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第22回ニッポン・コネクション日本映画祭プログラムのハイライトを発表

2022-03-20 更新

ニッポン・コネクションnipponconnection
©2022 NIPPON CONNECTION

 第22回ニッポン・コネクション日本映画祭は、2年間にわたるオンライン開催を経て、2022年5月24日~29日にドイツ・フランクフルトで再び現地開催される。約100本に上る最新の日本映画を上映、同時に開催されるカルチャー・プログラムでは、ワークショップ、講演、コンサート等を通し、日本文化に触れる機会を提供する。さらに一部上映作品が2022年5月30日~6月6日に、ニッポン・コネクション・オンデマンドと題してストリーミングされる予定(ドイツ国内のみ)。


ニッポン名誉賞

 今年の映画祭では、第6回目の「ニッポン名誉賞」が授与される。この賞は、日本映画界に特別な功績を残した人物に贈られる。今年の受賞者は、俳優の永瀬正敏。デビュー作である、相米慎二監督の『ションベン・ライダー』(1983)で、少年の複雑な内面を繊細に演じ、一躍有名になった。国際的には、ジム・ジャームッシュ監督作品の『ミステリー・トレイン』(89)と『パターソン』(2016)に、さらにF.T.フリドリクソン監督作品の『コールド・フィーバー』(95)に出演し、注目を浴びた。園子 温監督、石井岳龍監督、山田洋次監督の他、河瀨直美監督とのコラボレーションも多々ある。川瀬監督作品『あん』(15)では、第37回ヨコハマ映画祭にて主演男優賞を受賞した。

 今年のニッポン・コネクションでは、永瀬氏が出演する複数の作品がドイツプレミア上映を迎える。『星の子』(20、大森立嗣監督)では怪しい宗教にのめり込む父親を演じ、藤本啓太監督の『二人ノ世界』(20)では、頸椎損傷のために首から下の自由を失ったが、盲目のヘルパーの助けを得て、再び生きる勇気を取り戻す主人公を演じている。特別上映として、ジム・ジャームッシュ監督作品の『ミステリー・トレイン』が35ミリフィルムでDFF – Deutsches Filminstitut & Filmmuseumにて上映される。上映後の質疑応答に加え、これまでの俳優人生を振り返るトークイベントも予定されている。授賞式は2022年5月29日に映画祭会場のKünstlerhaus Mousonturmにて行われる。


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映画への愛の告白 - ヤクザ映画とアニメ芸術

 再び上映の場が劇場へと戻ってきたことに、ニッポン・コネクションは映画への愛を宣言し、その復帰を祝う。周防正行監督作品『カツベン!』(19)は、20世紀サイレント映画時代の活動弁士に焦点を当てたテンポあるコメディで、ニッポン名誉賞受賞の永瀬氏は、アル中のならず者を演じている。


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©Photographed by Kazuyoshi Shimomura

 ジャンル映画ファンには、『孤狼の血 LEVEL2』(21)の上映が待っている。白石和彌監督の当作品は、広島でのヤクザの闇世界へと誘うスリラー。また日本が長きにわたって世界にもその優秀さを誇る、アニメ映画も上映される。エキセントリックな名作『マインド・ゲーム』(04)とNetflixシリーズ『DEVILMAN crybaby』で有名な湯浅政明監督が『犬王』で映画館に戻ってくる。社会の除け者として扱われる2人が、卓越したアニメ芸術と傑出したサウンドトラックで、音楽と舞踊で封建時代の日本にて名声を博す物語を描き出す。ドイツ・プレミア上映として、アカデミー賞®にもノミネートされた世界的アニメーション作家・山村浩二監督による初の長編アニメーション『幾多の北』が上映される。作品では表現主義的な映像を通して、日本社会に大きな傷跡を残した3.11東日本大震災のトラウマに向き合う。


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大人になる物語

 今年の重点テーマである「Stories of Youth」では、日本の若者の日常や、彼らが直面する現実や経験についての洞察を提供する(Kulturfonds Frankfurt RheinMain後援)。

 草野翔吾監督の『彼女が好きなものは』(21)では、いかに日本社会がまだ保守的でカミングアウトが難しいかを語っている。ある男子高校生が同性愛者であることを隠し、同級生の女子と恋愛するふりをする様子を描く。日本アカデミー賞受賞監督の石井裕也による『茜色に焼かれる』(21)では、コロナ禍で、父親の死と学校でのいじめと向き合う中学生を描いている。


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コンサート、ワークショップ、講演

 ニッポン・カルチャー部門では、フランクフルト現地及びオンラインにて、日本文化を体験する場が提供される。二十五絃箏奏者の中川かりん氏、ドイツ・日本デュオのDie Yamasakisによるコンサートに加えて、様々な手工芸のワークショップが開催される。Paula Nishikawara氏による魚拓ワークショップ、山下美千代氏による金継ぎワークショップ等を通し、それぞれの芸術を体験することができる。また、弁当作りワークショップやお菓子料理教室で、日本の味を楽しむこともできる。村上春樹作品の翻訳家であるUrsula Gräfe氏による、文学作品のプロ翻訳の世界を一眼する講演もある。ニッポン・キッズ部門では、日本における子ども・青少年の日常をテーマとしたオンライン講演、漫画講座等が開催される。


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©Daniel Töchterle

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映画祭情報

 プログラムの全容とチケットに関しての情報は2022年5月半ばから、映画祭ホームページにて掲載される(NipponConnection.com 外部サイト)。

 映画祭メイン会場であるKünstlerhaus MousonturmとTheater Willy Praml Naxoshalleに加えて、Cinema at the DFF – Deutsches Filminstitut & Filmmuseum、Mal Seh'n Kino、 Internationales Theaterが会場となる。また、今回初めてEldorado Arthouse Kino、Bürgerhaus Bornheimが会場として加わる。

 映画祭終了後に一部上映作品が2022年5月30日~6月6日に、ニッポン・コネクション・オンデマンドと題して映画祭サイトホームペーサイジ上のWatch.NipponConnection.comにてストリーミングされる予定(ドイツ国内のみ)。


 【映画祭について】

 日本映画祭「ニッポン・コネクション」は約70人のボランティアを中心としたチームからなるNPO法人「ニッポン・コネクション」により運営されている。また、ヘッセン州科学芸術大臣アンゲラ・ドルン氏、フランクフルト市長ペーター・フェルトマン氏及び在フランクフルト日本国総領事館に後援されている。2000年の映画祭発足以来、日本映画に関する世界最大のプラットフォームへと、またヘッセン地方における最大級の映画祭となった。

 ■公式サイトNipponConnection.com (外部サイト)



(オフィシャル素材提供)



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