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2015-12-15 更新
終戦から70年。作家・井上ひさしの願いを、山田洋次監督がついに映画化します。
「父と暮せば」で広島を、未完となった「木の上の軍隊」で沖縄を舞台に描いてきた井上ひさしが、強く書きたいと考えていたのが、長崎を舞台にした物語でした。そして、タイトルは「母と暮せば」だと、たびたび口にされていました。その話に強い衝撃を受けて、監督はこの物語をつくることを決意しました。
山田監督は「父と暮せば」と対になるような作品にしたいという思いで、「父と暮せば」の広島を舞台に原爆で死んだ父親と生き残った娘の物語を、長崎で原爆に遭って死んでしまった息子と、残された母親の物語として描くことにしました。
慎ましく生きる市井の人々を丹念にリアルに描いてきた山田監督が、CGを多用して亡霊の息子を描き、1948年の長崎を再現、夢と現実が美しく交わる世界を描くという新たな創造の世界を作りだしました。その根底にあるのは、山田作品で変わらず描かれる人間の愛情のドラマです。これは、これからもずっと残るであろう、やさしくて悲しい物語なのです。
母親・伸子役には、近作『母べえ』、『弟』でも主演を演じた吉永小百合、息子・浩二役にはクリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』で海外からも高い評価を得た二宮和也、そして浩二の恋人・町子役には『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭の最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞したことが記憶に新しい黒き 華、町子の新たな恋人・黒田役には『母べえ』以来2度目の山田監督作品への出演で、吉永小百合とも2度目の共演となる浅野忠信、伸子のことを気にかけている通称“上海のおじさん”役には、舞台を中心に精力的に活躍し、映画出演は88年の『椿姫』以来となる加藤健一という、理想的で実力あるキャスティングが実現しました。
そして、今回音楽を担当するのは、世界を舞台に活躍している坂本龍一。かねてより『男はつらいよ』のファンでもあったという氏が初めて山田作品に参加し、映像に美しい旋律を重ね、作品に更なる豊かさを加えています。
1948年8月9日。長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。
「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこられなかったんだよ」。
その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになる。二人はたくさんの話をするが、一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。「いつかあの子の幸せも考えなきゃね」。
そんなふたりの時間は、奇妙だったけれど、楽しかった。その幸せは永遠に続くようにみえた――。
(2015年、日本、上映時間:130分)
キャスト&スタッフ
監督:山田洋次
脚本:山田洋次・平松恵美子
音楽:坂本龍一
出演:吉永小百合、二宮和也、黒木 華、浅野忠信、加藤健一、広岡由里子、本田望結、小林稔侍、辻 萬長、橋爪 功ほか
制作・配給
松竹
大ヒット公開中
オフィシャルサイト
http://hahatokuraseba.jp/ (外部サイト)
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