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作品紹介

トップページ > 作品紹介 薄氷の殺人

2014-11-26 更新

原題:白日焰火

薄氷の殺人thinice
© 2014 Jiangsu Omnijoi Movie Co., Ltd. /
Boneyard Entertainment China (BEC) Ltd. (Hong Kong). All rights reserved.

イントロダクション

 2014年の第64回ベルリン国際映画祭、世界中からその会場に集った業界人やジャーナリストは、アジアの新たなる才能が放ったクライム・サスペンスに熱狂の拍手を贈った。ウェス・アンダーソン監督作品『グランド・ブダペスト・ホテル』(審査員特別賞)、リチャード・リンクレイター監督作品『6才のボクが、大人になるまで。』(監督賞)といった強力なライバルを抑え、中国の新鋭監督ディアオ・イーナンの長編第3作『薄氷の殺人』がコンペティション部門の最高賞たる金熊賞と男優賞をダブル受賞したのだ。その先鋭的なオリジナリティに満ちあふれ、観る者をめくるめく現実と悪夢の狭間へと誘うノワールな映像世界は、『殺人の追憶』のポン・ジュノ、『罪の手ざわり』のジャ・ジャンクーらに続く並外れた大器の登場を予感させる。

thinice 心身共に傷を負った孤独な元刑事を主人公にした『薄氷の殺人』は、一見オーソドックスなミステリー劇として進行しながらも、ジャンル映画の枠には収まりきらない異形のスリルをみなぎらせていく。中国の地方都市を舞台に、雪に覆われた屋外スケート場などの風景を独特のカメラワークで捉え、大胆なリズムの編集を施した映像には、そこはかとない虚無感や緊張感が混在し、観る者の感性を刺激してやまない。撮影前に『第三の男』『黒い罠』といったフィルム・ノワールの名作を参照したというディアオ・イーナン監督のシネフィル的なセンス、そして経済発展が目覚ましい大都市とはまったく異なる時間が流れる中国北部の現実を見すえた鋭い眼差しが、生々しいリアリティと得体の知れない不条理性が渦巻く斬新なヴィジュアルに結実した。

thinice また主人公ジャンと“宿命の女”ウーが織りなす、危ういまでに魅惑的なラブ・ストーリーからも目が離せない。生きる目的を失って自暴自棄となり、未解決事件の不気味な闇に囚われていく男。すべての被害者と関係を持ちながらも多くを語らず、はかなげな魔性の色気を漂わせる女。そんな決して惹かれ合ってはならない男女が行き着く果てには、いかなる衝撃的な運命が待ち受けているのか。主演は『戦場のレクイエム』『ライジング・ドラゴン』などで活躍するリャオ・ファンと、台湾=フランス合作映画『藍色夏恋』で鮮烈デビューを飾り、今や中華圏を代表するトップ女優へと成長を遂げたグイ・ルンメイ。ふたりが体現する哀愁、官能、狂気をまとった罪深き愛のかたちは、ただならぬ凄みを発散し、観る者の胸をざわめかせ続ける。

ストーリー

thinice 1999年、中国の華北地方。6都市にまたがる15ヵ所の石炭工場で、ひとりの男の切り刻まれた死体の断片が次々と発見された。

 2004年、5年前の異様な殺人を似通う、新たな連続バラバラ殺人事件が発生。私生活に問題を抱えた元刑事のジャンが独自の捜査に乗り出す。

 被害者たちは殺される直前、いずれも若く美しいウーという未亡人と親密な仲だった。それは単なる偶然なのか、それともウーは男を破滅に導く悪女なのか。

 そして、ジャンもまた、はからずも“疑惑の女”に心を奪われていく……。


(2014年、中国・香港、上映時間:109分、PG-12)

キャスト&スタッフ

監督:ディアオ・イーナン
出演:リャオ・ファン、グイ・ルンメイ、ワン・シュエビン、ワン・ジンチュン、ユー・アイレイほか

配給
ブロードメディア・スタジオ
2015年1月10日(土)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開!

オフィシャルサイト
www.thin-ice-murder.com/

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