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2016-04-28 更新
渡辺 謙
配給:東宝東和
4月29日(金・祝)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
© 2015 Grand Experiment, LLC.
アカデミー俳優マシュー・マコノヒーと日本を代表する国際派スターとして活躍を続ける渡辺 謙。演技力と存在感で映画界に確固たる地位を築いた2人が初めてタッグを組み、ガス・ヴァン・サント監督と共に生み出した、驚きと感動に満ちた泣けるミステリー『追憶の森』が、いよいよ4月29日(金)より公開となる。
この度、渡辺 謙登壇のプレミアイベントが実施された。4月17日(日本時間)に大盛況の内に幕を閉じたブロードウェイ・ミュージカル「王様と私」の公演終了後、渡辺が公の場に登場するのは、今回のイベントが<初>。オスカー俳優マシュー・マコノヒーとの共演で話題となっている本作だが、残念ながら今回マシューの来日は実現しなかったものの、当日はビデオメッセージで登場! マシューは、渡辺への激励コメントや撮影での裏話を披露。しかし、渡辺に対し突然の無茶ぶりをする場面もみられるも、当の渡辺は笑ってスルーする様子を見せ、会場からは笑いが起こった。
満席の会場から大きな拍手で迎えられた渡辺 謙。アメリカから帰国して今回が初めての公の場となった渡辺は、「シリアスな映画ではあるけど、ふと立ち止まって、初夏の風の匂いなどを感じてもらえるような映画です。本日ご覧いただけることを本当に嬉しく思います」と挨拶。
本作の出演オファーが来たときのことを尋ねられると、「オファーがきたときは、東日本大震災のときだったんです。この映画は死生観なども反映されている作品なので、そのときは、それを背負いきれる心の余裕がなく、お断りしました。でも、一昨年にまたオファーをいただいて、そこでガス(・ヴァン・サント監督)が決まったと聞いて、その後マシューも決まって、じゃあ受けようということになったんです」とコメント。
初のタッグとなったガス・ヴァン・サント監督と渡辺だが、ガスの印象について「彼の映画を観て、なんとなくとても繊細で、ボソボソとしゃべるような人なのではと思っていたんですが、実際は全然違くて、THE職人といった感じの人でした」と言い、現場での様子について「ロケーション・マップに番号がふってあるんですけど、その順番をサイコロで決めよう!とかいう人なんですよ!」と暴露。
本作では、通常スタッフが行うような看板の文字などもチェックしていたという渡辺。それについて「スタッフが、森に落ちているお菓子の空き袋とかも用意してくれていたんだけど、その中にハングルのものも交じっていたりしたので(笑)、それを教えてあげたり、森の入口にある鳥居の文字は僕が書いたものなんです。その文字を元にスタッフがつくったんですよ」と明かした。
その青木ケ原の樹海で、マシュー演じるアーサーと渡辺 謙演じるタクミが偶然出会い、そこからふたりが出口を求めて、<旅>が始まる本作。残念ながら、仕事の都合で来日がかなわなかったマシューだが、なんとこの日は、マシューからビデオ・メッセージが到着!
渡辺との共演は念願だったと話すマシューは「ケンと一緒に頑張った作品を観てもらえるのは幸せです」とコメント。渡辺の印象について「ケンとの共演は楽しかった。ケンには独特の雰囲気がある。自分が何者かをよく分かっているね。だから君からは威厳を感じるんだろう、王様のようだよ」といい、続けて「しかも非常に面白い。あんなにユーモアがあって愉快な人とは知らなかった。撮影の合間の笑い話で気持ちが和んだよ」と撮影中のエピソードを披露。
それを受け、渡辺もマシューの印象について「似てるタイプの俳優だと思っていました。きっちり準備していくというよりは、この映画に関しては、その場で生まれるものを大切にしたいと思っていたんです。マシューは、的確に拾って返してくれますし、やりやすかったです。お互いプロだと感じました」と言い、続けて「撮影は現場まで2~3キロ離れているんだけど、撮影でお互いびしょ濡れで疲れている中、そこまで歩いていかなければならなくて、夜中に2人で懐中電灯をそれぞれに渡されてトボトボと歩いていたら、靴の音だけクチャクチャと響きわたっていて(笑)、俺たち何やってんだろうって思わず2人で笑ってしまったことがありましたね」と撮影での思い出を振り返った。
続くマシューのビデオ・メッセージでは、役作りのため、二人が撮影前に意図的に会うのを避けていたというエピソードも披露、それはあまり上手くいかなかったそうで、最初のテイクは使わなかったという。
また、東京での撮影も行った本作で、“渋谷”の印象についても語ったマシュー。「ものすごい数の人がいてにぎやかだった。これは日本の特徴かな」。しかし、オスカー俳優である世界的なハリウッド・スターであるにも関わらず、存在に気づかれなかった語るマシューは、渡辺だったら違ったと食いつく。「僕に気づいて振り返ったのは300人中1人程度だ。もし君が渋谷の交差点を歩いていたら、300人中299人が気づいただろう。“ケン!”と歓声が上がったりしてね…! 役名は“タクミ”だし現場が混乱したはずだ!」とジョークを交えながらコメント。
渡辺は、最初のテイクが使われなかった理由について「ガスと最初の打ち合わせをしたときにリハーサルをやりたいか聞かれたんだけど、現場で初めて会う状況をつくるためにスケジュールを調整してもらったんです。だけど、僕たちは野生動物のようなところがあるので、ものすごくエモーショナルになりすぎてしまって……あまり良いシーンにならなかったんですよね」と説明。
日本には奥さんを同伴して訪れたというマシューだが、その際に渡辺が豪華夕食をごちそうしてくれ、プレゼントも贈ったことについて「感動的なもてなしだった。日本でも君の真心を感じたよ。おかげで日本での撮影が気持ちよく始められた」と振り返るマシュー。
そのプレゼントの内容とは、“モダンな感じのフルーティな香りのお香”だそうで、テキサスに住んでいることを考慮して、いろいろな部位が食べられる焼き肉屋に連れていったと話す渡辺。
劇中で渡辺が歌声を披露しているのも注目シーンのひとつだが、そのことについても触れたマシュー。渡辺の歌声を「いまいましいほど歌が上手なんだよ。みんなは聴いたことある? 聴きたい?」とマシューが煽ると、渡辺は風邪を引いているから……と拒否! マシューのユーモアたっぷりのコメントと笑ってスルーする渡辺の姿に、会場からは笑いが起こった。
マシューは「今度君と共演する時はアクション映画をやるより一緒に歌って踊りたいね、ミュージカルをやろう。デュエットするんだよ。きっと楽しい共同作業になる」とまさかの逆オファー!
最後にマシューは、渡辺に孫が生まれることへの祝福の言葉や日本のファンへメッセージを寄せた。
マシューからの長いメッセージを全て聞き終わった渡辺は「僕のことをユーモアがあると言っていましたけど、そっくりそのままマシューに返すよ!」と言い、劇中で披露する歌については「作品の内容に合わせて自分で英訳して歌いました。現場で、今度『王様と私』をやるんだっていったら、えーと笑われたんだけど、あれはマジかよって感じで思っていたと思いますよ!」とコメント。
最後にこれから鑑賞する観客に向けて「今回の熊本での震災や難民問題やテロなどが様々な問題が多発する中で安住の地はどこにあるのんだろう、どうやったらそこへ辿りつけるんだろうと、みんな悩み続けていると思います。その中で、どうやって死というものを受け止めるのか。どうやって大切な人を自分の中に生かし続けさせるのか、ガスが優しく描いています。この映画は、ふと立ち止まってみてもらいた映画です。こうしなければいけないとかこうあるべきだと、今世の中でがんじがらめになっていることが多いと思うんです。だけど、一旦立ち止まって、今自分の周りには誰がいるのか、誰が支えてくれるのかを確認し、ゆっくりと歩みを進めていただける作品となっていると思います」とメッセージを寄せた。
(オフィシャル素材提供)
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