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2016-06-27 更新
ルシール・アザリロヴィック監督、塚本晋也監督
配給:アップリンク
2016年11月 渋谷アップリンク、新宿シネマカリテほか全国順次公開
© LES FILMS DU WORSO - NOODLES PRODUCTION - VOLCANO FILMS - EVO FILMS A.I.E. - SCOPE PICTURES - LEFT FIELD VENTURES / DEPOT LEGAL 2015
ルシール・アザリロヴィック監督最新作、映画『エヴォリューション』が2016年11月の公開に先駆け、6月24日から開催中の「フランス映画祭2016」にて上映。関連企画として、美しくも妖しい少女の世界を描いたガールズムービーの金字塔、前作『エコール』の35㎜フィルム上映と併せてマスタークラスが6月26日東京・飯田橋のアンスティチュ・フランセにて行われ、20年来の大親友、『野火』の塚本晋也監督と対談した。
◆ルシール監督と塚本監督2人の出会い
ルシール・アザリロヴィック監督: アヴォリアッツ映画際で初めて会いました。その時は自分の映画ではなく、パートナであるギャスパー・ノエの『カノン』の手伝いで一緒に行ったんですが、そこで初めて『鉄男』を観たんです。ギャスパーと二人で「すごい映画だね! 日本人の監督が撮っているんだって、絶対会いにいかなきゃ!」とすぐに飛び着きました。私たちが二人で迫っていったので、塚本監督は怖かったんじゃないのかな(笑)。当時、私は英語が話せなかったんですが、お互いに分かり合えたと思います。
塚本晋也監督: アボリアッツ映画祭は『鉄男2』で初めて招待された海外の映画祭で、そこで最初にあったのがギャスパー・ノエで、一緒にいたのがルシールさんだったんです。こんなに長くお付き合いが続くとはとってもびっくりです。その時ギャスパーの家に泊まったんです。そこでルシールの『ミミ』(96)の前に作られた短編集『First Death of NONO』をみせてもらい、「ダーク・ビューティフル」と言ったら、そのフレーズをとても喜んでくれていました。
◆お互いの作品について
ルシール・アザリロヴィック監督: 塚本さんの作品はほとんど観ています。もちろん新作『野火』も。彼の撮る映画にとても興味がある。というのは、新しいものを発明するような実験的な作品が多くて、そこに面白さも感動もあり、非常に自由に作られてれいるから。更に、塚本監督本人が監督、俳優、撮影、照明、編集、制作もすべて行っている。ギャスパーもそう言っているんですが、彼はまさに“オーケトラマン”。しかも『野火』に至っては配給までも行っていて、それをすべて見事にやり遂げるのは信じられないことだと思っています。
塚本晋也監督: 僕も彼女の作品はほとんど観ています。今日上映した『エコール』についてはルシールがそのまま映画になったよう。彼女は本当に少女みたいな人なんです。一緒にカラオケ行っても小さな声で歌うんです。その少女のような感じがそのまま映画になっている。この映画はまさにルシールそのもの。普段は少女のようなルシールだけど、映画作りについてはかなり厳格に映画を作っていて、僕自身励まされます。
ルシール・アザリロヴィック監督: この『エコール』については少女の視線で捉えた世界を描きたかった。外部の大人の目でみたというのではない。そして10歳くらいの子供たちにこの作品を観せたかった。実際子供たちにこの作品を観せると「普通だよ。僕たちの今見ている世界だよ」と答えるんです。一方大人に見せると「変な世界ね」といったように捉えるのがおもしろい。私は映画の中のシーンのように棺に入ったことはないけど、この作品は自伝的なものを含めた映画です。
◆映画の作り方・撮影について
ルシール・アザリロヴィック監督: 映画を作る際に自分なりのルールがあります。ストーリー・ボードは作らないし、カメラは固定で長回し。だから塚本さんのような動く映像に憧れます。作品を作る時はいろいろなものをそぎ落として映画を作っていく。そしてミニマルな映画ができていきます。
塚本晋也監督: 新作の『エヴォリューション』を一足先に観させていただきましたが、最初に観た時、あまりに映像が綺麗なのに驚いて「最初の海のシーン、あれどうやって撮ったの?」と開口一番に聞いたんだよね(笑)。
ルシール・アザリロヴィック監督: そうやって言ってくれたのとっても嬉しかったです!
塚本晋也監督: 映像のことばっかり言ってると思われるかもしれませんが、映像の持つ力は大きくて、映像が語る。映像が物語を生み出すんだと思います。
(オフィシャル素材提供)
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