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2014-03-14 更新
3月6日(木)、2014年度ギャガ株式会社のラインナップ発表会が執り行われ、『告白』の中島哲也監督最新作『渇き。』パートにて監督の中島哲也、主演の役所広司、ヒロインの小松菜奈が登壇し、舞台挨拶を行った。
2014年邦画作品No.1の衝撃作との呼び声が高く、最も注目を集めている本作品の撮影は昨年8月7日から年末にかけて行われ、現在はポスト・プロダクションの真っ最中だ。
役所広司: 藤島を演じました役所広司です。この作品が沢山の人に観ていただけるよう、お力添えよろしくお願いします。
小松菜奈: こんにちは。娘、加奈子役をやらせていただきました小松菜奈です。よろしくお願いします。
中島哲也監督: こんにちは。監督の中島です。まだ仕上げの最中で出来上がってないのですけれども、必死で皆さんに面白い映画を観ていただけるように、また今までの僕の作品ともまったく違う映画になりそうなので、ハラハラドキドキしながら仕上げの作業をやっている最中です。今日は来ていただいて本当にありがとうございました。
中島哲也監督: いつも原作を読んで頭に残った作品からピックアップしているのですが、今回も原作「果てしなき渇き」を偶然本屋で見つけまして、役所さん演じる父親、藤島が娘を探す話なのですけど、本当に凄く酷い人間で、長所がまるで無いんです。ここ最近の日本映画で、こんなに酷い人間出てきたこと無いんじゃないかというぐらい酷い人間。娘を探しているのですが、娘への愛情が一かけらも無い。その男が本当に傷つきボロボロになりながら、だんだん娘に対する想いを自分の胸の中に見出していく、その過程が原作を読んでいてハラハラドキドキしました。主人公の藤島という男に物凄く興味を持って、この男の映画を作りたいなと思ったのが最初です。
原作は少し変わった構成になっておりまして、現実と3年前が同時進行で進むんですが、これを映画にした場合どういう映画になるのかっていう自分自身興味がありましたし、きちんと映像化できれば、今までにない相当新しい映画となって、面白くお客様に観ていただけるんじゃないかなと思いました。この2つが、映画化に至った主な理由です。
中島哲也監督: 結構時間が掛かりましたね。今まであまり脚本で苦労したことが無いのですけど、実際今回、映画の脚本にするとどうなるのだろう?という興味で着手したので、何処にどのシーンを入れようか相当悩みながら作りました。大体1~2ヵ月ぐらいで台本を作ってしまうのですが、今回は半年ぐらいかかって、出来たときはホッとしたというか、脚本ができた段階で「もういいや!」と思いました。こんな酷い話に誰もお金出してくれないし、誰も出てくれる訳が無いと諦めて、自分の中では脚本にして「これは封印せざるを得ない」と思っていたら、GAGAという会社がお金を出すよと話をしていただいて、尚且つ駄目元で役所さんに台本を読んでいただいたら、「これ面白いから出るよ!」との返事をいただいて、とんとん拍子に映画化が決まりました。自分自身、本当にビックリしてます。
役所広司: 『パコと魔法の絵本』以来、忘れられてなくて声をかけていただいて、本当に嬉しかったのと、中島監督の作品には酷い人間が沢山出てきますけど、中島監督作品の中でもNo.1に最悪な男をやらせていただいて、役者妙義に尽きる感じです。とにかく、中島監督の作品には毎回のように参加したいと思っていましたので、本当に声かけていただいて嬉しかったです。
役所広司: 喋ること、やることは単純な男なのですが、心の中が物凄く複雑で、自分で壊してしまった家族に対してどういう気持ちでいるのか、娘に対してどういう気持ちでいるのか、この男の中のどこに愛情があるんだろうなど、本当に複雑な男なのでその辺りが難しかった部分でもあり、挑戦の、甲斐がある役でした。
中島哲也監督: 原作でも相当ミステリアスな役どころですが、映画では更に謎の多い女の子です。この役にピッタリの女優さんは見つかるのだろうか?と心配しながらオーディションをしたところ、小松菜奈さんという素晴らしい方が参加してくれて、会った瞬間に「加奈子役はこの人しかいない!」と思いましたし、彼女に出会えたことで自分の中でもハッキリしなかった加奈子像が見えました。もう一人、加奈子に恋をする僕という男の子の役があるのですが、オーディションの初期段階で清水尋也君と小松菜奈さん2人に出会えたのが運命だと思います。この2人なら映画という旅ができると感じました。
小松菜奈: 中島監督は恐いと聞いていたので、オーディションでも恐いのかな?と思いましたが、私はずっとモデルをやっていて、モデルのことを話してくれたので、自分の今までやってきたことをすんなり話せて、オーディションというより面談みたいな感じがあり、リラックスしてできました。
小松菜奈: もちろん凄く嬉しかったですけど、驚きもありました。「どうして私を選んでくれたのかな?」と凄く思いました。
小松菜奈: 今でも加奈子がよく分からないのですけど、監督と話し合いながら、自分でも考えました。撮影をしていくにつれて加奈子を分かる部分もあったのかなと思います。
中島哲也監督: 僕は特に(小松さんに対して)優しかったと思います。練習で何ヵ月も前にお会いしていましたが、1回練習をやる度にフィギュアをプレゼントしました。バナナマンの日村のフィギュアを毎回あげたりして、彼女が飽きてもう来ない!って言わないように必死で媚びを売っていました。
小松菜奈: 会う前は凄く怖かったのですけど。負けたくないなって思いながら撮影に向かいました。日村さんのストラップとかもくれて、面白い方で全然厳しいと思わなかったです。
役所広司: 監督は小松さんが大好きです。小松さんが撮影しているとき、ニコニコしながらモニターを見ていたんじゃないかな。愛情を沢山、小松さんは頂いていたと思います。
中島哲也監督: 血だらけの役所さんを撮影しているより、爽やかな小松さんを撮影したほうが楽しいですよ。これが役所さん演じる藤島だけの映画だったら、僕は途中で逃げ出していましたよ。
役所広司: おまかせってわけではなく、監督と相談しながら、方向を決めていただきながら演じました。監督に「もう歳だね」って言われのではと思って、一生懸命演じて怪我もしました。そしたら監督に「体力無いねー」って言われました(笑)。
小松菜奈: 自分から話しかけるのも緊張しました。本編では酷いお父さんですが、役所さんから話かけていただけて、凄く優しい方なんだと思いました。撮影中も行き詰ったときも、声をかけてくれて、そのおかげで自分の気持ちも楽になって、落ち着いて演技をすることができました。
役所広司: 小松さんとは1日撮影してないです。本当の僕は監督よりも優しいのですが、小松さんの顔を殴ったり首を絞めたりする親父の役なので、撮影前に優しくして、カメラの前に行ったら豹変するのも悪いなと思って、あまり現場では話しかけることはしなかったですが、小松さんは新人の初々しさと透明感のある姿が印象に残っています。
中島哲也監督: 藤島、酷いことするなーと思いましたよね(笑)。役所さんは普段お話していると優しい目ですけど、「ヨーイ、スタート!」かかって狂気を演じるとき本当に恐いんですよ。ですのでNGを出すときは近づくの嫌でした。「今のもう一回やってください」って言ったら殴られるんじゃないかと思うぐらい恐いオーラを出しており、それは凄い迫力でした(笑)。
役所広司: 小松さんに嫌われたくないから監督はこう言っていると思いますが、台本にも監督の演出にも「そうやれ!」って、顔にも書いてあるし(笑)。
役所広司: 監督の隣に行って泣いているんですよ。
中島哲也監督: わざわざ僕の隣に椅子を持って来て泣くんですけど、僕の横で泣かなくてもいいと思うんですよ。まるで「お前のせいだ!」って感じで(笑)。でも泣いたのはその1回だけで、あとは幾ら「こんな撮影嫌です」って言っても仕方の無いような状況を作っても、新人の女優なのに伸び伸びと、いつも笑顔を忘れず現場に居てくれたので本当に助かりました。新人にしては物凄くハードルの高い役だったと思いますが、元気に頑張ってました。
中島哲也監督: 今一生懸命仕上げしている最中です。毒のあるストーリーで嫌な人間たちばかり出てくる話ですが、素晴らしいキャストが伸び伸びと面白く、一人ひとりの人間を演じてくれています。衝撃作であるとか、問題作であるってことを超えて、皆に観ていただけるエンターテイメント作品として作り上げられる手応えを感じております。皆さん、応援をよろしくお願いいたします。
小松菜奈: まだ私も作品を観ていないので、どんな仕上がりなのか分からないですけど、中島監督が撮る加奈子はどんな風に映っているのか、私もすごく楽しみなので、皆さんも楽しみに待っていてください。
役所広司: 本当に魅力的な俳優さんたちが沢山出ております。善人は出てこないのですけども、それぞれの俳優さんたちが普段はできない悪い持ち味を生かして伸び伸びと演じております。是非、楽しみにしてください。よろしくお願いいたします。
(オフィシャル素材提供)
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