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2018-06-21 更新
今泉力哉監督
ベストセラー作家・伊坂幸太郎“初”にして“唯一”の恋愛小説集を、斉藤和義の音楽にのせ、『愛がなんだ』の今泉力哉監督が映画化することでも話題を呼んでいる『アイネクライネナハトムジーク』が、第22回上海国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、大盛況の内に上映と今泉力哉監督のQ&Aを終えた。
当日は、1000人という上海国際映画祭で最大級のキャパシティを誇るメインスクリーンの「上海影城(Shanghai Film Art Center)」が若い男女を中心に満席となる賑わいを見せ、エンドロールに入ると会場からは大きな拍手が。また、鑑賞中は度々笑いが起こったり、印象的なシーンでは涙を流す人も出るなど、とても暖かな雰囲気に包まれての上映となった。その後、Q&Aに今泉力哉監督が登壇し、サプライズで三浦春馬からのコメントが読み上げられると、会場からは黄色い歓声が! 終映後は、監督にサインをもらおうと観客が押しかけ、身動きが取れなくなる一幕もあった。
★ 上映後Q&A
今泉力哉監督: 『アイネクライネナハトムジーク』を監督しました今泉力哉です。映画祭でたくさん映画がある中で、この映画を選んでいただいてありがとうございます。この広い会場が満席になっているのを見てすごく嬉しいです。 日本でもまだ関係者やマスコミの皆様向けにしか試写を行っていないので、一般の方に観ていただくのはこの機会が初めてになります。僕も上映を皆さんと一緒に楽しみながら観ることが出来ました。
観客: 原作は伊坂幸太郎さんの小説で、様々なエピソードが絡み合う物語だと思います。ひとつの物語にまとめるために工夫されたことはありますか?
今泉力哉監督: 伊坂作品を過去何作も担当されている脚本家の鈴木さんと一緒につくっていきました。最初は一人で脚本を書きますと言ったんですが、全然書けなくて。鈴木さんに助けていただきながら進めていったという経緯があります。この映画もそうですが、僕一人で出来ることなんて限りがあって。いろいろな人が携わって出来上がっていった作品だと感じています。
ここで、サプライズで届いた三浦春馬からのコメントを司会が読み上げる。
三浦春馬 コメント: この作品は決して壮大ではないけれども、一人ひとりが確かに心に持っている「小さな愛」が溢れている映画です。誰かが誰かを想い、その想いが連鎖を起こし、生まれる小さな奇跡の連続を大事に描いた作品となっています。この映画が上海の地で、一足早く皆さんにご覧いただけることを幸せに思います。ありがとうございました。
観客: 『愛がなんだ』とはまた違うテイストの作品になっていると感じましたが、いかがでしょうか?
今泉力哉監督: 作品のテイストや温度は2作とも違うかもしれないですが、描いているものはどちらも“愛”についてです。『アイネクライネナハトムジーク』は家族の話もありますし、『愛がなんだ』は恋愛に寄せていたりもしますが、僕の中ではどちらもハッピーエンドであることが大切というよりは、ベストじゃなくてもこういう関係もいいよね、というのに惹かれている部分があってそれを描いています。小さな失敗とか、人間ぽい部分、人のダメさや弱さを描いているというのが、2作では共通しているところだと思っています。そして、そういうところに自分はすごく興味があります。小さい失敗をどう面白く捉えるかなど、例えば、自分でホテルでアイロンをかけたらここをちょっと焦がしちゃったんですけど……、そういうのもありながらもそれをポジティブに捉えていく、そんなことができたらいいなと思っています。
今回、日本映画でコンペティション部門(実写部門)に選出された作品は、本作『アイネクライネナハトムジーク』のみとなっている。
これまでコンペティション部門では、第6回(02)に岩井俊二監督作『リリイ・シュシュのすべて』が、審査員特別賞と最優秀音楽賞を受賞、さらに第8回(05)には三原光尋監督作『村の写真集』が最優秀作品賞(金爵奨)を受賞、近年では第19回(16)に阪本順治監督作『団地』で主演の藤山直美が最優秀女優賞を受賞するなど、日本映画への注目度が高いのも伺い知れる。授賞発表は、現地時間の6月23日(日)。
(オフィシャル素材提供)
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