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2018-11-29 更新
阿部進之介、藤井道人監督
数々の映画、ドラマに出演し、名実ともに日本を代表する俳優・山田孝之が、一切出演せずに裏方へ徹した初の全面プロデュースに挑戦し、映画『キングダム』などへ出演する阿部進之介が長編映画初主演を務めた映画『デイアンドナイト』。
完全オリジナル作品である本作が問いかけるテーマは「人間の善と悪」。家族のいのちが奪われ、自らの善悪に翻弄される者たちの物語は、混沌とした現代で強く生きることの厳しさをも描き出す。山田プロデューサーは、ロケ地の交渉やロケハン、オーディション審査、スポンサーとの交渉、また映画、ドラマ、CMの撮影の合間を縫って、脚本開発会議を定期的に主催。脚本やキャスティングに関して積極的にスタッフと意見を交わしながら本作の製作へ挑んだ。監督を務めるのは、ドラマ「100万円の女たち」や映画『7s/セブンス』『TANIZAKI TRIBUTE「悪魔」』などを手掛け、新作映画『青の帰り道』の公開も控える、若手監督の最注目株とも呼び声の高い藤井道人。山田、阿部と共に同世代のメンバーが熱い思いをぶつけ合いながら、2017年11月3日にクランクイン。秋田県の秋田市、鹿角市、三種町で同年11月末まで撮影が行われ、こころ揺さぶる人間ドラマが誕生する。
この度、映画『デイアンドナイト』が広島国際映画祭2018の特別招待作品として公式上映がされ、主演の阿部進之介、藤井道人監督がトークイベント/閉幕式に登壇した。
MCの「監督、お帰りなさい!」の一声から始まったトークイベントは、監督のホームグラウンドのような温かい雰囲気と盛大な拍手と共に観客に迎えられた。監督は、広島国際映画祭の前身である「ダマー映画祭 in ヒロシマ」にて、『埃』(11)が、第3回ダマー映画祭審査特別賞、『A LITTLE WORLD』(12)が、第4回ダマー映画祭観客賞受賞と2年連続で賞に輝くなど広島映画祭とは深い繋がりをみせ、まさに監督の原点とも言える映画祭である。
最高潮の盛り上がりの中、監督は、「6年ぶりに戻って来られて、光栄です。高揚感がすごいです。実は、まだ主題歌など制作中の部分もあるのですが、(一般のお客さんにお見せするのは)日本初の上映になります。公開してから、もう1度観るには体力がいる映画かもしれないですね」と会場を沸かすと、阿部は「噛めば噛むほどにいい映画です」と観客に作品の深さを熱烈アピールし、「8年ほど前に『BADBOYS』(11)という映画で、全編広島ロケで撮影していた時に、3週間ほど東京に帰らずに広島に滞在していた」と、自身も広島との所縁を明かした。
主演だけでなく、企画・原案も担当した阿部に、これまでの経緯を聞かれると「自主映画を監督が撮られていて、出演者に友人が出ていたことで“観にきませんか”と誘われ初めて観たのがきっかけです。荒削りながら、端々に見えてくる登場人物の感情に共感することがあり、後々、別の作品をもう1本観た時に、ぜひ監督と一緒にやりたいな、と思ってからですね。関係が始まったのは」と監督との出会いを語り、「そこからお互いに、これまでどう生きてきたかなど、腹を割って話しながら始めていき、お互いに重なる部分、監督が面白いと感じたテーマを拾い上げ、やっと紙一枚にまとまったのが原案にあたるものです」と企画の成り立ちを語った。また、複雑なテーマとなった原案については、「明確な答えがあるメッセージを打ち出しているわけではないが、今という時代を感じていくうえで、監督と一緒に染み出てきたものが“かたち”になった」と答えた。
映画のキャッチコピーでもある「善と悪はどこからやってくるのか」というメッセージについて聞かれると、監督が「社会の中で多少なり生きづらさを感じていた頃、ふと奥さんの実家に帰った時に風車があって、それがすごく魅力的に映った。風がこの街に運んでくるものの中に、善と悪といった感情もあるならば、それはどこからやってくるのだろうかと阿部さんとも話した。映画の一番最初の定義になったものは、“風車”“どこからやってくるのか”ってこと」と本作の根幹となった出来事についても告白。
最後に、「今回は秋田でしたが、広島でも映画を作って欲しい」とのMCからの質問に、「実は、2010~11年に宮島を舞台にしたプロットを書いた覚えがある」と監督が明かし、次回作に期待を寄せながら、トークイベントは終了した。
【広島国際映画祭2018とは】
広島国際映画祭(HIFF)の前身である「ダマー映画祭inヒロシマ」は、アメリカ・シアトルで行われていた「ダマー映画祭」の日本版として、アメリカ版が休止した2009年に日本・広島でスタートした。「ココロとココロをつなぐ」をテーマに2013年まで毎年開催し、2014年に広島県や広島市、文化・経済団体などからなる実行委員会を立ち上げ「広島国際映画祭」と名称変更して生まれ変わった。「ポジティブな力を持つ作品を、世界中から集めた映画祭」をコンセプトに、被爆から復興を遂げた広島ならではの映画祭を目指している。10周年を迎える今年は、11月23日(金・祝)~25日(日)の3日間で開催。『デイアンドナイト』は、“特別招待作品”として公式上映が行われた。
(オフィシャル素材提供)
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