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作品紹介

トップページ > 作品紹介 シネマパラダイス★ピョンヤン

2014-03-27 更新

原題:The Great North Korean Picture Show
シネマパラダイス★ピョンヤンcinepara
© Lianain Films

イントロダクション

 ボロボロの服を身にまとい靴もないコッチェビ(浮浪児)たちや脱北者たちが溢れ出る国境地帯、一糸乱れぬ足並みの朝鮮人民軍兵士と兵器のパレードや人民総出の色鮮やかなマスゲームが繰り広げられるピョンヤン。

 北朝鮮が、悪の枢軸国と言われて久しい。それはイコール、「北朝鮮の人民は悪い人たちだ」なのだろうか? 私たち一人ひとりが違うように、北朝鮮にも一人ひとり違う人間が生きている。

cinepara 北朝鮮にとって<映画>は、国家思想を人民に定着させる重要な啓蒙ツール。だからこそ映画に重きを置き、そこに携わる選ばれた人々は“厳選された環境”において“何不自由なく”創造する幸せを享受できる。それはかつて北朝鮮映画局に勤め、北朝鮮映画の哲学を確立し、なにより映画監督を夢見た金正日将軍の指導によるもの。1947年には、50年代、60年代の日本や韓国、中国の街並みを再現した広大なオープンセットを有す朝鮮芸術映画撮影所が創設された。そして映画を志す者はピョンヤン演劇映画大学で学ぶのがお決まりのエリートコースである。

 この映画は、シンガポールのドキュメンタリー映像作家であるジェイムス・ロンとリン・リーが、2008年のピョンヤン国際映画祭へ招待されたことから始まる。数えきれない交渉と、数少ない協力者のおかげでピョンヤンでの撮影許可は下りたものの、条件が二つ提示された。

 1.外出する際は、必ず案内員が同行する。
 2.撮影したものは、その日毎に検閲に出す。

cinepara 2009年、ジェイムスとリンはこの条件を苦渋の思いで受け入れ、北朝鮮への扉をこじ開け撮影を開始した。

 カメラは、ピョンヤン演劇映画大学に通う2人の学生と、映画制作という“国家事業”にエキストラとして動員された朝鮮人民軍の若者を熱く演出する映画監督の姿を記録する。科学者である父親の反対を押し切り女優への道を進むユンミや、国民的映画人を両親に持つウンボム。将軍様に愛されたピョ監督。彼らは平凡な人民と言うより、むしろ特権階級の人々だろう。しかし、これまでニュースなどの報道で目にしてきた姿とは、また違う一面に観客は新鮮さを覚えるに違いない。それぞれが様々な個性と夢を持ち、北朝鮮のいまを生きる人々。その素顔から見えてくるものとは?

ストーリー

 2009年、閉ざされた映画王国・北朝鮮の映画界を取材する許可を得たシンガポールのドキュメンタリー映像作家ジェイムスとリンは、ピョンヤンに降り立った。しかし許可は出たものの、案内員の監視付きで、毎日撮影した全ての映像をチェックに出すという制限下での撮影だった。

cinepara 取材対象はピョンヤン演劇映画大学でスターを夢見る学生や、ヒット作を作ったベテラン映画監督など、まさに将軍様のハリウッドを支える選ばれた人たち。

 カメラの前で雄弁に“将軍様”への愛を語る一方、2年間に及ぶ長期取材によって見えてきたのは、ダイエットが苦手な女優の卵や、撮影所でエキストラの若者たちの無気力さに声を荒げる監督の姿など、どの国にもあるような風景と“ちょっぴりの本音”だった。


(2012年、シンガポール、上映時間:93分)

キャスト&スタッフ

監督:ジェイムス・ロン、リン・リー
出演:リ・ユンミ、キム・ウンボム、ピョ。グァンほか

配給
33 BLOCKS
渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中

オフィシャルサイト
cinepara-pyongyang.com

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