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2016-10-14 更新
原題:La Dernière leçon「今まで本当にありがとう。素晴らしい人生だわ」。92歳のバースデーパーティの席で、主役のマドレーヌのスピーチは感謝の言葉から始まった。だが、その後に続いた宣言に耳を疑う家族。「2ヵ月後の10月17日に私は逝きます──」。
動揺する娘、怒りだす息子、一緒にいてと懇願する孫。家族の波乱の日々が始まるが、母を説得しようと会話を重ねるうちに、娘は次第に母の生き方やその強さに心を動かされていく。刻々と近付く“その日”を迎えるまで、マドレーヌと娘が過ごした日々とは──?
2002年、リオネル・ジョスパン仏元首相の母親ミレイユが、自らの人生を終える日を決め、それを実行。この92歳のパリジェンヌの“決断”が、フランスに大きな波紋を投げかけた。その後、彼女の娘であり作家でもあるノエル・シャトレが母の決断を綴った「最期の教え」を出版、“美しい死を選ぶという生き方”に多くの人々が心を動かされた。以来、殺到する映像化のオファーをすべて断っていたノエルだが、10年後に再び届いた申し出を“時が来た”と快諾、ついに映画化が実現したのだ。
マドレーヌには、カンヌ国際映画祭の常連・名匠アンドレ・テシネの『私の好きな季節』や『溺れゆく女』で知られるマルト・ヴィラロンガ。確固たる意志を持ち、常に自立を心がけ、自分らしく生きる美学を生涯貫き通す、まさに世界中が憧れるパリジェンヌの元祖を生き生きと演じる。助産婦の仕事に生涯を捧げ、女性の権利のためにデモや抗議運動に参加し、一方で自由でドラマティックな恋も重ねてきた彼女にとって、自分の人生を決めるのは自分しかいないのだ。
マドレーヌには、カンヌ国際映画祭の常連・名匠アンドレ・テシネの『私の好きな季節』や『溺れゆく女』で知られるマルト・ヴィラロンガ。確固たる意志を持ち、常に自立を心がけ、自分らしく生きる美学を生涯貫き通す、まさに世界中が憧れるパリジェンヌの元祖を生き生きと演じる。助産婦の仕事に生涯を捧げ、女性の権利のためにデモや抗議運動に参加し、一方で自由でドラマティックな恋も重ねてきた彼女にとって、自分の人生を決めるのは自分しかいないのだ。
娘のディアーヌには、『仕立て屋の恋』『親密すぎるうちあけ話』など奇才パトリス・ルコント監督作品で知られるサンドリーヌ・ボネール。母の意志を尊重したい思いと、娘としての悲しみに引き裂かれる姿には、激しく胸を締め付けられる。息子のピエールには、『メトロで恋して』のアントワーヌ・デュレリ。実話にはない映画オリジナルのキャラクターだが、母の決意に強く反対する人物を出すことで、様々な議論を呼ぶ問題にバランスを持たせた。その他、やはりオリジナルキャラクターのお手伝いの女性に『サンバ』のザビーネ・パコラ。独特な死生観を持つ彼女に、絶妙なユーモアを配したセリフを与え、シリアスなテーマの中に多くの笑いをもたらしたのは、コメディ映画を手掛けてきたパスカル・プザドゥー監督ならではだ。
マドレーヌの決断は、最大限自分らしく生きるためのもの。人は最期の瞬間まで命を輝かせることが出来るのだと観る者に勇気をくれる本作は、2016年のフランス映画祭を笑いと涙で包み込み、最高賞である観客賞を受賞。ここに人生を祝福する感動の物語が誕生した。
子供や孫にも恵まれ、穏やかな老後を過ごすマドレーヌ。まだまだ元気な彼女だが、92歳の誕生日のお祝いに駆けつけた家族に対して驚くべき発表をする。気力があるうちに、自らの手で人生に幕を下ろすというのだ。
絶対反対を唱える家族たちと、揺るがないマドレーヌの意志。しかし限られた日々を共に過ごす中で、次第に家族たちはマドレーヌの想い、そして彼女の生きてきた人生と触れ合っていき――。
(2015年、フランス、上映時間:106分)
キャスト&スタッフ
監督・脚本:パスカル・プザドゥー
原案:ノエル・シャトレ「最期の教え」(青土社刊)
出演:サンドリーヌ・ボネール、マルト・ヴィラロンガ、アントワーヌ・デュレリ、ジル・コーエン、グレゴアール・モンタナ、ザビーネ・パコラほか
配給
ギャガ
10月29日(土) シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
オフィシャルサイト
http://gaga.ne.jp/92parisienne/ (外部サイト)
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