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『ゆきゆきて、神軍』公開30年記念上映決定!

2017-07-20 更新

shingun

 1987年8月1日、渋谷のユーロスペースで『ゆきゆきて、神軍』が封切られた。この年の8月から翌年3月まで26週間の記録的な大ロングランとなり、5万3000人を動員した。同劇場の興行成績ナンバーワンで、今もなおその記録は破られていない。

shingun 己れをたった一人の“神軍平等兵”と名乗る奥崎謙三の奇矯さと、その奥崎を執拗に迫る原 一男の過激さが相まって、作品の評判が広がり、単館公開から全国50ヵ所で公開され、現在では当たり前になった「映画館でドキュメンタリー映画を観る」というパイオニア的な作品となった。

 ベルリン国際映画祭カリガリ映画賞や日本映画監督協会新人賞など、その年の映画賞を独占し、『ボウリング・フォー・コロンバイン』で知られるマイケル・ムーア監督など、世界中の映画人に影響を与えた。しかし、その内容ゆえに、テレビ放映などが厳しいと言われている作品でもある。

 今回は、公開から30年を記念して、世間の目も気にせず、我が道を貫いた奥崎謙三が問い続けた戦争責任、権力やタブーに抗って生きていくことを改めて考える上映イベントが開催される。

 原監督がオファーしたゲスト、そして一般からのリクエストで決まったゲストを交えて、とことん語り尽くされる。トークゲストの詳細は近日発表予定。


原 一男監督からのメッセージ

 今年5月、毎日新聞で「『ゆきゆきて、神軍』いま上映できるか 公開30年、原 一男監督に聞く」という記事を書いていただき、これは挑戦状だと受け止めた私(たち)は、なんとかこの夏、上映できないものか?とその可能性を探ってきました。最大の課題は、上映する劇場が見つかるかどうか、でした。
shingun それが見つかったのだ。「ウチでやりますよ」と名乗り上げていただいた。東京・渋谷のアップリンク! ありがたい!
 「神軍」ファン、奥崎謙三ファンは元より、平成という時代の今、戦後民主主義の破壊が迫っていることに危機感を抱いている人たちに呼びかけたいのです。
 「神軍」をダシにして、その危機感について、深く考えてみませんか?「神軍」の初上映から30年が経ちます。「神軍」は昭和に発表された作品ですが、昭和から平成へと時代が移ったことで何が変わったのか? 何を失おうとしているか? 私は、作品を発表した時よりも今のほうが、奥崎謙三さんが込めたメッセージについて、より深く、いろいろと考えています。
 上映だけでなく、考えるきっかけとしてゲストを招きたいと考えています。60分ほど、じっくりお話していただきたいのです。
 上映期間を1週間頂きましたので、毎日、お一人をお招きします。
 実は、この企画を実現したいと考えたときに、ツイートで茂木健一郎さんに、ゲストとしてお出でいただくことに、既にOKを頂いています。
 上映まで1ヵ月、ゲストを急いで決めなければなりません。即、出演交渉を始めます。そこで皆さんに提案があります。ゲストの候補をあげてくれませんか?
 皆さんの推薦の多い人から交渉をしてみますので。その交渉の模様は、ネットでお知らせしますから。
 上映の時間などの情報は追ってお知らせいたします。


【トークゲスト募集】

 『ゆきゆきて、神軍』上映後トークイベントのゲストをリクエストを募集します。すでに出演交渉をしている方もいらっしゃいますが、今回はリクエストを募って、ゲスト交渉をしていきます。「この人に語って欲しい!」「あの人は奥崎謙三の生まれ変わりだ!」など、皆さんが話を聞いてみたいゲスト候補を教えて下さい。自薦・他薦は問いません。

 <応募方法>

 <Twitterの場合>ハッシュタグ「#ゆきゆきてゲスト」と希望ゲスト名を入れてツイート

 <Facebookの場合>new「CINEMA塾」2014講座(https://www.facebook.com/newCINEMAjuku/)のゲスト募集の告知投稿にコメント欄に希望ゲスト名を記入してください。

 原一男監督の座右の銘「もっと過激に! もっと自由を!」をモットーに、もっと暑い夏にしましょう!!


映画『ゆきゆきて、神軍』

 (1987年、日本、上映時間:122分)

shingun ■監督・撮影:原 一男
■製作:小林佐智子
 ■録音:栗林豊彦
 ■編集・構成:鍋島 惇

 87年の日本映画界を震撼させた驚愕の作品。天皇の戦争責任に迫る過激なアナーキスト・奥崎謙三を追った衝撃のドキュメンタリー。
 神戸市で妻とバッテリー商を営む奥崎謙三は、たったひとりの「神軍平等兵」として、“神軍”の旗たなびく車に乗り、今日も日本列島を疾駆する。生き残った元兵士たちの口から戦後36年目にしてはじめて、驚くべき事件の真実と戦争の実態が明かされる……。平和ニッポンを鮮やかに過激に撃ち抜いた原 一男渾身の大ヒット・ドキュメンタリー。

 2017年8月12日(土)~8月18日(金) アップリンク渋谷にて上映。


原 一男(はら・かずお)

 1945年6月、山口県宇部市生まれ。
 東京綜合写真専門学校中退後、養護学校の介助職員を勤めながら障害児の世界にのめり込み、写真展「ばかにすンな」を開催。72年、小林佐智子と共に疾走プロダクションを設立。同年、障害者と健常者の“関係性の変革”をテーマにしたドキュメンタリー映画『さようならCP』で監督デビュー。74年、原を捨てて沖縄に移住した元妻・武田美由紀の自力出産を記録した『極私的エロス・恋歌1974』を発表。セルフ・ドキュメンタリーの先駆的作品として高い評価を得る。
 87年、元日本兵・奥崎謙三が上官の戦争責任を過激に追究する『ゆきゆきて、神軍』を発表。大ヒットし、日本映画監督協会新人賞、ベルリン映画祭カリガリ賞、パリ国際ドキュメンタリー映画祭グランプリなどを受賞。
 94年、小説家・井上光晴の虚実に迫る『全身小説家』を発表。キネマ旬報ベストテン日本映画第1位を獲得。05年、ひとりの人生を4人の女優が演じる初の劇映画『またの日の知華』を発表。
 後進の育成にも力を注ぎ、これまで日本映画学校(現・日本映画大学)、早稲田大学、大阪芸術大学などで教鞭を取ったほか、映画を学ぶ自らの私塾「CINEMA塾」を不定期に開催している。
 寡作ながら、公開された作品はいずれも高い評価を得ており、ブエノスアイレス、モントリオール、シェフィールド、アムステルダムなど、各地の国際映画祭でレトロスペクティブが開催されている。
 17年、新作『ニッポン国vs泉南石綿村』が完成。



(オフィシャル素材提供)


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