとでいろいろ話したくなるし、何度でも観たくなる作品」と絶賛。特にソン・ガンホがインディアンの格好するシーンがお気に入りだという草彅は、「すごく似合いましたね。赤と黒があって、僕は絶対にソンさんは赤のほうが似合うと思いましたし、あの重要なシーンを迎えるためには赤が必要な小道具になっていると思いました」と持論を展開。これを聞いたポン監督は、「正直、撮影に追われ、そこまで二人とも考えたことがなかったのですが(笑)、次のインタビューから使わせてもらいますよ」と茶目っ気たっぷりに受け止めていた。
『パラサイト半地下の家族』は、第72回カンヌ国際映画祭パルムドールに続き、第92回アカデミー賞®作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の最多4部門を受賞。特に作品賞は外国語映画初の受賞となり、さらにパルムドールとのW賞は実の64年ぶりという、まさに歴史に名を残す一作となった。
(オフィシャル素材提供)
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