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2013-11-01 更新
丞威、小池 唯、子安慎悟
琉球空手に伝えられる伝説や史実を基に作られた、沖縄初&発のダンス×空手ハイブリット・アクション・エンタテイメント『琉球バトルロワイアル』。本作で主演しているアメリカ出身の天才ダンスパフォーマー、丞威(ジョーイ)、共演者で「海賊戦隊ゴーカイジャー」のゴーカイピンク役で人気急上昇の小池 唯、元K-1ファイターである子安慎悟のインタビューが届いた。
丞威: 3年前の冬、本作のアクション監督・西 冬彦さんと出会い、その1年後に、「『トーナメント』(2012)という映画に出演してみないか」と声をかけてもらいました。出演者は本物の格闘家ばかりで役者は僕くらい。お芝居はほとんどなく、ひたすら戦っているだけという映画でした。厳しかったけれど、とても楽しく、いい経験になりました。その作品への出演がきっかけで、『琉球バトルロワイアル』に声をかけていただきました。
丞威: コメディ要素もあって、とても楽しそうな作品だと思いました。“嫁取りバトル”といった、琉球空手で実際にあったとされるエピソードなども台本の中に織り込まれていて、その史実を現代に置き換えたらきっとこんな感じなんだろうな、と。誰もが楽しめるコメディタッチの作風の中に、琉球空手にまつわるマニアックなストーリーも隠れている、その両方を楽しめる作品だと思いました。
丞威: 両親の影響です。まだストリート・ダンス・ブームが訪れる前、ディスコが流行っていた時代から、両親は日本でダンスをやっていました。そして、二人でアメリカに渡り、ダンス・スタジオを経営していたのです。僕はその中で育ち、周りにはダンサーばかりで、気がついたときにはダンスをしていました。
丞威: 母が空手をやっていて、後々に役に立つのではということで空手をやらせてもらいました。強くなるため、というのもありますが、アメリカで生まれ育った僕に日本の文化を覚えさせようという意図もあったようです。小学校に入ったくらいの、5、6歳から始めました。その後、アクロバットやテコンドーもやってみたいと思い、習いました。
丞威: 父が大の映画好きで、家には膨大な数のDVDがありました。それで、小さい頃から、意味が分からないながらもよく映画を観ていたんです。アクション映画やカンフー映画が大好きでした。空手をやっていたので、芝居をしたら、自分もこんな感じになれるのではないか、というイメージが子どもの頃からありました。そして、今回、アクション映画で主演を務めさせてもらうことになり、夢がひとつ叶ったような気持ちです。
丞威: ありました。例えば、小さい頃、空手の先生や師範に、“ダンスをやっているから成長が早いんだね”などと言われることがありました。当時はよく理解できなかったのですが、この作品への出演を機に、琉球舞踊の研究をしてみると、舞いの中に拳の握り方や空手の突き、受けなどといった空手の要素がふんだんに隠されていて、こんなに昔からダンスと空手は通じ合ってたのかと驚きました。いまのストリート・ダンスには、琉球舞踊のようには、格闘技の要素は入ってはいないようですが、元々は皆一緒なんだなと感じました。実際に身体の軸の取り方なども似ています。
丞威: あれは、ダンスの一種である「タット」というものです。体をパズルのように動かします。その中に「フロウ」というものがあり、それを小さく手でやったのがあの動きです。僕の癖のようなもので、小さいときからひまがあると手を動かしていました。
空手は、その漢字の通り、「空」の「手」、つまり武器を持ちません。元々は「手(てぃ)」と呼ばれていました。琉球舞踊も手の動きがとても印象的です。それでバトルのときに用いる技や、モチーフとして使えないか、と、あの手の動きをアクション監督に提案してみたんです。ダンスのようでもあるし、空手の技のようでもあるし、いいね、ということで使うことになりました。
丞威: 怖かったですね。僕も空手はやってきましたが、いつも歳の近い人たちとの試合でした。しかし、格の違う人と試合をするとなると、“動物は自分より強いものは襲わない”という本能が出てきてしまい、最初は構えただけでもとても怖かったです。
でも主演を務めさせてもらっている限り、倒さなければいけないので、強い人たちと戦うために、どうしたらいいか、とにかく考えました。彼らを倒せるだけの説得力のある技や構え方、また、指の動き方や目力などに至るまで、徹底的に研究しました。どうリアルに攻めていくか、一発目はどうするのか、向こうから蹴るのかこちらが蹴るのか、自分は構えるのか構えないのか。事前にしっかりアクションの振りを考える必要がありました。
子安さんは一度組んでみると感覚がつかめてきたのですが、八木さんの場合は難しかったです。八木さんの空手と僕の踊り、二人の良さを活かしながらどうしたらいいものが作れるのか、時間がかりました。
丞威: 想像以上の出来でした。楽しくてかっこよくて。音楽もかっこよく、この映画に関わることができてよかったと思いました。年齢を問わず誰でも気楽に楽しめる作品になっていると思います。この映画をきっかけに、若い人たちが琉球舞踊や空手に関心を持ってくれたらいいなと思いました。
丞威: アクションではない役もやってみたいですね。いろいろな役をやってみたいです。いつかは生まれ育ったロスに戻って、母国語である英語を使って、ハリウッドのアクション・スターとして活躍したいです。もっともっといけると思っています。
小池 唯: とても面白いお話だなと思いました。沖縄にまつわる話や空手の話もあったので、いったいどんな風に仕上がるんだろう、と想像がつきませんでした。アクション映画に出演するのは初めてだったのですが、今まで観てきたアクション映画と違って、いまどきのダンスと空手が融合するというもので、新しくて面白いなと思いました。
小池 唯: 美沙子は、ちょっと破天荒な女の子です。ゲームに熱中しているときは周りが見えなくなってしまい、子どもを泣かせてしまう。そうかと思うと、男の子の上に馬乗りになって挑発してみたり。また、道場の館長という設定でもあるので、館長モードのときは凛と背筋を伸ばしてそれっぽくするけれど、すぐに集中力が切れてしまい、ばたばた転がったりと子どもっぽい。波があって、色々な面を持ち合わせていると思いました。
小池 唯: 分とは全然違うと思いますが、似ているところがあるとしたら、何かに熱中するところですね。私も音楽やゲームにはまると、数ヵ月熱中してしまったりします。
小池 唯: こういうコミカルな役は初めてだったので、思い切りやっているつもりでも、監督に「もっと思い切りやっていいよ」と言われることがよくありました。コメディは、やりすぎてもいけないと思いますし、その加減がつかみにくくて難しいと思いました。感覚をつかむ、ということが大事なのかなと思います。共演した“おじい”(新垣正弘)さんは、笑わせるのがとても自然で上手で、勉強させていただきました。コメディは挑戦してみたかったので、とてもいい経験になりました。
小池 唯: 特にないのですが、中学の頃は、マーチング・バンド部に所属し、旗振りを担当していました。全国大会で優勝するような部だったので、体育会的なところがあり、練習前に校庭を何周もしたりということはありましたね。マーチング・バンドの部活を通して、あきらめない、ということを学んだように思います。
ヌンチャクは今回初めて持ったのですが、ちょっと振り回してみてすぐに慣れました。ぽーんと飛んで行ってしまって、私が持つたびにみんなが怖がっていましたね。撮影シーンでは、思い切り振り回してすかっとしました。
小池 唯: 私は人見知りが激しいほうなのですが、丞威さんはとてもフレンドリーで、初めて空港で会ったときに「よろしく!」と握手してくれて、一気に打ち解けてしまいましたね。壁を作らない人だと思います。撮影の際も、どんどんぶつかってきてね、と大らかでした。
小池 唯: 丞威さん演じる拳の上に馬乗りになるシーンが何回かあるのですが、監督に「もっと色気を出して」と言われて苦労しました。「色気はどうやったら出るんですか?」と聞いて、「動きをゆっくりしたりするといいよ」とアドバイスを受けました。何回か撮るうちに慣れてきました。丞威さんにも挑発してもらったりしましたよ。
また、初めてキス・シーンにも挑戦しました。撮影前は、変に緊張してしまいました。丞威さんとずっと気軽に話をしていたのに、撮影の声がかかったら急に話さなくなってしまったりして。
小池 唯: これまで仕事で沖縄には何回か行ったことがありますが、2週間も滞在したのは初めてでした。アクション・シーンのときは、私は撮影がなかったので一人のことが多く、映画を観に行ったり、一人でしゃぶしゃぶのお店に行ったりしました。
小池 唯: 想像以上にかっこよくて感激しました。撮影中、ダンスのシーンはあまり見なかったのですが、映画になったらかっこいいシーンがたくさんあって。観たらダンスをしたくなるのではと思います。自信を持ってお届けできます。
小池 唯: コミカルな役は初めてだったので、新しい小池 唯を観ていただけたらと思っています。破天荒なキャラクターに、ファンの方はびっくりされるのではないかと思います。馬乗りになって色気を出すシーンは、頑張りました。劇中で何回かあるのですが、それぞれちょっとずつ違うので、注目してほしいですね。ダンスもかっこいいし、バトルも本当に当てているので迫力があります。ぜひたくさんの人に観てほしいです。
子安慎悟: 保育園のときにいじめられたことがあり、いじめっ子のような子に、おやつを奪われたり、昼寝のときにお腹の上に乗られたりしたことがあり、強くなりたいと思ったのがきっかけです。実は父も空手をやっていました。本人から聞いたことはなかったのですが、子どもの頃、家の中で帯や賞状を見つけて。優しくて寡黙な父が、実は空手をやると思うと、子ども心に逆らえないなと思っていました。5歳頃、近くの施設の中で、子どもが数人いるような小さい教室に1~2年ほど通いました。
小学校ではジャッキー・チェンに憧れて少林寺拳法を3年ほど習っていました。中学では空手部がなかったので柔道部に入部し、推薦で高校に進みました。たまたまた隣の中学でフルコンタクト系の空手をやっているので、部活のあとに友達と行ったりしていました。
子安慎悟: 当時はUWF、リングスが好きで、プロレスラーになりたいと思ったことがあったんです。履歴書を送って落ちてしまったのですが、当時正道会館にいらした選手がリングスにも参戦していたのを見て、正道会館に所属したら出られるかもしれない、と、少し不純な動機もあって内弟子入りしました。実際に始めたら、高校までやっていた空手と全然違う。これは習得したいとのめり込みました。
子安慎悟: 本格的に空手を始めてから、全日本選手権への出場や、K-1参戦でプロのリングを踏んだり、といろいろと経験させてもらってきました。30代前半くらいでした。ある程度、格闘家としての夢を果たし、試合に関してはいったん一区切りつけようと思いました。
一方で、子どもの頃から、アクション映画が大好きで、ジャッキー・チェンに憧れていました。試合でやってきた緊張感やリアルな感じを映像の中で活かすことができないかな、と思い、アクションにチャレンジしたいと思うようになりました。
子安慎悟: 西さんが企画をされた『黒帯 KURO-OBI』(2007)という映画を観ました。そもそも空手映画はあまりありませんが、本物の空手家の先生たちが出演されていて、緊張感とリアルなバトルが描かれていました。出演されている先生方は伝統的な空手で、僕はフルコンタクト派で歴史的には新しいのですが、これまで経験してきた技を自分も映像の中で表現できたらなと思ったんです。これまでもアクション映画に出演したことはあったのですが、改めて本格的なアクションに挑戦してみたい、勉強してみたいと思い、手紙を書きました。
子安慎悟: 格闘家として、これまでも身体を動かしたり、突いたり蹴ったり、力強くパワーを乗せたりということはやってきていたので、多少の自信はありました。甘く見ていたわけではないのですが、自信がないと一歩を踏み出すことはできません。でも実際にアクションを始めると、難しい部分がたくさんありました。人によっては強くあてても問題がない人もいますが、やはり力のコントロールは必要で、表現がとても難しかったりします。
試合競技では、相手を倒すためにいかに効率よく、気配を出さずに無駄な動きを省くか、ということに注力します。端から見たら、いま当たったのか?効いたのかな?という状況のほうが多いと思います。そういう基準で練習してきたので、そういう身体操作がしみついています。
アクションの練習では、大きく蹴ったつもりなのに、もっと大きくと言われることがありました。どうしてかなと思ったのですが、僕は前に大きく蹴っていた。でも西さんに、「横に大きく蹴らないと、映像的には映えないよ」と言われ、なるほど、と思ったりすることがよくありました。
最初はなかなか恥ずかしくてできなかったです。稽古だからそこまでやらなくてもいいかな、と思ったりもして。でも教えてもらううちにスイッチが入ってきて、入り込めるようになりました。
子安慎悟: 一般の人や役者さんが相手だったらできなかったと思います。実際にバトル・シーンで技を当てるというのが、アクション監督である西さんの見せ方です。丞威さんのようにダンスだけでなく空手もやっていて身体能力の高い人が、飛んでくるくる回りながら蹴りを繰り出してきて、僕はそれを頭部で受けないといけない。逃げたくなりますが、頑張りました。これまで空手の試合で自分が倒れたときのイメージを思い出して、大きくリアクションをとるように心がけました。
子安慎悟: バトル・シーンももちろんですが、美しい沖縄の景色もあり、見どころが多くて、斬新なアクション映画だなと思いました。静と動があり。コメディ・タッチで楽しく、そして、空手の魅力も出ているのではないかなと思います。この映画をきっかけに空手がもっと盛り上がっていったらいいなと思います。
子安慎悟: 自分が子どもの頃から憧れている、ジャッキー・チェンやジェット・リーと共演してみたいですね。できるかできないか、の前に夢です。夢を言葉にして、いつか実現したらいいな、と思っています。
(オフィシャル素材提供)
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