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2014-01-06 更新
吉永小百合、阿部 寛、笑福亭鶴瓶、成島 出監督、森沢明夫(原作者)
配給:東映
2014年秋に全国公開
映画『ふしぎな岬の物語』の製作発表が、都内にて行われ、主演の吉永小百合をはじめ、阿部 寛、笑福亭鶴瓶、成島 出監督、原作者の森沢明夫が登壇した。
本作の原作は森沢明夫の『虹の岬の喫茶店』。岬の先端に立つ小さなカフェに集まる人々と女店主の心温まる交流が描かれる。舞台は千葉県明鐘岬に実在する喫茶店。『孤高のメス』『八日目の蝉』を手掛けた成島 出が監督を務める。
55年間におよぶ映画人生で初めての企画を立ち上げた吉永は「一生俳優のつもりでいましたが、成島さんと一緒に映画を作りたいという思いで、ふたりでこの作品を選んだものですから、初めて企画という立場として関わることになって緊張しています」と挨拶。「未来に希望のある作品。温かい気持ちになってもらいたくて、この作品を選びました」と説明した。また「全くの素人ですから、監督には本当にご迷惑をおかけした。撮影では一俳優として3倍返ししたい」と抱負を語り、会場を沸かせた。
成島監督は「吉永さんと映画を撮るというのは、僕の長年の夢。打ち合わせをしたり、お食事をしたりして、そのお人柄とともに映画に対する誠実な思いが想像以上だった。吉永さんの素の魅力、人柄がお客様に伝われば……」と吉永とのコラボに喜びを爆発させた。
吉永が演じる悦子の甥・浩司役を務める阿部は、吉永から「すごくストイックな役作りをされる」と絶賛され、緊張気味に「大先輩、吉永さんとの初の共演なので全精力を注ぎたい」と語り、「エキセントリックな役で全くやったことがない。現場ではご迷惑をおかけするかもしれませんが、今までにない作品というのは、僕は燃えますから」と意気込みを語った。
これまで映画『母べえ』(2007)では叔父役、『おとうと』(09)では弟役で吉永と共演してきた鶴瓶。本作では、吉永演じる喫茶店の女主人を30年にわたって支え続けてきた男・タニさんを演じる。
「今回は吉永さんに愛される役。熱い関係なんです(笑)。こんな役、僕がやっていいんでしょうか?」と恐縮。「この話が来たときにタモリさんに言ったんですよ。(今回の役は)すごく(吉永に)愛される役だということを。すると『あの役はもともと僕に来ていたんだ』って言っていました。『撮影時期は「笑っていいとも!」の終わりも近くて忙しいからお断りすることにしたんだ』って。悔しかったんじゃないですか(笑)?」とサユリストとして知られるタモリとのエピソードを披露し会場に笑いを誘った。さらに、鶴瓶は「今回は吉永さんから(出演依頼の)手紙をいただき、びっくりしました。本当に嬉しかった」と吉永から初めてもらったという手紙は「家宝にする」と語っていた。
吉永は、阿部と鶴瓶について「このおふたりしかいないと思い、お手紙を出しました。出ていただけることが嬉しくて、そのままの姿をスクリーンに出していただければ」とコメントした。
この日、出席できなかった竹内からメッセージが届いており、成島監督が「吉永さんと同じ作品に出演できる! 私にとってこれは大きな事件であり、非常に思いがけない幸運でもあります」と喜びのコメントを代読した。
吉永さんの美しさと人柄の良さが伝わるこの日の会見は、温かな雰囲気に包まれていた。きっと映画も素晴らしいものになるという予感がする。完成を楽しみに待ちたい。
(取材 文・写真:Sachiko Fukuzumi)
映画『ふしぎな岬の物語』
配給:東映
2014年秋に全国公開
監督:成島 出監督
出演:吉永小百合、阿部寛、笑福亭釣瓶、竹内結子ほか