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2018-01-30 更新
三浦友和、諏訪敦彦監督
配給:ビターズ・エンド
YEBISU GARDEN CINEMAほか絶賛公開中!
© 2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BALTHAZAR-BITTERS END
ヌーヴェルヴァーグを代表する名優ジャン=ピエール・レオーを主演に迎え、『M/OTHER』『不完全なふたり』の諏訪敦彦監督が『ユキとニナ』から8年ぶりに撮り上げた、仏日合作作品『ライオンは今夜死ぬ』が、YEBISU GARDEN CINEMA にて絶賛公開中だ。この度は公開を記念し、99年に諏訪監督長編2作目『M/OTHER』で主演を務めた三浦友和と諏訪監督のトークイべントが実施された。当時の思い出を振り返り、今だから語れる当時の撮影秘話や諏訪作品の魅力、そしてそれぞれの俳優論、監督論についてたっぷりと語った。
★ 三浦友和も絶賛!「この映画には自由がある」
<老いた名俳優が問う「難題がある。どうやれば死を演じられる?」さらりと答える女性がいる「演じてはだめ」だから、この映画は美しい。>
先駆けて本作にコメントを寄せた三浦。99年に諏訪監督長編2作目『M/OTHER』で主演を務め、2人は本会場で19年ぶりの再会を果たした。本作の舞台は南仏コート・ダジュール。南仏好きで3度も訪れているという三浦は、本作の感想を聞かれ、「2度も観てしまいました。ワンカット目から独特の光と青い海が映り込んできて、“あ、南仏だ”と引き込まれましたね。『M/OTHER』は暗い照明の演出だったので、諏訪監督らしくない演出だなと思って驚いてしまいましたが(笑)。ジャン=ピエール・レオー演じる老優と子どもたちが対等に見えて、あんなに老いているけど、彼は実は子どもなんだなと思いました。私も今年66歳になりますが、実は中学生からずっと変わってない自覚がある(笑)。でも、役職についたり、部下ができたりするとそれらしくしなきゃと、“大人”を演じるようになってしまうんですよね」と、語った。
対して「おっしゃる通り、本作を作りながら、子どもに戻っていい、無邪気に作っていいんだということに気づかされましたね」と監督。「そして、“死”が描かれているのにまったく説教くさくない。そしてエンドロールで自由に考えさせられる映画。とても“優しい映画”だと感じましたね」と、本作の感想を三浦が語った。
★ 『M/OTHER』で三浦友和が脚本を執筆するもボツに!?
全編即興の長回しの撮影だったという『M/OTHER』の撮影現場。出演依頼を受けた三浦は、「“即興でやるってどういうこと?”と、ものすごい興味を持ったんですが、不安でいっぱいでした。脚本がないことに堪りかねて、私が脚本を書いてしまったほど。でも、その脚本を構成に組み込んでもらえるのかと思ったら、無視されてまったく別の内容になってましたね(笑)」と、当時の撮影秘話を明かした。
対して「『ライオンは今夜死ぬ』でも、ジャン=ピエールはもちろん、子どもたちにも即興の演技をしてもらった。子どもたちもジャン=ピエールも予測不可能な演技の連続でしたね」と諏訪監督。そして、「監督は俳優に何を求めているんですか?」との三浦さんの率直な質問に対し、「やっぱり、この人からいったいどんなものが出てくるんだろう、と自分が予測できない人に魅力を感じます 。『M/OTHER』では、三浦さんの演技が映画全体を変えていってくれたし、共演者の思いがけない新たな演技も引き出してくれたと感じています」 と、監督が三浦さんの魅力について語った。
★“巧くできている”と評価されるより、観る人によって自由に感じてもらうことが一番
「“死をどう演じたらいいのか分からない”という、冒頭シーンでの俳優の主人公の問いに対し、メイク担当の女性が“演じてはだめ”と答える台詞がとても素晴らしかった。この答えは、僕たち俳優にとっての永遠のテーマでもあるので、冒頭から一気に引き込まれました。ものを作るということは作為の塊なのに、私たち俳優は何もしていないように何かをしなければならないんですよね。私たちの仕事は“あの人の演技上手かったね”と言われてはまだまだなのではないかと思っています。個人的には“あの役が憎たらしかった”“素敵な人だった”と感じてもらえることのほうがずっとうれしい」と三浦。
対して、「映画の作り手として、私も同じことを感じますね。本作をパリで200人の子どもたちに観せたとき、映画の途中で拍手をしたり、最後のエンドロールでは手拍子をしながら観てくれた。そんなふうに自由に観てもらえるのはとてもうれしいし、羨ましいなと思います。私の映画をヨーロッパで上映すると、怒っている人もいれば、途中で出て行く人、泣いている人もいる。でも、そういう映画があっていいんだと思います。“巧くできている”と評価されるより、観る人によって自由に感じてもらうことが一番うれしいですね」と諏訪監督。
トークイべントの終了時間が過ぎているにもかかわらず、本作への感動が冷めやらぬ三浦は、観客にも本作を観た感想を問いかけた。感想を述べた観客がアニメーションを手がけている監督だと分かると、「それは、それは! 今後も、ぜひよろしくお願いします!」と語りかけて会場の笑いを誘い、大いに盛り上がったトークイべントを締めくくった。
(オフィシャル素材提供)
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