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第29回ドイツ映画祭2016 記者会見

2016-10-15 更新

桃井かおり、ドリス・ドリエ監督、ウルリケ・ハーゲ(音楽)ほか

german29

© ドイツ映画祭

 伝統と革新、優美さと鋭利さ、そして他の追従を許さない強烈な“密度”と“強度”を持った作品スタイルで、映画界/映画ファンに常に新鮮な衝撃と深い感動をPRESENTしてきた<ドイツ映画>。そんな最新ドイツ映画の中から、選りすぐった注目作/秀作を一挙に取り上げ逸早く上映することで、先鋭的かつ普遍的な<マスター・ピース>を求める日本映画人/映画ファンたちの熱い注目を集める≪ドイツ映画祭2016≫が本日10月15日(土)、TOHOシネマズ六本木を会場に今年も開幕した。「HORIZONTE(地平/視野)」と題された本年度映画祭は<ドイツ映画の現在そして未来>を提示する注目作品を上映すると共に、ドイツ映画界が誇る気鋭の監督や俳優が来日し、舞台挨拶やQ&Aによって上映作品の魅力を“熱く深く”紹介する。

german29 そして、本日10月15日(土)、オープニング上映作品『フクシマ・モナムール』に出演の桃井かおりが、メルセデス・ベンツ コネクション GALLERYで開かれた映画祭記者会見へゲスト登壇した! 本年度第66回ベルリン国際映画祭(インディペンデント賞授賞式)にて国際アートシアター連盟賞を受賞し既に各方面で話題のこの入魂の出演作に関して、日本のマスコミ・映画ファンに、桃井がダイレクトにその想いを語る貴重な機会となったこの記者会見へのゲスト登壇。“桃井節”の魅力がふんだんに盛り込まれた機智に富んだトーク、質疑応答で集まったマスコミを大いに沸かせる熱のこもった内容となった。


<記者会見内容>

なぜ、芸者という本作の役を受けたのですか? 正直、外国映画で芸者というのは、かなりステレオ・タイプで陳腐な役柄設定と感じるのですが……。

german29桃井かおり: 今回、私が演じたのは、いわゆる“フジヤマ/ゲイシャ”に連想される“芸者”とは全く異なります。監督も、常々、映画界には“Don't Touch GEISHA!(芸者のキャラクターには手を出すな)という格言?があると言っていましたが(笑)。私が演じたキャラクターの基になったのは、実在した釜石最後の芸者と言われた方で、人も物も全てを震災で失いながらも、自分が死んでしまうと、釜石の芸者が代々謡い継いできた歌の継承者が途絶えてしまう……という、時に死にたくなるような辛さを感じつつも、その継承の火を途絶えさせたくないという一心が、彼女の生命力を強くしている、そんなキャラクターです。ですので、今、記者の方がおっしゃったようなステレオ・タイプの“ゲイシャ”では全くなく、むしろ、今まで海外作品で描かれた中で、一番正しい“芸者”像だと自負しています。
 そして、三味線の練習ではとても苦労しましたが(笑)、今回、ドリス・ドリエ監督とお仕事をご一緒させていただき、羨ましいと同時に悔しくもあったこと、それは“ドイツ人は賢いだけではなく、とてもパワフル”ということでした。そんな素晴らしい監督、他キャスト・スタッフの方々と創り上げた、とてもエモーショナルでかつ観る人を幸せにする作品です。ぜひご期待下さい。


本作品への出演を決めた理由、本作へ込めた思いについてお聞かせください。

桃井かおり: (ゆっくり一言一言を噛みしめるように)あれだけの未曽有の天災があった場所での撮影と聞き、あの震災後、日本中が同じボートに乗って福島を見守っている気持ちでしたので、ぜひ参加したいと感じました。復興に向かっているまさに最中に映画の撮影で私たちはお邪魔し、皆さんに何かエネルギーになるようなものをお届けできればと思っていましたが、逆に現地の皆さんに本当に大変お世話になりました。そんな南相馬での撮影中にお世話になった皆様に完成したこの作品をお見せすることが使命であり、恩返しと感じながら撮影に臨みました。

ドリス・ドリエ監督: 桃井さんが今おっしゃったように“同じボート”と言うのは、日本中だけではなく、世界中が同じボートに乗っていると感じます。だからこそ、電気を使う度に、あの震災を受けた福島に想いをはせ、同じボートに我々は乗っていることをあらためて感じる。ドイツは、あの福島の震災後、原子力発電から撤退した唯一の国であり、そういった部分でも日本とのつながりの深さを感じますし、こういったテーマの作品をエンタテインメントとして表現できたことは貴重な体験でした。



『フクシマ・モナムール』 原題:Grüße aus Fukushima

※オープニング上映作品。第66回ベルリン国際映画祭 国際アートシアター連盟賞受賞作。

(2016年、ドイツ、上映時間:108分)

■上映日: 10月15日(土) 18:00、10月17日(月) 15:25、10月18日(火) 13:30
■監督:ドリス・デリエ
■出演:ロザリー・トーマス、桃井かおり ほか

■ストーリー:
 結婚式の直前、式場から逃げ出した若いドイツ人女性マリーは、傷心を抱えて福島への慰問の旅を決心する。被災地の人たちに少しでも明るい気持ちを届けたいと。その試みもうまくいかず落ち込んでいたマリーだが、福島最後の芸者だというサトミという女性と知り合い、帰還困難区域で暮らすことになる。性格が大きく異なる二人の女性の間に、不思議な友情関係が築かれていく。

 © The Match Factory


≪ドイツ映画祭2016「HORIZONTE」≫ 

 ■開催期間:2016年10月15日(土)~19日(水)

 ■会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ(東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズけやき坂コンプレックス内 TEL:050-6868-5024) 東京メトロ日比谷線<六本木駅>出口1Cより徒歩3分/都営大江戸線<六本木駅>出口3より 徒歩6分

 ■入場料:1000円(1上映)

 ■チケット購入:チケットはTOHOシネマズインターネットチケット“vit®”にて発売中。 http://www.tohotheater.jp (外部サイト)

 ■主催:東京ドイツ文化センター (TEL:03-3584-3201)

 ■公式サイト(東京ドイツ文化センター): www.goethe.de/tokyo (外部サイト)


(オフィシャル素材提供)




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