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2016-11-11 更新
原題:CHANT D'HIVERフランス革命の時代、どこかの戦場、現代のパリ──時代や場所が違っても、人と人は繋がっている。変わることなく繰り返される日々の営み。争いや略奪、犯罪は決してなくなることはない。それでも、溢れるほどの愛や友情、希望がある。寒い冬の後には、必ず花咲く春がやって来る。明けない夜はない。そう、明日は今日よりも良いことが待っている。混沌とする社会の不条理を、反骨精神たっぷりのセンスの良いユーモアで、ノンシャランと笑い飛ばす。カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなどで数々の賞を受賞し、世界各国でゆるぎない評価を得ているオタール・イオセリアーニ監督。日本でも、『月曜日に乾杯!』『ここに幸あり』のヒットで、熱狂的なファンを増やし続けています。そんな彼が、81歳にして軽やかに謳いあげた夢が詰まった人間賛歌。イオセリアーニ監督の集大成とも言える『皆さま、ごきげんよう』は、極上のワインのような豊饒な輝きを放つ傑作となりました。
たまらなく魅力的で愛すべきキャラクターたちが繰り広げるいくつものエピソードは、まるで絵本をめくるような楽しさに満ち溢れています。一見関係なく思える様々なエピソードは、しりとりのようにゆっくりと繋がって、ひとつの素敵な物語を作り上げます。そして、観る者に人生の本当の豊かさを気づかせてくれます。
「映画の上でも、実生活でも尊敬する人物だ。年を取るほど大好きになっていく」と、イオセリアーニ監督が絶賛を贈るのは、『アメリ』などジャン=ピエール・ジュネ監督の作品でお馴染のリュファス。主人公の管理人だけでなく、ギロチンで首をはねられる中世の男爵、体中に刺青を入れた従軍司祭……など、幾つものキャラクターを変幻自在に演じています。
骸骨集めが大好きな人類学者を飄々と演じるのは、『群盗、第七章』、『素敵な歌と舟はゆく』、『月曜日に乾杯!』などイオセリアーニ作品の常連で、監督と同じグルジア(現ジョージア)出身のアミラン・アミラナシュヴィリ。
イオセリアーニ監督が敬愛するジャック・タチの『ぼくの伯父さん』のイラストポスターを手掛けたピエール・エテックスがホームレスのひとりに、武器を買うゴロツキには、『愛より強い旅』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した映画監督のトニー・ガトリフが扮しています。黙々と家を建てる男を演じるのは、ヨーロッパのみならず、近年ハリウッドでも活躍するマチュー・アマルリック。彼はイオセリアーニ監督の「月の寵児たち」で役者デビューを果たしています。
現代のパリ。アパートの管理人にして武器商人の男。骸骨集めが大好きな人類学者。ふたりは切っても切れない縁で結ばれた悪友同士。
そんな彼らを取り巻くちょっとユニークな住人たち――覗きが趣味の警察署長、ローラースケート強盗団、黙々と家を建てる男、没落貴族、気ままに暮らすホームレス、そして、お構いなしに街を闊歩する野良犬たち。
そんな中、大掛かりな取り締まりがはじまり、ホームレスたちが追いやられてしまうことに。緊急事態発生! 街の住人たちは立ち上がるが……。
(2015年、フランス=ジョージア、上映時間:121分)
キャスト&スタッフ
監督・脚本・編集・出演:オタール・イオセリアーニ
出演リュファス、アミラン・アミラナシュヴィリ、ピエール・エテックス、マチュー・アマルリック、トニー・ガトリフほか
配給
ビターズ・エンド
12/17(土)より、岩波ホールほか全国順次ロードショー!
オフィシャルサイト
www.bitters.co.jp/gokigenyou/ (外部サイト)
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