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『フロントランナー』来日記者会見

2019-01-22 更新

ヒュー・ジャックマン、パックン(パトリック・ハーラン)

フロントランナーfrontrunner

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

 『グレイテスト・ショーマン』のヒュー・ジャックマンが主演最新作『フロントランナー』(2/1公開)を引っ提げ、前日の成田空港で多くのファンに熱烈歓迎を受けながら3年連続の来日を果たし、日本記者クラブにて来日記者会見を行った。


 “JFKの再来”と言われカリスマ性を放つ天才政治家でありながら政界の表舞台から姿を消したゲイリー・ハートを演じたヒュー・ジャックマンが来日し、日本記者クラブにて来日記者会見を行った。

 会見冒頭には、1988年当時リアルタイムでゲイリー・ハートのおひざ元コロラド州で18歳だったという、東京工業大学の非常勤講師や報道番組ではコメンテーターとしても活躍する、お笑いコンビ「パックンマックン」のパックンことパトリック・ハーランが登壇。当時のゲイリー・ハートの資料映像を振り返りながら、政治家としてのゲイリー・ハートが若者たちのハートを掴みいかに注目を集めた人物だったのかを熱弁。ハーリング、クリーブランド、ルーズベルト、JFKら皆、愛人を持ち、200年以上前からアメリカ大統領になる人は皆浮気をしており、紳士協定が結ばれていたこと。現在に至っては、「浮気どころか複数の女性から訴えられているにも関わらず大統領はほとんど無傷なんです!」と語り、ゲイリー・ハートだけがなぜ失脚へ追い込まれたのか――この事件がいかに衝撃的であったかを解説。


frontrunner

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 そして会場が温まったところで、たくさんのマスコミのフラッシュを浴びながら、ついにヒュー・ジャックマンが登壇! 「オハヨウゴザイマス。今回は『フロントランナー』という作品で来日しました。ぜひ多くの皆さんに楽しんでいただきたい。そして必ずや今話し合うべき、そういった議論がうまれる作品になっていると思います。」と挨拶につづいて、会見は質疑応答へ。


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ハートの失脚までの数日間を、彼だけにスポットを当てるのではなく12人の視点から描かれたサスペンスです。この作品に出演することにした決め手はなんだったのでしょうか?

 2つ理由があります。1つは大好きなジェイソン・ライトマン監督とぜひとも仕事をしたかったこと。彼の描くキャラクターは白黒はっきりとさせず非常に複雑なキャラクターを描きます。そして作品ごとに違ったチャレンジをする人で観ていると感慨深く、いろいろな感情を呼び起こす作品を撮り続けている人だと思います。
 2つ目は、なによりこのストーリーに引き込まれました。大統領候補の<フロントランナー>と目されていた人が転落する、3週間を描いており今まで私が演じた役とはまったく異なると思います。ゲイリーは非常に謎めいていて知性もある。そんな彼を演じることにチャレンジしたかった。この作品をみると皆、様々な疑問を持つと思います。はっきりと答えを提示しないところがとても気に入りました。アメリカだけではなく世界中で言えることで〝今の時代”だからこそ考えさせてくれる作品になっていると思います。


ゲイリー・ハートという政治家を演じるにあたり膨大なリサーチをされたと思いますが、このスキャンダルが発覚するまで、当時の国民の心を掴んだ(支持を得た)いちばんの要因は何だと考えられていますか。

 彼は当時も今も理想主義者。若い人をインスパイアする資質をもっていました。JFKの再来と言われるほどに本当に皆が変革を起こすことのできる政治家だとも思われていた。最も優れていたところは10年、15年先を見ることができていたことです。
 彼は、1981年、まだガレージでコンピューターを作っていたスティーブ・ジョブスと一緒にランチをしていました。「これからはコンピューターの世界だからすべての教室に導入しよう」という発言をしています。1983年、アメリカは石油にこだわりすぎだということを思い、今後中東との戦争になりかねないという発言をしています。84年、ゴルバチョフと会い、レーガンが宇宙への計画を進めている最中に冷戦時代は終わり、過激派が中東で生まれる、ということも予測しています。更には2000年、テロ攻撃をうけるという警告もしています。もし、このような人がリーダーになっていたら今と違った世の中になっていたと思いますし、本当に人々に愛され、より良い世界を築けた人であったのではないかと思います。


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ジャックマンさんはインスタなどSNSでファンへ直接素敵なメッセージを届けていますが、ジャーナリズムを専攻なさっていたジャックマンさんはSNSがなかった時代にから、今どのようにジャーナリズムは変わったと思いますか。ゲイリー・ハートの時代にSNSがあったら彼はどんな風に活用されたでしょう?

 ジャーナリストのジョージ・ステファノプロス(元クリントン大統領補佐官)という人が言っていたことがあります。ゲイリーがスキャンダルを報道された時はすでに時代の流れが変わりつつある時だった。今は情報のアクセスに限界がなく、政治家は単なる政治的なリーダーとして理念や思想だけ語るのではだめな時代です。人から好かれ共感できる人物を演出しなければいけない。あまりに情報が早くリアルタイムでやり続けなければならず、即断を求められ、政治家にもジャーナリストにとっても、振り返ったり考え直す時間がない大変な時代で裏側は雑然とした状況です。
 もしSNSがあったらもちろん受け入れるしかないと思いますが、ゲイリーはたぶん気に入らなかったと思いますね。あるエピソードとして、ある時チームの人間がこう言われたそうです。「我々がXをやろうと言った時、いまこの時、この場では良いことも、ホワイトハウスに8年いるつもりの私たちにとって、数年先のその頃に果たして良いかどうか」彼は、アメリカだけでなくすべての世界にとっての影響を考えなければいけないと言っていました。


 自身も大学でジャーナリズムを専攻したこともあり、「卒業後にジャーナリストへの道も考えたこともあった。もしかしたら皆さんのように会見のそちら側に座っていたかもしれない」と語りつつ、今の時代に有望であったゲイリー・ハートに起こったスキャンダルをサスペンスフルに描いてみせる本作を、ぜひ多くの人が観て議論をしてほしいと熱くアピールをした。


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(オフィシャル素材提供)



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