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2018-05-23 更新
田中 和(原作)、イッセー尾形、阿部純子、井上雅貴監督
ミハイル・ガルーシン駐日ロシア大使
配給:KADOKAWA
2019年3月22日(金) 角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
2019年3月16日(土) 愛媛県先行ロードショー
© 2019「ソローキンの見た桜」製作委員会
ラジオドラマ「~松山ロシア人捕虜収容所外伝~ソローキンの見た桜」(南海放送)が、構想10年を経て映画化される。
2018年日露交流記念作品となる映画『ソローキンが見た桜』の製作発表会見が、在日ロシア連邦大使館にて行われ、出演者のイッセー尾形、阿部純子と田中 和(原作)、井上雅貴監督、ミハイル・ガルーシン駐日ロシア大使 が出席した。ロシア連邦大使館での会見は日本映画史上初めてとなる。
日露戦争のさなか、愛知県松山市に設置された「捕虜収容所」を舞台に日本人女性とロシア軍少尉とが織りなす「愛」の物語。戦争のさなかにハーグ条約に則り、当時松山の人口は3万人で5人に一人がロシア人という割合で2年もの間トラブルなく共生していたという。今でも松山市民が当時亡くなったロシア兵98人の墓所を清めていることも、あまり知られていない事実だろう。メガホンを取るのは、アレキサンドル・ドモガロフや石井岳龍に師事した井上雅貴監督。撮影は来月に松山ではじめられ、7月は場所を移しロシアのサンクトペテルブルクで行われる。
今作で、日露戦争時を生きた女性・ゆいと2018年を生きる駆け出しのテレビディレクター・桜子と1人二役に臨む阿部は、「2役と聞いて、とても緊張しています。責任重大ですよね」と気持ちを引き締め、「日本とロシアの映画交流に参加できることで胸がいっぱいです」と意気込みを語った。
捕虜収容所長役を務めるイッセー尾形は「会見には劇中衣装を着て出たい」とこだわったことを明かし、「子供の頃からこの話は知っていました。そんなことがあったんだ。信じられない思いでしたが、(日本人として)誇りに思っていました。そんな作品に出られることが出来て光栄です」と撮影を心待ちにしている様子。また、役作りでは「捕虜の人権をどこまで尊重するのか日々悩んだと思います。そういう苦悩やジレンマをいっぱい体験したいと思います」と話した。
ゆいと恋に落ちるロシア兵役・ソローキン役のロデオン・ガリュチェンコからは「来日して松山での撮影を楽しみにしています。忘れられないほど大事な思い出になると思います」とメッセージが届いており、阿部は「ロシアの方とのお芝居は初めてですが、お会いするのが楽しみです。国を隔てての作品作りに感動しています」と瞳を輝かせた。
オールロシア語、ロシア・ロケの作品「レミニセンティア」を監督した経験のある井上は「日露友好作品として、非常に価値のある重要な映画になると思っています。自分ができる力をすべて注いで映画を制作していきます」と意気込みを語っていた。
(取材・文・写真:Sachiko Fukuzumi)