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2013-07-29 更新
阪本順治監督×リンダ・ホーグランド監督
配給:NHKエンタープライズ
7月20日(土)~8月16日(金) 岩波ホールにて特別上映 全国順次公開(同時上映『ヒロシマナガサキ』)
© NHK / Things Left Behind, LLC 2012
アメリカ人監督によるドキュメンタリー映画をとおして広島と長崎、そして今日の核と原子力の問題を考える企画として、リンダ・ホーグランド監督の『ひろしま 石内都・遺されたものたち』が、岩波ホールにて公開中となっている。今年も8月6日を迎えようという中、リンダ監督が作品に込めた思いや、広島へ対する思いを、以前より親交が深い阪本順治監督と語った。
アメリカ人宣教師の娘として日本で育ち、子供時代に「ヒロシマ」へ直面することになった。4年生の頃、授業で先生が黒板にチョークで「アメリカ」と「原子爆弾」と書いた時、クラスでただ一人のアメリカ人だったリンダ監督へ、40人のクラスメートの視線が一斉に振りかかった。その瞬間、自分の国のしたことの罪の重さを感じてしまったとリンダ監督は語る。日本育ちのため、誰もが驚くほどの流暢な日本語を話すが、その特異な生い立ちから「私にしかみえない世界がある」とリンダ監督。
その感性を活かし作成したドキュメンタリー映画が今作だが、あまり事実だけのドキュメンタリーということに拘らず、インタビューでコメントを取るシーンでも、監督が求めるコメントが出てきそうな人を選んで質問したという。それを受け阪本監督は「でも誤解されては困るのが“ドキュメンタリーは劇のように、劇はドキュメンタリーのように”と言うように、良い台詞を引き出すためのテクニックのようなものは昔から現場で大切なことだった」と観客に説明。「ただ、技術が心を上回ってしまうと、作品として失敗になってしまう」と話した。
映画の中にも登場する石内都さんの写真展については、作品を展示する際、それぞれ題名や説明など、情報の一切を公開しないという石内さんの狙いを説明。リンダ監督は「あれだけ強いアートがあれば、人はそこからストーリーをつくり出すね」と話した。阪本監督は「バンクーバーで開催した写真展だからこそ、あそこまでのコメントが出てきたのだと思う。日本だったらまた違ったのではないか」とコメントした。
子供時代の体験から、贖罪のつもりで戦争作品を送り出してきたというリンダ監督は、「今作で私の第二次世界大戦は一端これで終わり」と笑顔で締め括った。
(オフィシャル素材提供)
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