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第20回映画祭
「ニッポン・コネクション」
オンライン～全プログラム

2020-06-09 更新

　今年はオンライン開催となる、第20回ニッポン・コネクション映画祭の全プログラムが発表された。2020年６月９日から14日まで、世界最大の日本映画専門の映画祭にて、70本以上の長・短編映画を自宅で観ることができる。幅広いプログラムが動画プラットフォームVimeoにて提供され、今年は世界中からニッポン・コネクションに参加することが可能となる。視聴する国によってアクセスが可能な映画は異なるが、ドイツ国外でもプログラムの一部を観ることができる。ニッポン・オン・デマンド（外部サイト）と題し、どの映画プログラムも24時間一本５ユーロでレンタルして観ることができる。映画祭ホームページでは、10枚セットのお得な前売り券も購入することが可能だ。またニッポン・コネクテッド部門（外部サイト）では、ワークショップや講演会、パフォーマンス、コンサートなどを毎日、多彩な日本文化がライブ配信される。プログラムの完全版は以下のホームページNipponConnection.com（外部サイト）に公開されており、各映画・イベントのチケットリンク及びアクセスリンクが掲載されている。

多数のドイツ、ヨーロッパ、日本国外プレミア上映

　ニッポン・コネクション・オンラインでは数多くの優れた日本映画作品が上映される。昨年カンヌ国際映画祭でプレミア上映が行われた、ヴェルナー・ヘルツォーク監督のドキュメンタリードラマ『ファミリーロマンス社』を初め、上映作品の半数以上がドイツ、ヨーロッパ、そして日本国外で初めて封切られる。今村瑛一監督のゾンビ・ロードムービー『ビューティフル、グッバイ』と越川道夫監督の繊細なファミリードラマ『夕陽のあと』は海外プレミア上映。内藤瑛亮監督の『許された子どもたち』、今村圭佑監督のデビュー作『燕 Yan』がヨーロッパで初上映を果たす。日本アカデミー賞三冠を達成した藤井道人監督作品『新聞記者』もニッポン・コネクション・オンラインにてヨーロッパ初公開となる。
　文化基金カルチャーファンド・フランクフルト・ライン・マインの後援の下、今映画祭の重点テーマを「FEMALE FUTURES? ー日本における新たな女性像」（外部サイト）とし、多くの上映作品、講演、パネルディスカッションが現在の日本映画における女性の役割に焦点を当てる。また今年は映画祭20周年を記念し、ベスト・オブ・ニッポン・コネクション（外部サイト）にて過去の映画祭プログラムのハイライト作品を観ることができる。

日本の最新ドキュメンタリー映画

　ニッポン・ドックス部門（外部サイト）では、女性監督の作品を中心に、多くの優れたドキュメンタリー映画が選出された。小森はるか監督作品『空に聞く』は、2011年の東日本大震災で被害を受けた岩手県の陸前高田災害FMのラジオ・パーソナリティーを５年間追った作品で、海外プレミア上映。小森監督は2018年に当映画祭にてニッポン・ヴィジョンズ審査員賞を受賞し、今回で２作目の出品となり、震災後の人々の日常を写し出している。小田香監督の実験的ドキュメンタリー映画『セノーテ』ではメキシコ、ユカタン半島の神話を元に、神秘的で美しいマヤの水源に潜る。土屋トカチ監督の『アリ地獄天国』では、ある引越会社の社員が理不尽な労働環境に立ち向かおうとする姿を描く。齊藤潤一監督、鎌田麗香監督の『眠る森』は、1961年に起こった現在までその影響の残る名張毒ぶどう酒事件を追ったドキュメンタリー作品。

ニッポン・アニメーション

　ニッポン・アニメーション部門（外部サイト）では、最新のアニメ大ヒット作から短編自主映画まで、多様な作品が上映される。『ハロー・ワールド』（伊藤智彦監督作品）、『空の青さを知る人よ』（長井龍雪監督最新作）の長編アニメ２作品は、第20回ニッポン・コネクションにてドイツ初上映を迎える。短編映画プログラム『Constant Metamorphosis - Independent Animated Shorts By Women』では、女性監督の自主制作アニメが上映される。

ニッポン・オンライン賞

　ニッポン・コネクションのオンライン版開催に伴い、第１回ニッポン・オンライン賞（外部サイト）が授与される。副賞として、日本映像翻訳アカデミー（JVTA）による次回作の字幕作成が贈られる。ノミネート対象作品はニッポン・ヴィジョンズ、ニッポン・ドックス両部門での上映時間60分以上の全長編作品となり、受賞作品は観客投票で決定する。

ニッポン・コネクテッド

　ニッポン・コネクテッド部門（外部サイト）では、約40のオンラインコンサート、パフォーマンス、ワークショップ、講演等、日本にまつわる多様なプログラムを提供される。多くのイベントがVimeoライブ配信を通し、連日無料での視聴が可能。映画祭は６月９日ドイツ時間午後６時（日本時間６月10日、深夜１時）、オープニング式と沖縄の伝統音楽とともにライブでの開幕となる。
　今回のハイライトは、東京から中継配信となる落語家桂三輝（かつら・サンシャイン）の公演、ウサギニンゲンによるパフォーマンス、京都のSawa Angstromによるエレクトロニック・コンサートなどが挙げられる。観客参加型イベントの折り紙やラジオ体操、オンライン・カラオケなどのプログラムも用意されている。「ニッポン・ホームシネマ～アットホーム版」では、ドイツのJörg Buttgereit監督と映画評論家Marcus Stiglegger氏が、1960年代の日本の代表的なジャンル映画についてライブ配信にてコメントする。さらに1930年代の無声映画に、国際的に有名な活動弁士である片岡一郎氏が東京からライブ配信で弁士パフォーマンスを提供する。
　映画祭のオンライン版でも、映画人との対話が欠かせない。今年は作品が上映される女性監督３名を招き、「Female Futures?」をテーマにしたパネルディスカッションが行われ、観客からの質疑応答の時間も設けられている。また別のパネルディスカッションでは、日本の映画界を代表するゲストとともに、コロナウイルスが映画界に及ぼす影響について議論する。さらに、映画制作の舞台裏に興味がある方には、事前に収録された映画人トークにて、様々な映画制作者の作品や制作の過程について視聴することができる。

お子様向けのプログラム

　ニッポン・キッズ部門（外部サイト）では、若い年齢層の日本ファンに向けて、様々なプログラムを提供する。オンライン料理教室では、カラフルな彩りの団子を作り、漫画教室では可愛い動物の描き方を紹介する。さらに、子ども向けの日本語教室や、紙芝居の時間も用意されている。ドイツ語吹き替え版のアニメ映画上映もある。

ニッポン・マーケット

　20周年記念につき、映画祭のホームページNipponConnection.com（外部サイト）が新たなデザインに切り替わった。同ホームページでは、映画やオンラインイベントに関する詳細情報が掲載されており、毎日のライブ配信、ビデオメッセージ、インタビューなどが閲覧できる。日本ムードを満喫するために、バーチャルなニッポン・マーケット（外部サイト）では新たに、日本に関する様々なオファーや、次回の日本への（バーチャル）旅行のヒントを提供している。日本の美味しい料理、DVD、書籍、手工芸品も紹介している。

映画祭について

　日本映画祭「ニッポン・コネクション」は約70人の主にボランティア・チームから成る公益法人「ニッポン・コネクション」により運営されている。また、フランクフルト市長ペーター・フェルトマン氏、ヘッセン州化学芸術大臣アンゲラ・ドルン氏及び在フランクフルト日本国総領事館が後援している。

　プログラムの完全版は映画祭のホームページから→NipponConnection.com（外部サイト）

● ニッポン・シネマ部門

　ブロックバスター、今話題を呼ぶ日本人監督による新作、数々の映画祭におけるヒット作品等、ニッポン・シネマ部門を通して、現在の日本映画界を一覧することができる。典型的なファミリードラマから奇抜なコメディー、アートハウスの傑作から精選されたジャンルのヒット作まで、多岐にわたる作品が楽しめる。今年のニッポン・シネマ部門は、日本映画を多方面から発見できるまたとない機会を、本映画祭初となるビデオ・オン・デマンド版で提供する。

『酔うと化け物になる父がつらい』
　（英題：A LIFE TURNED UPSIDE DOWN: MY DAD'S AN ALCOHOLIC）

　（2019年、日本、上映時間：95分）
　※ドイツ・プレミア、日本・中国以外でアクセス可能

　配給：ファントム・フィルム
　監督：片桐健滋
　出演：松本穂香、渋川清彦、今泉佑唯、恒松祐里、濱正悟ほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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　© 菊池真理子／秋田書店 © 2019 映画「酔うと化け物になる父がつらい」製作委員会

『夕陽のあと』
　（英題：AFTER THE SUNSET）

　（2019年、日本、上映時間：133分）
　※インターナショナル・プレミア、ドイツでアクセル可能

　配給：コピアポア・フィルム
　監督：越川道夫
　出演：貫地谷しほり、山田真歩、永井大、川口覚、松原豊和ほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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　© 2019 長島大陸映画実行委員会

『DANCING MARY ダンシング・マリー』
　（英題：DANCING MARY）

　（2019年、日本、上映時間：105分）
　※ドイツ・プレミア、ドイツでアクセル可能

　監督：SABU
　出演：EXILE NAOTO、山田愛奈、石橋稜ほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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　© 2020映画「DANCING MARY」製作委員会

『ファミリーロマンス社』
　（英題：FAMILY ROMANCE, LLC.）

　（2019年、アメリカ、上映時間：89分）
　※ドイツでアクセル可能

　監督：ヴェルナー・ヘルツォーク
　出演：Yuichi ISHII、Mahiro TANIMOTO、Miki FUJIMAKI、Takashi NAKATANI、Kumi MANDAほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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『海辺の映画館―キネマの玉手箱』
　（英題：LABYRINGH OF CINEMA）

　（2019年、日本、上映時間：179分、PG12）
　※ドイツ・プレミア、ドイツでアクセル可能

　配給：アスミック・エース
　監督：大林宣彦
　出演：厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲、成海璃子ほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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　© 2020「海辺の映画館　キネマの玉手箱」製作委員会／PSC

『生理ちゃん』
　（英題：LITTLE MISS PERIOD）

　（2019年、日本、上映時間：75分）
　※ドイツ・プレミア、日本・中国・台湾・香港・マカオ・タイ・ラオス・カンボジア・ミャンマー以外でアクセス可能

　配給：よしもとクリエイティブ・エージェンシー
　監督：品田俊介
　出演：二階堂ふみ、伊藤沙莉、松風理咲、須藤蓮、狩野見恭兵ほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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　© 吉本興業 (C)小山健／KADOKAWA

『まく子』
　（英題：MAKUKO）

　（2019年、日本、上映時間：109分）
　※ドイツ・プレミア、ドイツでアクセル可能

　配給：日活
　監督：鶴岡慧子
　出演：山崎光、新音、須藤理彩、つみきみほ、村上純ほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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　© 2019「まく子」製作委員会／西加奈子（福音館書店）

『甘いお酒でうがい』
　（英題：MY SWEET GRAPPA REMEDIES）

　（2019年、日本、上映時間：107分）
　※ドイツ・プレミア、日本・中国・台湾・米国・イタリア以外でアクセス可能

　配給：吉本興業
　監督：大九明子
　出演：松雪泰子、黒木華、清水尋也、古舘寛治、前野朋哉ほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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　© 2019吉本興業

『Red』
　（英題：SHAPE OF RED）

　（2020年、日本、上映時間：123分、R15+）
　※ヨーロッパ・オンライン・プレミア、ドイツでアクセル可能

　配給：日活
　監督：三島有紀子
　出演：夏帆、妻夫木聡、柄本佑、間宮祥太朗、片岡礼子ほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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　© 2020「Red」製作委員会

『新聞記者』
　（英題：THE JOURNALIST）

　（2019年、日本、上映時間：113分）
　※ヨーロッパ・プレミア、ドイツでアクセル可能

　配給：スターサンズ＝イオンエンターテイメント
　監督：藤井道人
　出演：シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、郭智博ほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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　© 2019「新聞記者」フィルムパートナーズ

『アンダー・ユア・ベッド』
　（英題：UNDER YOUR BED）

　（2019年、日本、上映時間：98分、R18+）
　※ドイツ・プレミア、ドイツでアクセル可能

　配給：KADOKAWA
　監督：安里麻里
　出演：高良健吾、西川可奈子、安部賢一、三河悠冴、三宅亮輔ほか

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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　© 2019 映画「アンダー・ユア・ベッド」製作委員会

● ニッポン・ドックス

　ニッポン・ドックス部門のドキュメンタリー映画は、芸術や文化、政治や社会、過去と未来といった様々なテーマへ視野を広げてくれる。内容の幅広さ、そして形式の多様さがこのジャンルの魅力を一層引き出している。クリエイティヴで実験的なアプローチと慎重な伝記的考察の融合。今年は、ニッポン・ドックス部門及びニッポン・ヴィジョンズ部門の作品に、日本映像翻訳アカデミー(JVTA)の後援によるニッポン・オンライン賞が授与される。

Ainu ひと
　（英題：AINU - INDIGENOUS PEOPLE OF JAPAN）

　（2019年、日本、上映時間：80分）
　※ヨーロッパ・プレミア、ドイツでアクセル可能

　監督：溝口尚美

　【上映日程】６月９日(火)～６月14日(日)

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