このサイトをご覧になるには、Windows Media Playerが必要です。
Windows Media Playerをダウンロードする
2013-10-29 更新
役所広司、大泉 洋、佐藤浩市、小日向文世、鈴木京香、三谷幸喜監督
配給:東宝
2013年11月9日より全国東宝系ロードショー
© 2013 フジテレビ 東宝
第26回東京国際映画祭クロージング作品『清須会議』の舞台挨拶が都内にて行われ、役所広司、大泉 洋、佐藤浩市、小日向文世、鈴木京香、三谷幸喜監督が登壇した。登壇者たちは、映画衣裳デザイナーの黒澤和子が手がけた和装スタイリングに身を包んでの登場となった。中でも三谷監督は劇中で使用された織田信長の甲冑と陣羽織を身に着けて登場し、「(甲冑を着ているので)ものすごく暑いです」と汗だくになっていた。
本作は、三谷監督が17年ぶりに書き下ろした時代小説を自ら脚本と監督を担当して映画化。織田信長の亡き後の織田氏の跡取り問題と領地再配分を巡り、清須城(現・愛知県清須市)で行われ、日本史上初めて“会議で歴史が動いた”といわれる「清須会議」を舞台に、柴田勝家や羽柴秀吉らそれぞれの思惑をコミカルに描く。
まずは、主演の柴田勝家を務めた役所広司が「クロージングへの感謝を込めて、ひと足早いお正月のような格好で来ました。クロージングにふさわしい映画ができたと思います」と自信たっぷりに挨拶。
三谷監督の派手な衣装を見た大泉 洋は「われわれは映画の中の色のイメージで用意してもらったんですが、本来であれば、僕の演じた役は黄色あるいは金色のはず。少し派手すぎるかもと控えていたのに、監督を見たら派手でもよかったんじゃないのって(笑)」とクレームを突っ込みを入れた。大泉は劇中、羽柴秀吉役を演じる。
この日の紅一点、お市を演じた鈴木京香の着物は、劇中の衣装を現代風にアレンジしたもの。「いつも来ているTOHOシネマズで舞台挨拶ができて、大変嬉しく思っております。この衣装は、劇中のある大事なシーンで着ている衣装です。着物って本当にいいものだなって改めて思います」と監督とは対照的な落ち着いた口調で挨拶した。
東京国際映画祭のクロージング作品に日本映画が選ばれるのは、市川崑監督がセルフ・リメイクした『犬神家の一族』以来で、7年ぶりとなる。小日向文世は「大変光栄です。三谷監督の初めての時代劇。変な人ですが才能はあるので、海外の方にもたくさん観てほしい(笑)」と作品をアピール。佐藤浩市も「多少の誇張はあっても、こういうことがあったんだと。日本独特の何かを感じてもらえればと思います」と作品を振り返った。
そんな三谷監督は、締めの言葉を英語でスピーチすることになっており、そのことで頭がいっぱい。質問を振られても「スピーチが気になって、そのことで頭がいっぱい。何も浮かばない。しゃべれません」と終始緊張の面持ち。
スピーチの内容は、「時代劇は日本映画独自のジャンルです。日本には誰もが知ってる時代劇のフレーズがあります」と説明すると、『この印籠が目に入らぬか!』『天誅でござる!』『これにて一件落着!』をアクション付きで披露。そして「『清須会議』は時代劇ですがチャンバラ映画ではありません。血も一滴も流れません。これはとてもユニークな時代劇です」としっかり映画をアピールした後、「ノー・チョンマゲ、ノー・ライフ!」と一気に英語で語りつくした。
この監督の姿に終始笑っていた大泉は「英語でスピーチする意味がわからない(笑)。スピーチのことでいっぱいいっぱいになって他にしゃべってないですし、他の作品のことばかりしゃべってるし……。通訳さんがいるんだから、最初から日本語でしゃべれば良かったんじゃないの?」とつっこみ、会場は爆笑に包まれた。
(取材 文・写真:Sachiko Fukuzumi)
関連記事