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2013-11-23 更新
原題:FEU : Crazy Horse Parisパリのシャンゼリゼ通りの近く、ジョルジュ・サンク。夜になると、世界各国から噂を聞きつけた人々が、続々と吸い込まれていくスポットがある。1951年に創立されて以来半世紀以上もの間、パリカルチャーの中心に君臨し、ついに入場者数が600万人を超えた<クレイジーホース>だ。ムーラン・ルージュやリドと並ぶナイトショーとして幕を開けたが、現在では他とは一線を画す革新的な芸術作品を生み出し、女性からも熱狂的な支持を得る、世界にただひとつのエンタテインメントの殿堂なのだ。
ステージが幕を開けた瞬間、観客から驚嘆のため息を奪うのは、ダンサーたちの徹底したプロ意識によって磨き上げられた完璧な肉体。その黄金比から繰り出されるエレガントかつダイナミック、時にアクロバティックなパフォーマンスに、計算されつくした緻密な音響とライティングによる、音と光のアートが官能的に溶け合っていく──。
この魅惑の聖地に巡礼を重ねる者たちの中には、セレブリティも数多く名を連ねている。ビヨンセ、スティーヴン・スピルバーグ、ナオミ・ワッツ、U2、カニエ・ウェスト、ジェイ・Z、クリスティーナ・アギレラ、ジャン=ポール・ゴルチエ……リストは、まだまだ続く──。
アートとは変化し続けることだと発信してきたクレイジーホースは、2012年に史上初のゲスト・アーティストを招く。シューズデザイナーのクリスチャン・ルブタンだ。クレイジーホースのダンサーたちの美しさにインスパイアされて、ハイヒールのデザインを始めたというルブタンにとって、そこはまさに自らの原点。自身のブランドが、ちょうど設立20周年を迎えようとしていたこともあり、彼にとって宿命のプロジェクトとなった。
ルブタンたっての希望で、鬼才デイヴィッド・リンチが音楽を手掛けることに。映画界における唯一無二の存在であると共に、今や画家、音楽家としてもその稀有なる才能で世界を幻惑させ続けている真のアーティストだ。こうして、21世紀のモダンカルチャーの頂点が溶け合って<ファイア>が誕生、女性の美の完成形が、エンタテインメントの歴史に華やかに刻まれた。
作詞・作曲をゆずが手掛け、男性から女性への気持ちをゆずが、女性から男性へはJUJUが歌い上げた主題歌は、ラブソングの名作として歌い継がれるに違いない。
パリでは<ファイア>ブームが巻き起こり、再演が強く望まれたが、80日間の限定上演という約束が覆されることはなかった。やがて、その異空間を共有した幸運な者たちの証言だけで、ひとつの伝説が出来上がっていった。
その80日間の幻に、永遠の命を与えるという、夢のプロジェクトが立ち上がった。3Dのスペシャリストであるブルノ・ユラン監督と、3D映像に革命を起こした『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』の撮影クルーがタッグを組み、1300平方メートルの巨大スタジオでの撮影が敢行された。ショーは映画のために再構築され、実際の客席では見られなかった角度から、舞台を映すことが可能になった。さらに、ダンサーたちの息遣い、筋肉の動き、肌の熱まで感じるほどの限界まで近付いたカメラワークは、比類なき臨場感を生み出している。3D映像が、私たちを舞台の中へと、容赦なく引きずり込むのだ。
また、クリスチャン・ルブタン自身が登場し、どういった理由で、どんなインスピレーションで演出したか、クレイジーホースとのコラボレーションについて、そして20年にわたるシューズデザインへの想いを語る。
日本では決して叶わなかった至高の体験、その陶酔への招待状が、今、あなたの手に──。
(2012年、フランス、上映時間:80分、R15+)
キャスト&スタッフ
監督:ブルノ・ユラン
音楽:ミルウェイズ、デイヴィッド・リンチ
撮影:『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』撮影クルー
出演:クリスチャン・ルブタン、クレイジーホース・ダンサー
配給
ギャガ
Bunkamuraル・シネマにて公開中ほか 順次公開!12月21日(土) ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
オフィシャルサイト
http://fire.gaga.ne.jp
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