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2011-03-18 更新
中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、南 果歩、芦田愛菜、三宅喜重監督
配給:東宝
2011年4月23日(土) 関西先行公開/2011年4月29日(金・祝) 全国東宝系ロードショー
(C)2011「阪急電車」製作委員会
映画『阪急電車 片道15分の奇跡』の製作報告会見が都内で行われ、出演者の中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、南 果歩、芦田愛菜、三宅喜重監督が登壇した。
「フリーター、家を買う。」の有川浩の同名小説を映画化した心温まる作品。兵庫県宝塚市の宝塚駅から西宮市の今津駅を結ぶ片道15分のローカル線を舞台に、様々な事情を抱えた人々が偶然電車で出会い、奇跡的な物語を繰り広げる。
中谷は後輩に婚約者を奪われ、復讐のために純白のドレス姿で二人の結婚式に乗り込むOL・翔子を演じた。「翔子は、同じような目にあった多くの女性が、出来ないけれど、やってのけるというキャラクター。最初に台本を読んだ時は、何て非常識なことをするんだろうと思いましたが、実は多くの女性がしてみたいことなんですね。でも、プライドや人目が気になって出来ない。この役を通して、皆さんが普段できないことをやるのが、(女優としての)自分の仕事なのかと思いました」と、役を振り返った。役にちなんで結婚観を聞かれた中谷は、「彼女のように討ち入りするような人生を送りたくはないですね。ほどほどが一番かな。人並みに何でもない日常を過ごせれば……」と笑顔で語った。
舞台となった阪急電車の印象を中谷は、「あずき色の車両がとてもエレガントで、中のシートもベルベットの抹茶色で素敵でした」とコメントした。
彼氏のDVに悩む女子大生・ミサを演じた戸田は、「私の演じたミサのような経験をしている方々が、実際にたくさんいると感じました。ミサを通して、本当に大切なものは何かを伝えていきたいと思いました。そして、様々なことで悩んでいる人が出会う作品なので、たくさんの人に共感してもらえる作品だと思います」と熱心にアピールした。共演の中谷の印象を聞かれたと戸田は、「子どものころからあこがれの存在でした。今回ご一緒できて、感動しました。勉強させていただきましたし、これからもついていきたい」と中谷に向かって「よろしくお願いします」と頭を下げた。
気弱な主婦を演じた南 果歩は、「ストレスを抱えている女性ですが、戸田さんが演じているミサに言葉をかけられて肩の力が抜ける。ほんの一瞬の出会いや一言が気持ちを変えるし、電車の中には喜怒哀楽が詰め込まれている。ちょっとした出会いが小さな幸せを生むきっかけになる作品です」と作品の魅力をアピールした。
間違ったことが大嫌いな老婦人・時江を演じたべテラン女優・宮本信子は、思い詰めた翔子(中谷)と電車の中で出会い、彼女に温かいアドバイスをする。「年を重ねたなりの人を見る洞察力と包容力がある役柄で、幸せな気分になれる作品です。電車の中で食べ物を口にしたり、お化粧をしたりする人がいると聞きますが、お年寄りに席を譲るようであってほしいですね」と電車内のマナーについて辛口のコメントをしていた。劇中、宮元が話す関西弁の長セリフがカッコイイ。
時江の孫娘を演じた芦田愛菜は、「亜美は、元気な女の子で、私に似ていたので演じやすかったです。犬と一緒の撮影で、私も犬を飼ってみたくなりました」と可愛い笑顔を見せた。
戸田は「泣き芝居の時にずっと泣いていて、集中力のある女優さんだなと思いました。尊敬しています」と小さな女優を称賛し、芦田を喜ばせた。
三宅喜重監督は、本作が監督デビューとなった。「阪急電車さんに全面協力していただいて、実際のホームを使って撮影しましたが、電車が5分とか10分置きにホームに入ってきたりするので、ほとんどリハーサルもできず、NGも出せない状況でした。出演者の方々が一番大変だったと思います」と、撮影時の苦労を語った。そして、「観終わったあと、笑って映画館を出て欲しい」とメッセージを残した。
時間のない中での撮影のため、俳優たちは気の毒なことに、お昼ごはんを食べる時間ももらえなかったという。
劇中、美しいドレス姿を見せている中谷だが、防寒のため、「らくだの股引をはいて、ホカロンを体のあちこちに貼り付けての撮影だった」とエピソードを披露。靴の中にまで入れたという。
主題歌は、aikoの新曲「ホーム」が起用された。aikoが映画の主題歌を担当するのは2010年公開『ダーリンは外国人』以来、4回目。
(文・写真:Sachiko Fukuzumi)