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2015-05-18 更新
佐藤浩市、樋口可南子、北川景子、野村周平、杉咲 花、吉田 羊
柄本 明、朝原雄三監督
配給:アスミック・エース/松竹
2015年6月20日(土) 全国ロードショー
© 2015「愛を積むひと」製作委員会
「日本で最も美しい村」北海道・美瑛町を舞台に佐藤浩市と樋口可南子が夫婦役初共演を果たし、人生の希望と豊かさとは何かを、私たちに優しく寄り添い問いかけてくる感動作『愛を積むひと』が、約1年の撮影を経て遂に完成した。
この度、6月20日の全国公開を先立ち、佐藤浩市、樋口可南子、北川景子、野村周平、杉咲 花、吉田 羊、柄本 明等の豪華キャストと朝原雄三監督による完成報告会見、さらに会見後には、キャスト勢揃いで完成披露試写会での舞台挨拶を行った。
<完成報告会見>
本作で見事なアンサンブルを見せてくれた日本を代表する俳優が集まり、5月13日、まずは完成報告会見を行った。仕事一筋で生きていた実直で不器用な主人公・篤史を演じる佐藤浩市、篤史の妻で、心臓の病を抱えながらも、明るくふるまう良子役に、7年ぶりの映画出演となる樋口可南子、篤史と良子の娘役・聡子に北川景子、さらに野村周平、杉咲 花、吉田 羊、柄本 明、そして朝原雄三監督が登壇し、公式の場での初めての会見を行った。
佐藤浩市: カミさんがいないと何もできない女房依存症の夫を演じた佐藤です(笑)。本日はよろしくお願いいたします。
樋口可南子: 女房依存症の夫を愛おしく愛おしく思う妻を演じました。北海道美瑛町にオープンセットをたてて、役者としてはとても良い現場でお芝居させていただきました。たくさんの方に観ていただきたいと思います。
北川景子: 佐藤さんと樋口さんの娘を演じました。実はお母さんの樋口さんとは先ほど初めてお会いしました(笑)。会えて良かったです。本当に映画らしい映画で、参加できてとてもうれしいです。
野村周平: 感じのよくない青年を演じました(笑)。北海道の大自然の中で演じさせてもらって、とても光栄でした。
杉咲 花: 素敵なキャスト・スタッフの皆さんとご一緒できて、とてもうれしいです。
吉田 羊: 素晴らしい良い映画です。よろしくお願いいたします。
柄本 明: 松竹映画です。朝原監督です。松竹映画です(笑)。宣伝よろしくお願いいたします。
朝原雄三監督: 柄本さんが松竹映画とおっしゃいましたが、アスミック・エースと共同製作です(笑)。地味な映画ですが、よろしくお願いいたします。
佐藤浩市: まったくないんですよね(笑)。世代が近いこともあり、日本映画界を引っ張ってきた先達たちを同じく見てきて、共通する部分が多い。話す必要がなかったですね。
樋口可南子: 話さずにできたのは珍しいと思います。同じ時代を生きてきたからこそ、目指すものがいっしょでお互いに持ち寄ったものでできてしまうんですよね。夫婦が積み重ねてきたものを醸し出すのって難しいと最初は思ったのですが、できてしまいました(笑)。北海道に引っ越すまでの裏設定はちょっと話しましたけど。
北川景子: テレビや映画でいつも拝見している大先輩方とお話しできてうれしかったです。佐藤さんとは美瑛で、クライマックス・シーンで初めてお会いして緊張していたんですが、「ここは大事なシーンだから、ちょっと話そうか」と声をかけてくださったんです。裏設定をじっくり話す経験がなかったので、「篤史はこういう父親だったと思う」といろいろ話してくださって、こうやって役を膨らませていくんだ、と貴重な経験をさせていただきました。
野村周平: 緊張してしゃべれなくて、佐藤さんに怒られないかと思いましたが、見ているだけで勉強になりました。樋口さんはとてもフランクに話してくださって……あ、佐藤さんが話してくれなかったわけじゃないです(笑)。
杉咲 花: オーディションの途中で佐藤さんと樋口さんが演じられることを知って、この映画に絶対出たいと思って、決まってうれしかったです。ご一緒させていただいて、身が引き締まる思いでした。刺激的で、いろいろ勉強させていただいて、ありがとうございました。
吉田 羊: 私は7月と10月に行ったんですが、2つの季節の移り変わりだけでも本当に美しいです。大通りは整備されていて、いろんなお店が密集していて楽しいんですが、閉店が早くて呑兵衛の私にはちょっと物足りないところも(笑)。
柄本 明: キレイなところ。何もないところ。飯食う所と夜開いている店がなくて、ね。歩くのは好きなので、よく歩きまわって気持ちよかったです。
朝原雄三監督: 今日は暑いですが、蒸し暑いのが嫌いで、向こうは涼しくてよかったです。思った以上に風景に助けられて、あそこに家を建てたことが演出としていちばん良かったと思っています。
樋口可南子: 7年ぶりの感じがしなくて自然に入れました。たんたんと日常を描いていてシンプルな話なので、どうなるんだろうと心配していましたが、浩市さんの芝居に泣けたり、他の方たちのエピソードもうまく重なっていて満ち足りた映画になっていると思いました。
佐藤浩市: 私たちが演じる主役の小林夫婦が理想というわけでもありません。普通の夫婦です。お互い通じ合えた中で生きていける、考えていける夫婦が理想ですかね。キレイごとかもしれませんが(笑)。
樋口可南子: 長くいっしょにいられる、というだけで理想だと思います。たくさんの人がいる中で、巡り合っていっしょになったわけですから。
北川景子: 佐藤さんは違うとおっしゃいましたが、映画に出てくる夫婦は理想です。感情を言葉にしない夫を奥さんがちゃんと察しているところなど、言葉や形のないところでお互い支え合って、長くいっしょにいられる、無償の愛は素敵です。
野村周平: ずっといっしょにいられることは素晴らしいこと。僕もそういう人と巡り合いたいです。一生愛せる相手がいるのって幸せですよね。
杉咲 花: 結婚……考えたことないな。まだ、わからないです(笑)。
吉田 羊: 理想の夫婦のあり方が分かっていたら、私は今独身じゃないです(笑)。私は九州女なので、男性をたてつつも、裏で転がしているという関係がいいですね。夫を演じてくださった柄本さんは朴訥としてて愛情深く、こんな旦那さんは理想ですね。
柄本 明: 40年。忍耐、辛抱、諦め、そして絶望を通り抜けて、いっしょにいられることが幸せなんじゃないでしょうか(笑)!
佐藤浩市: 50代半ばなんですが、スタッフが軽い石も用意してくれたんですけど、実際の重さを感じないとやってる意味がないと思ったんです。一日ずっと積んでいるシーンもありましたが、苦労っていう苦労はなかったですね(笑)。
野村周平: 僕は……とても重かったです。一日ずっと積むだけのシーンもあって、しかも監督が雨男だったので、次の日に持越しなんてこともありました(笑)。
<完成披露試写会>
会見に続き、完成披露試写会を行った。老若男女の観客で埋め尽くされた会場に、豪華キャストと朝原監督が登壇すると、大きな拍手で迎えられた。全員黒を基調としたシックな装いでの登場に、落ち着いた挨拶になると思いきや、大爆笑の連続に。「手紙」が映画の中でキーアイテムとして登場することから、今まで受け取った手紙で、強く心に残っているものは?という質問には、会場の人々までほろりとさせるような、様々なエピソードが披露され、笑って泣いての大盛り上がりのイベントとなった。
佐藤浩市: 美しい町です。一年のいちばんいい時期に撮影させていただきました。その場所に家を建てたことがすごい。そこから見える景色、朝夕の変化など、自然の力が、おおらかな気持ちにさせてくれました。
樋口可南子: 家の周りの大自然、丘の風景、見たことのないスケール感でした。そんな中でお芝居ができ、しかもオフまで満喫させていただきました。ただただ「美しい」から、撮影が進むと役柄も入ってきて、涙を感じる瞬間もありました。
北川景子: 佐藤さんとは今回初共演で、美瑛で初めてお会いしました。しかも最初の撮影がクライマックスの感情が昂ぶるシーンだったので、不安もありました。さすがに大変だから、と佐藤さんが撮影前に話す時間を作ってくれて、「景子ちゃんのお父さんはどんな人なの?」など聞いてくださり、役柄のバックグラウンドを肉付けしていって、撮影もうまくいきました。とても勉強になりました。
野村周平: 現場で会ったとき、自然体で良い子だなと思いました。妹みたいで、彼女役だったこと忘れてしまいました(笑)。
杉咲 花: 同じく……お兄ちゃんみたいだなと思いました。気さくに話しかけてくださって、恋人としての距離感を大事にしたいとおっしゃってくれて、とてもありがたかったです。
吉田 羊: 大先輩で大変緊張しました。最初のシーンが抱き合って喜ぶというシーンだったので。映画の中できちんと夫婦に見えていたら、それは柄本さんの懐の大きさによるものです!
柄本 明: 初めて会って、抱き合って喜ぶ。そういう仕事です、はい(笑)。
朝原雄三監督: 佐藤さんはせっかちで「スケジュールどうなっている?」とよく聞いてきました。しかもスタッフ全員の名前を覚えていて、座長として皆のことを考えてくださいました。そこはお父さん(三國連太郎さん)と違うところで、あの人は自分のことしか考えない迷惑な役者でした(笑)。でも佐藤さんの後ろ姿を撮っていたら、三國さんに似ていて……「この背中、見たことある」と思ったんです。なので、そろそろ二代目・三國連太郎を襲名してもよいのではないかと……。
佐藤浩市: 勘弁してください(笑)。
朝原雄三監督: 樋口さんは、いつもげらげら笑っている明るいおばさんでした(笑)。ナイーブな役柄を「女優はやる気になったらやるのよ」とおっしゃっていたようにしっかり務めてくださいました。
佐藤浩市: 昔30代半ばのころ、三國が「生かされてあればこそ」と一筆くれたんです。勝手に生きているという振る舞いが鼻についたのかもしれません。今になってジワジワとその言葉の重みを感じながら、この仕事を続けています。
樋口可南子: 20年ほど前にお亡くなりになった五社英雄監督の最後の2作品に出させていただいて、5通手紙をいただいたんです。「大きい大きい女優さんになってください。次回作は惚れすぎないよう、噛みつきたいと思います」とあって、女優にとっては殺し文句だなと。そろそろ朝原監督からも手紙をいただけると思っています(笑)。
朝原雄三監督: メールします(笑)!
北川景子: 10年ほど前の母からの手紙ですね。10代で上京したばかりで、仕送りもしてもらっていて、迷惑ばかりかけていた私に「若くして自分のやりたいこと、進みたい道を見つけて、頑張っているあなたを誇りに思います」と書いてくれて……つらいときはいつも読み返してます。今も大切にとっています。
野村周平: 上京するときにおばあちゃんから手紙と色紙をもらって、色紙に「堕落するな」と書いてありました。今も飾っています!
杉咲 花: 小さい頃、お泊り遠足に行く前、お母さんから手紙をもらって「気を付けてね、大好きだよ」と書いてありました。すぐ帰りたくなりました(笑)。
吉田 羊: 誕生日に母から手紙をもらって、「羊ちゃん見たよ」と疎遠になってた方からも連絡をもらうようになったらしく、「人と人をつなぐ尊い仕事をしてるわね」と書いてありました。この仕事を選んだ意味を再認識させられました。
柄本 明: 20年ほど前、帰宅すると妻からの手紙が置いてありました。「別れてください」と。謝って、謝って、どうにか40年続いています(笑)。
朝原雄三監督: 4年間温めた映画です。キャストもすばらしく、理想の形に出来上がりました。地味な映画ですが、ぜひ楽しんでください。
(オフィシャル素材提供)