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舞台挨拶・イベント

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『シスターフッド』トークイベント

2019-04-15 更新

RINA(SCANDAL)、西原孝至監督

シスターフッドsisterhood 製作・配給:sky-key factory
4月26日(金)まで横浜シネマリンにて公開中ほか全国順次公開
© 2019 sky-key factory

 西原孝至監督が、2015年から4年間撮り貯めてきたヌードモデルの兎丸愛美(うさまる・まなみ)とシンガーソングライターのBOMI(ボーミ)の生活を追ったドキュメンタリーに、新たに撮影した劇映画の部分を加えて1本の映画にまとめた、“多様性”を肯定するモノクロ映画『シスターフッド』が、横浜シネマリンにて上映中。4月14日(日)、10代女子を中心に絶大な人気を誇り、名実ともに日本を代表するガールズバンド「SCANDAL」のドラム&ボーカルのRINAが登壇し、本作の感想や、ロックバンドなのに女性らしさを前面に出したバンドであるからこそ直面した壁や打開した方法などについて話した。


 冒頭、RINAは、「私がこの映画を観たことをSNSに書いた時に、監督がそのツイートを見つけてくださって、今回の機会に繋がりました。音楽をしている時に話しきれないような、私が今思っていること、感じていることを、映画と私たちの活動に関連付けて話せたらと思っています」と挨拶。

 RINAは、「今は、『映画』『上映中』で検索したら、単館まで網羅した一覧が出てくるんですよね。それでチェックしたり、SNSで見つけたりしていて、『シスターフッド』は、上映前から気になっていた映画でした」とのこと。

 本作の感想を聞かれ、「『すごくいいな』『好きな映画だな』と思いました。1つのストーリーとしてすごく面白かったし、初めてモノクロの映画を観たんですけれど、色という要素が1つ引かれている分、これだけ軽やかに最後まで楽しめるものになるんだなと新鮮に思いました。最後のほうのBOMIさんのライブのシーンで、『なかなかフェスに呼ばれなくて、なぜか今年呼ばれたんです』とMCをしているシーンを見たときに、この映画を一気に自分に落とし込めました。というのも、自分たちも去年メジャーで10年経過したんですけれど、デビューしてから5年目までは、フェスに出たくても出られなかったんですよ。ロック誌にも全く呼ばれなくて。自分たちが斜めから見られているなと感じる瞬間がすごくある5年間でもあって、もどかしかったし、すごく悔しい5年間でした。呼ばれなかったのは、自分たちの力不足もあったと思うんですけれど、5年分のキャリアとフェスのルールもどんどん広がってきたりして、6年目から呼んでいただけるようになって、5年間出続けることによって、まっすぐ見てもらえるように、まっすぐ音楽を聴いてもらえるように少しずつなっていったなと思います。BOMIさんのMCのシーンで、これは自分の話でもあるなと思いました」と回答。


sisterhood

 西原監督は、「本作のキャッチコピーは、『わたしの幸せはわたしが決める』としたんです。僕は、イメージ先行で決めつけたがる風潮があり、多様性を認めない生きづらい社会になっているんじゃないかと漠然と感じていて、そういう違和感をこの映画で表現し、観てくださった方と考えたいなと思ってこの映画を作ったんです」と話すと、RINAは、「私は比較的女性に生まれたことを楽しんで生きているタイプだと思うんですけれど、10年前を思い返すと、私みたいなスタイルでドラムをしている女の子はまずいなかったんです。もう少し男勝りというかクールが勝っているスタイルのドラマーが多かったと思うんです。私は当時から女の子らしいものが好きで、洋服やファッションや言葉遣いは、女性として一番魅力的なままステージに上がりたいというのが昔から強くあって、ロックバンドをしているのに、女の面を前面に出しているから、きっとフェスにも呼ばれなかったのではないか、斜めから見られることも多かったのではないかと思うんです。バンドとしての力不足は大前提ですが、それプラス、今より女であることを前に出しながらロックバンドをしているガールズバンドが圧倒的に少なかったと思います。そのスタイルを貫き通して、やり続けたことによって、ガールズバンドならではのかっこよさに気づいてくれる人が増えました」と述懐。

sisterhood

 西原監督は、「きっと価値を逆転させたんですよね。『ドラマーはこうじゃないとダメ』だとかいうところに、RINAさんがドラムを叩くことによって、社会を認めさせたのではないか。」と話した。

 また、RINAは、「私は女性であるから生きづらいということを感じたことはなくて、それよりかは、女性の中でボーダーラインがあるように思っていて、10年前にフェスに出られたバンドと10年前に無視されていた、出られなかった私たちというところでラインがあって、それって女度の度合いであったり、ステージ上で男性と同じ言葉遣いでお客さんを煽っているバンドであったり、もっともっとコアでカルチャー的な匂いのするバンドであったような気がするんです。私たちはとびきりポップで太陽みたいなバンドなので、当時は明るすぎる、キャッチーすぎたのかなと思うし、ようやくいろいろなスタイルのバンドがいろいろな方向から出てきて、自分たちも憧れていた舞台に立てるようになったり、ミュージシャンからもまっすぐ見てもらえるようになったのが一番嬉しいです」と説明した。

 そういう状況を打開する方法について RINAは、「やりたいことをやろうとした時に、まだ例がない時もあると思うんです。私の場合、ミニのワンピースでロックバンドをしているドラマーがいなかったんです。私はそれが素敵だしかっこいいなと思っていて、やり続けることで、真似して出てくる人もいるし、そういうスタイルが好きだよと集まってきたり、そういうジャンルが生まれる可能性があるので、やりたいことがやれない瞬間があるのなら、やれる場所を自分たちで作ればいいと思います。すごくエネルギーがいるんですけれど、好きなことをするために使うエネルギーは大変だけれど楽しいので、やりたいように生きられる場所を自分で作ったほうがいいと思うんです」と話し、西原監督も、「僕も普段テレビのドキュメンタリーの仕事がメインだけれど、この映画は、自分たちがインディペンデントで作った映画なので、自分たちが表現する場所を作り続けるということを考えている時期で、『自分の居場所を自分で作って、自分らしく発信続けていく』、ということにすごく共感します」と話した。

 西原監督が、「僭越ながら、SCANDALがこの春立ち上げた“her”というレーベル名と『シスターフッド』がリンクするのではないかと思った」と言うと、RINAも「そうですね。」と回答。「レーベルを立ち上げるのも、去年1年かけて4人で決断したことだったんです。メジャーでメンバーが1人も変わらずに、1回も止まらずにやり続けられたことにすごく自信と誇りを持っていて、“ガールズバンド”というジャンルにもすごく誇りを持っているし、好きなんです。そういう思いでずっと音楽をやり続けていた中で、新曲を作ってツアーするだけでは解消されない、『もっと新しいところに行きたい』という欲求が去年ピークに達してしまって、どうにか解消しないと、先に進めないなということで、4人で長く話しました。そこで出た1つのアイデアとして、勇気を持って、新曲を作る場所・環境をガラッと変える位の変化が必要な時期にきているのかもなという話になって、0からのスタートになるかもしれないし、どうなるか分からないけれど、自分たちの活動する場所、自分たちの専用の場所を作ってみようと、去年はインナーの活動をたくさんしていました。

 レーベル名はギリギリに決めたんですけれど、一発で女性が関わっているレーベルだとわかるワードにしたい、ということで、”she”でもないし、”her”かなということで決めたんです。決めてから、『シスターフッド』に興味を持ったのも、自然とここにたどり着いていたのもそうだけれど、SCANDALで、フェミニズム関連の仕事をしていくのかといったらそうではないと思うんですけれど、私個人としては、女性に向けてのアプローチであったり、男性に向けての問いかけみたいなものも含めて、音楽を通してやり続けたいなと思うし、私個人としての話なんですけれど、そういうものにも興味・関心を持ちながらステージに上がりたいなと思っています。SCANDALは、6月から全国のライブハウスを回るツアーが始まるんですけれど、自分たちの今の気分というものを前面に出して、自分たちが本当に楽しめるような、ツアーに余裕を持ってできたらなと思います。その時その時でやってきているバンドなので、今後どうなるかは全然分からないんですけれど、私としてはちゃんと女性を楽しみながら音楽をしたいというのが大前提にあるかなと思っています」と話した。



(オフィシャル素材提供)



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