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2016-08-15 更新
原題:La Femme de la Plaque Argentiqueカンヌ、ヴェネチア、ベルリンといった世界三大映画祭に出品され、ヨーロッパを中心に世界中で高い評価を得ている黒沢 清監督。2015年カンヌ国際映画祭ある視点部門で『岸辺の旅』が監督賞を受賞し、本年も『クリーピー 偽りの隣人』がベルリン国際映画祭に出品され、好評を博した。
その黒沢監督がオールフランスロケ、外国人キャスト、全編フランス語のオリジナル・ストーリーで挑んだ初めての海外進出作品『ダゲレオタイプの女』。監督以外はキャストも含めすべてが現地スタッフの中、撮影は行われた。
主人公のひとりとも思えるほどにこだわり抜いたロケーション、不穏さを漂わせる空気さえ映し込んだような画面……。ホラーでいてヒューマン・ドラマ、ジャンルも、生死も、国境も超えた、まぎれもない黒沢印の新たな傑作が誕生した。
主人公を演じるのはジャック・オディアール監督作品『預言者』でセザール賞の主演男優賞と有望若手男優賞をダブル受賞したほか数々の映画賞を受賞、アスガー・ファルハディ、ファティ・アキンなど名匠とのタッグが続く実力派俳優、タハール・ラヒム。ダゲレオタイプに魅かれ、やがて悲劇に飲まれる男、ジャンを存在感たっぷりに演じた。
ジャンが恋心を抱くヒロインには『女っ気なし』で注目を集めた女優コンスタンス・ルソー。写真家の娘マリーを愛らしく、儚く、そして、魅力的に演じる。
そして、ダルデンヌ兄弟作品で知られるオリヴィエ・グルメがダゲレオタイプの写真家ステファンの傲慢さと苦悩を体現し、さらには数々の名作に出演しているマチュー・アマルリックが脇を固めている。フランス映画界のみならず、世界の映画界を支える名優たちが競演し、『ダゲレオタイプの女』の世界を見事に形にした。
映画音楽を担当したのはデプレシャン監督作品で知られるグレゴワール・エッツェル。数々の映画音楽を手掛けてきたエッツェルが本作のためにアビーロードスタジオで映画音楽を収録、唯一無二の黒沢世界を美しく彩っている。
ダゲレオタイプの写真家ステファンのアシスタントに偶然なったジャン。その撮影方法の不思議さに惹かれ、ダゲレオタイプのモデルを務めるステファンの娘マリー恋心を募らせる。しかし、その撮影は「愛」だけではなく苦痛を伴うものだった……。
芸術と愛情を混同したアーティストである写真家のエゴイスティックさ、父を慕いながらも拘束され続ける撮影を離れ自らの人生をつかみたいマリーの想い、撮影に魅了されながらもただマリーとともに生きたいというジャンの願い、そして、自ら命を絶っていたステファンの妻の幻影……。
愛が命を削り、愛が幻影を見せ、愛が悲劇を呼ぶ。世界最古の撮影を通して交わされる愛の物語であり、愛から始まる取り返しのつかない悲劇。
(2016年、フランス=ベルギー=日本、上映時間:131分)
キャスト&スタッフ
監督・脚本:黒沢 清
撮影:アレクシス・カヴィルシヌ
音楽:グレゴワール・エッツェル
出演:タハール・ラヒム、コンスタンス・ルソー、オリヴィエ・グルメ、マチュー・アマルリックほか
配給
ビターズ・エンド
10月15日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開!
オフィシャル・サイト
http://www.bitters.co.jp/dagereo/ (外部サイト)