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舞台挨拶・イベント

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『ラッキー』公開記念トークイベント

2018-03-31 更新

川瀬陽太×樋口泰人

ラッキーlucky

配給:アップリンク
新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町にて大ヒット公開中ほか 全国順次公開
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 ハリー・ディーン・スタントンの最後の主演作『ラッキー』の公開記念イベントが3月28日(水)、アップリンク渋谷にて行なわれ、俳優の川瀬陽太と日本全国各地にて爆音上映を企画・上映するboid主宰の樋口泰人が登壇。役者ハリー・ディーン・スタントンの生き様について、熱く語り合った。


 本作は、自由で堅物で一匹狼、90歳の頑固じいさんラッキーが、ちょっと風変わりな街の人々との交流を通じて、「死」と向き合い始める物語。『パリ、テキサス』『レポマン』『エイリアン』など200本以上の作品に出演したハリー・ディーン・スタントンの人生になぞらえて描かれたたラブレターともいえる作品。

 かねてよりハリー・ディーン・スタントンへ憧れていたという川瀬は「89歳で主演して91歳まで生きるなんて、そんな出来た俳優人生なんてない。潜在的にスタントンのことは見ていたが、初めて役者ハリー・ディーン・スタントンとして認識したのは『エイリアン』だった」と述べ、アメリカ映画に精通している樋口は「僕も『エイリアン』で初めて認識した。他にはサム・ペキンパーの『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』に出ているが、スタントンとペキンパ―は1歳違い。ペキンパ―が亡くなったのは何年も前で、スタントンはついこの間まで映画に出演していたというのは、本当にすごい。そう言えば撮影時に、共演していたボブ・ディランと飲みに行って撮影に遅刻し、激昂したペキンパ―に銃で撃たれかけたという話もある」とエピソードを披露。会場は笑いに包まれた。

 話題は、ハリー・ディーン・スタントンの代表作『パリ、テキサス』へ。川瀬は「まるで書割りのように映画に出続けてきたスタントンだからこそ、ヴィム・ヴェンダースは彼を起用したんだと思う。日本でも欧米でも、いわゆるアート映画みたいなものが礼賛されていた時代に、まさにスタントンは求められていたのかもしれない。スタントンはずっと名もなき役を演じてきたが、『パリ、テキサス』で遂に主役を演じた」と語り、樋口は「『パリ、テキサス』のサントラを担当したライ・クーダーとも親交が深く、彼のアルバムで歌を披露している。『パリ、テキサス』のスタントンを知っている人にとったら、この曲を聴いたら泣かざるを得ない。スタントンはミュージシャンとしても活躍して、みんなから慕われて、そんなことってそうそうない」と言及。

 樋口は「俳優から見てスタントンは、特別な演技訓練を受けた跡が見えたりしますか?」と川瀬に質問。昨年30本以上の作品に出演したという川瀬は、「スタントンは、時間をかけて油を抜いた俳優。特別なことをしなくても、スタントンがいるだけで映画がスタントンのものになっている。このポジションは、スタントンしかいない。なんでそうなったか判然としない。戦争体験や、残酷な映画業界で直面した別れや死はあっただろうけど、見えてこない。ただそこにいるだけで現場の空気、グルーヴ、ペースを作れる人だったのではないかと思う。まさに現場から愛される人」と役者ハリー・ディーン・スタントンについて熱弁をふるった。

 映画『ラッキー』は、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか絶賛公開中。



(オフィシャル素材提供)



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