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「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2021」初日舞台挨拶

2022-02-26 更新

ndjc


 映像産業振興機構(VIPO)が企画・運営する文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2021」で製作された短編映画4作品が、ついに2月25日(金)より一般公開となった。舞台挨拶に登壇した4人の若手監督は、無事に一般公開を迎えられたことを喜び、感無量の様子だった。


 今年製作実地研修で完成した短編映画4作品は、『愛をたむけるよ』が、なら国際映画祭、下北沢映画祭、TAMA NEW WAVE、うえだ城下町映画祭等の映画祭で入選、受賞を果たした団塚唯我監督の『遠くへいきたいわ』、学生時代に制作した映画『19歳』がPFFアワード2018・審査員特別賞を受賞した道本咲希監督の『なっちゃんの家族 』、『STAY』がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020短編部門にてグランプリを受賞した藤田直哉監督の『LONG-TERM COFFEE BREAK』、藤田弓子を主演に迎え、2021年に劇場公開を果たした『羊と蜜柑と日曜日』を監督した竹中貞人監督の『少年と戦車』。ワークショップから選出され、製作実地研修に進んだ4人の若手監督が、講師による脚本指導を経て、各制作プロダクション協力のもと、プロのスタッフ・キャストと共に撮影・編集した30分の短編映画となる。

 1作品目の『遠くへいきたいわ』の団塚監督は、今回の映画でこだわった点について「喪失がテーマなのですが、芝居はもちろんのこと、フレームなどで、そうしたテーマが漂うようにしました。音楽や編集も、30分の作品であるということが分からなくなるように頑張りました」と映画に託した思いを語る。他の監督についての印象を聞かれると「みんな、やさしくて、楽しかったです」と照れながら答え、これからの展望については、「今後も映画を作っていきたいと思っているので、自分のペースで頑張ります」と意欲を見せた。

 続いて2作品目『なっちゃんの家族』の道本監督は、「つらい思いをしている人がつらい表情で始まる映画が好きではなく、笑顔でスタートすることにしました」と語る。バトミントンのシーンについて聞かれると、「会話が出来ない夫婦ってバトミントンが出来るのかなって思ったんです。お母さんは愛情があるがゆえに口うるさくなって、お父さんはそれを見守ろうとする。そういう夫婦って多いと思うんです」と作品に入れ込んだシーンの意図を語る。他の3人の監督については「教えてもらうことがいっぱいあって、映画のいろいろな見方があるんだと勉強になりました」と説明。そして今後の目標について「自分の身近なテーマからはそろそろ離れて、ブラックユーモアで笑えるような映画を作りたい」と意気込みを語った。

 3作品目『LONG-TERM COFFEE BREAK』の藤田監督は、こだわった点について「キャラクターが多く登場するので、どんなセリフを言わせればキャラクターが生きてくるのか。また、マンションという室内シーンが多いので、フレームによってどのような心情を伝えられるのかなどにこだわりました」と説明。「自己中心的な男性を介してそれに巻き込まれる女性を描きたかった。いろんな見方をしてもらいたい」と語る。他の監督について聞かれると、「3人とも僕にない感性で映画を作っているなと思いました」とコメント。そして今後の展望については「みなさんからの感想を、批判を含め言っていただけると糧になるので、ぜひ聞かせてほしい。ジャンルに囚われない映画を作っていきたいですね」と意欲を見せた。

 そして4作品目の『少年と戦車』の竹中監督は、「思春期の少年の夢ではなく空想を描いたんです。空想の境界線がない濃淡を表現できればと思いました」とこだわった点について語る。他の3人の監督については「ワークショップの時は腹の探り合いみたいな感じもあったんですが、地方合評上映会をご一緒して、それぞれのキャラが徐々に出てきて、仲良くなりました」と冗談を挟みながらコメント。そして今後の展望としては「次は若者たちが大暴れするような作品をつくっていきたい」と語った。

 最後に4監督より会場にいた観客への感謝の言葉で締めくくられ、会場からの温かい拍手で舞台挨拶は幕を閉じた。

 1週間限定の公開だが、東京での初日舞台挨拶に続き、大阪では、3月5日(土)に映画パーソナリティの津田なおみと、名古屋では3月19日(土)に映画パーソナリティの松岡ひとみと、ndjc2021監督4人とのトークセッションが開催される。詳しい情報は公式HP:http://www.vipo-ndjc.jp/screening/ippan2021/(外部サイト)でご確認を。

 フレッシュな感性と第一級のプロフェッショナルから学んだ技術で作り上げられたバラエティに富んだ短編映画4作品。新しい才能をぜひあなたの目で括目してほしい。



(オフィシャル素材提供)




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