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2009-12-03 更新
自分でも誰が犯人なのか想像しながら、最後まで脚本を興味深く読むことが出来たわ
ヴェールレ・バーテンス
1978年1月24日生まれ。ブリュッセルの演劇芸術高等学院を卒業後、ミュージカル、映画、テレビなど幅広く活躍している。
公式サイト:http://www.loft-m.jp/
配給:フリーマン・オフィス
提供:角川映画
11月20日(金)よりシネマ・アンジェリカほか 全国順次ロードショー!
ベルギーで大ヒットを記録したサスペンス映画『ロフト』が日本で公開された。大阪ヨーロッパ映画祭でのオープニング作品にも選ばれ、主演女優ヴェールレ・バーテンスが急遽来日。日本人にとってはなじみの薄いベルギー映画について語ってくれた。
そうなの。
『ロスト・イン・トランスネーション』のイメージが強かったわ(笑)。親しい友人が以前1年ほど日本に住んでいたのだけど、彼女からハイテクで洗練された国だと聞いていたの。子供の頃テレビで見た「おしん」のイメージも強かった。(『SAYURI』として)映画化された「Memories of a Geisha」という本も読んだけど、今回は初心者の観光客として日本に接しているわ。
もちろんかけ離れた両極の世界だけど、私の頭の中では両方とも日本のイメージなの。
今回は日程が厳しいので東京と大阪の移動だけだけど、大阪にいる際に京都には行こうと思っているの。次回はゆっくり来たいわね。
子供の頃からマイケル・ジャクソンの大ファンで、彼のビデオ・クリップの踊りをマスターしようとしたり、歌ったりすることが好きだった。だから、女優という仕事を始めた際にもミュージカルのステージで踊ったり歌ったりするほうがメインで、シリアスで本格的な演技は後から身につけたの。
この10年ぐらい音楽活動は盛んではなかったけど、子供の頃の自分にとっては究極のヒーローだったので、彼の死を知った時には泣いたわ。特にあのような死亡原因だったので。
もちろん観たわ。とても素晴らしかった。
2000年に演劇学校を卒業して、その後しばらくはイラストの勉強をやっていたので、本格的に女優の活動を始めたのは2002年だった。
いろいろな理由があるけど、そもそもベルギー国内で製作される映画の本数が非常に少なく、映画への出演のオファーが来ること自体が幸運なので、是非やりたいと思ったの。監督がエリク・ヴァン・ローイという非常に尊敬する人だということ、製作会社も高く評価されていること、役どころが魅力的だったということ……いろいろな要素があるわ。
オランダ語圏に限って言えば昨年は6本ぐらいだと思うけど、これでも例年に比べると多いくらいね。
スリラーの部分が非常に気に入り、自分でも誰が犯人なのか想像しながら最後まで興味深く読むことが出来たわ。キャラクターの描き方も素晴らしかったと思う。ありきたりに登場人物を紹介するのではなく、ある程度演出も含まれた脚本だと思うわ。そのようなキャラクターのプレゼンテーションのスタイルは、非常に興味深かったわね。
まず、この映画の製作会社は非常に評価が高く、ここが作った映画なら深みがあって重厚な作品に間違いないと見られているの。もちろん、エリク・ヴァン・ローイという監督のネームバリューもあるし、出演者たちの知名度もある。ベルギーでは公開の1ヵ月以上前から話題になっていたくらいだから、そういった理由で自然とヒットにつながったと思うわ。
プライベートでの自分のパートナーはとてもオープンで絶対に秘密が持てない人なので、もし秘密があってもすぐに私は気がつくと思うわ。そもそも、女性は直感が鋭いから。
ええ(笑)。でも、映画の中の彼女たちが気づくのは、ずいぶん遅いと思う。私があの中の1人だったら、(すぐに気がつくので)殺人事件が起こるようなことは無かったと思うわ。
言語ごとに独立した映画界が存在し、どうしてもフランス語圏とオランダ語圏で別れてしまっている。資金繰りの関係でまれに共同製作をすることもあり、自分自身もオランダ語圏の資金によるフランス語の映画に出演したこともあるけど、通常は別々の言葉により別々の世界で活動しているわ。
私はあまり多くのモノを追い求めない性格だし、現在の仕事の環境に満足している。ベルギーの映画界はとても小さなコミュニティで、撮影現場はとても家庭的な雰囲気なの。私自身照明の手伝いをすることもあるけど、ハリウッドのメジャー作品は完全な分業制なのでそういうことは出来ないわね。そのような環境で、安心して働くことが出来るとは思えないの。イギリス映画には少し興味があるけど、ハリウッドには興味はないわ。
彼は、たぶんベルギーではなくフランス出身だと思うけど(笑)。
日本のアニメ好きの友達に教えてもらい『千と千尋の神隠し』を見たけれど、すごく良かったわ。もう1本アニメを見たのだけど、タイトルが思い出せない……。
ベルギーに限らず全ての男性がこの映画の登場人物のように浮気者だというわけではないですが、ぜひ『ロフト』をご覧になって楽しんでください。
(文・写真:Kei Hirai)
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