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記者会見

トップページ > 記者会見 > 『レッドクリフ PartⅠ』来日記者会見

来日記者会見

2008-11-09 更新

トニー・レオン、金城 武、チャン・チェン、リン・チーリン、中村獅童、ジョン・ウー監督

レッドクリフ PartⅠ

配給:東宝東和/エイベックス・エンタテインメント
日劇1ほか全国超拡大ロードショー中
(C)2008 Three Kingdoms Ltd.(C)Bai Xiaoyan

 「三国志」の映画化が長年の夢だったというジョン・ウー監督が、世界各国から豪華キャストを迎え、“赤壁の戦い”を描いたスペクタクル巨編の前半『レッドクリフ PartⅠ』。監督とトニー・レオンをはじめとするメイン・キャストが揃った来日記者会見では、それぞれが本作にかける意気込みを語った。

まずはご挨拶をお願いいたします。

ジョン・ウー監督: 日本の皆さん、こんにちは。大勢の方々がここに駆けつけてくださって、本当にありがとうございました。まだ、エイベックスにも感謝したいと思います。この映画を完成して、私は20年来の夢をかなえることができました。今回は中国大陸、香港、日本、韓国、アメリカも含めた素晴らしい出演者・スタッフに恵まれ、素晴らしい作品に仕上げることができました。皆さんの貢献で私はこれだけの作品を創り上げることができたと思っております。この映画は、「三国志」の中でも一番有名な話、赤壁の戦いに基づいて描いたものです。友情と勇気に関する作品です。また、平和への思いも託しております。ぜひ楽しんでいただきたいです。内容の他にも、出演者の名演技も楽しんでいただければと思います。
トニー・レオン: このような作品で皆さんとお会いすることができてうれしいです。この映画を気に入っていただけることを願っています。
金城 武: こんなに大勢の方々が記者会見に来てくださいまして、本当にありがとうございます。よろしくお願いいたします。
チャン・チェン: (日本語で)こんにちは~、チャン・チェンです。(北京語で)本作のためにこんなにたくさんの方がいらしてくださって、本当にうれしく思います。記者の皆さん、本当にありがとうございます。私たちの映画を気に入っていただけたらうれしいです。
リン・チーリン: (日本語で)皆様、こんにちは。リン・チーリンです。皆様にお会いできて本当にうれしいです。よろしくお願いいたします。
中村獅童: 早く皆さんに観ていただきたいという気持ちでいっぱいだったので、この日を迎えることができてとてもうれしく思っております。そして、これだけ壮大なスケールの映画に出演させていただきまして、本当にうれしいです。今日はよろしくお願いいたします。

トニーさん、「三国志」の映画化ということで世界的にも注目度が高く、プレッシャーもあったかと存じますが、いかがでしたか?

トニー・レオン: 実は全くプレッシャーというものは感じていませんでした。子供の頃以来、「三国志」は読んでいませんでしたので、この映画を通して、また「三国志」を発見できたことはとてもうれしいです。

7月21日に女優のカリーナ・ラムさんとご結婚されました。おめでとうございます! お気持ちをお聞かせいただけますか?

トニー・レオン: (ちょっと照れて)一緒にいた時間が長かったのですが、今もとても楽しくやっております。ありがとうございます。

金城さん、諸葛孔明という、日本でもとても人気のある人物を演じるにあたり、特に気をつけたことはありましたか?

金城 武: 諸葛孔明はさまざまな分野に通じている方ですし、僕は台湾で育ったので、中国文化の中では孔明さんはお寺に祭られている神様の一人です。ですから、いろいろな面をもった孔明像を創り上げられたらいいなと思いながら演じました。でも、一番大切なのは監督が思い描いている孔明像を、全力を尽くして表現しようと努めました。

そのウー監督とは初めてのお仕事でしたが、いかがでしたか?

金城 武: あー、もう最高です(笑)。やっぱりオファーをいただいたときにはうれしかったです。監督と初めてお会いしたのは、『フェイス/オフ』のPRで監督が来日されたときで、僕もたまたま東京にいて、なぜか食事に誘っていただいたのです。緊張して何を話していいか分からなかったんですが、監督が最後に「金城くんはどういうジャンルの映画に出るのが好きなの?」と聞かれたとき、僕は「コメディーです」と言ってしまいまして(笑)。横でマネージャーに太ももをつねられまして、「アクションって言え!」と怒られました(笑)。そういうことはあったんですけど、それでも今回誘ってくださったのはすごくうれしかったですね。スケールも大きい映画でしたから。監督は香港映画ももちろんですが、ハリウッドでも成功されて、中国に戻ってこういう大作を撮られたわけですが、僕も役者としてだけでなく、映画創りという意味でいろいろと勉強させていただきました。

チャン・チェンさん、キー・パーソンとなる孫権役に選ばれたとき、どのように思われましたか?

チャン・チェン: とにかく驚きました。僕にとっては初めての正統的な時代劇だったので、それだけでも驚きでしたが、監督が孫権役に僕を選ばれたこともとても驚きでした。そしてその驚きがおさまると、今度はすごくうれしくなりました。何といっても大作ですし、各国からいらした名優の方たちとご一緒できることも光栄でした。本当にこの役を演じられることをうれしく思いました。ただ、その喜びも長くは続かず、今度は緊張しました。やはり歴史上の人物を演じるわけですから、そのプレッシャーはものすごく大きかったのです。その後は役作りに懸命に取り組みました。

リン・チーリンさん、今回映画に初出演ということですが、いかがでしたか? ご苦労されたことは?

リン・チーリン: (日本語で)私は映画に初挑戦でした。(北京語で)ですから、最初は本当に緊張いたしました。新人ですので、うまく出来ないのではないかと自信がなかったのです。でも、役作りのためにいろいろなレッスンのカリキュラムを組んでいただきまして、演技をすることがどういうことなのか分かるようになりました。ですから、私のためにレッスンを組んでくださったことにとても感謝しております。

先ほどから流暢な日本語を話されていますが、勉強されたのですか?

リン・チーリン: (日本語で)そんなことありません。(笑)。日本語、ちゃんとしていきたいと思います。

中村さん、今回はずっと中国での撮影だったと伺っていますが、現場の雰囲気や演じていて大変だったことなどございましたか?

中村獅童: とにかくそのスケール感は驚きの連続で、ロケ現場もお城を見つけてそこでやっているのかと思ったら、この映画のためにお城を建てたんですよね。エキストラの方々も何千人単位ですし、とにかく一つひとつにビックリしました。
最初、監督とお会いしてお話ししたときに、「あまりアクションもありませんし、最初の1週間はアクションでない場面を中心に撮るので」と言われました。「もしワイヤー・アクションをやるなら、練習もしたいので」と言うと、「ワイヤーのシーンはないから」というお話しだったんですけど、中国に着いたその日に「ワイヤーやってもらうから」と……(笑)。練習もなしですよ……。あの広い大地の中で「全速力の馬に乗って槍を振り回して、向ってくる刀を体を反らせて避けてくれ。出来るか?」と……(笑)。でも、返事を聞くまでもなく、「君なら出来る」と(笑)。それが思い出深かったですね。
本当は数シーンしか出番がなかったんですけど、アクション・シーンも含め、どんどん出番を増やしていただいて、とてもありがたかったです。

ウー監督、「三国志」の映画化はずっと抱き続けてきた夢だったと伺っています。そして映画が完成し、アジアでも記録的な大ヒットとなりました。今日、この会場でもこれだけの人が集まることからもお分かりになりますように、日本でもとても注目されています。今のお気持ちをお聞かせください。

ジョン・ウー監督: 今の気持ちはひと言では表現できないくらいです。香港でもハリウッドでも映画を撮ってきましたし、日本でもそうした映画の取材を受けてきましたが、今日くらい大勢の皆様に来ていただいたのは初めてのことです。非常に感激しています。本当に皆さん、ありがとうございました。こんなに注目していただき、また温かく応援してくださっていることに感謝を申し上げたいと思います。すばらしい出演陣に恵まれて、これだけ良い作品が出来たわけですが、この会場にまいりまして、皆様のサポートをひしひしと感じております。今後も新しい作品を撮るときには、現場で皆様のお顔を思い出し、心の支えにしながら映画を撮っていきたいと思っております。
私も友情を重んじる人間ですが、『レッドクリフ』は友情をテーマにした作品です。強い敵に立ち向かうためには友人に助けてもらうことは大切ですし、また勇気も不可欠です。それがこの作品を通じて皆さんに伝えたいメッセージなのです。改めて皆さんに感謝を申し上げると同時に、今回莫大な投資をしてくださったエイベックス様にも感謝したいと思います。おかげさまで私は20年来にわたる夢をかなえたられたのです。こうして皆様に支えていただき、私はこの作品に自分の夢を託しました。これまでの「三国志」を扱った作品とは一味違う映画を皆様に楽しんでいただきたいと思います。一人ひとりの人物が生き生きとしており、そのリアルさも感じていただけたらうれしいです。

撮影中、資金が足りなくなって監督が自腹を切ったと伺っていますが、その分は返してもらったのでしょうか?

ジョン・ウー監督: 日本で大ヒットしたら返してもらえると思います(笑)。
私はこの作品に大きな思い入れがありますので、どんな困難があっても必ず乗り越えていこうと思っていました。天候不順を含めて、さまざまな困難がありました。ハリウッドのやり方ですと、例えばあるシーンで予算がオーバーしたら、他のシーンをカットすることで補おうとしますが、私はそういうやり方をしたくなかったのです。というのは、私は全シーンを吟味しましたし、他のスタッフも私のために準備してくれましたので、全シーンを丁寧に撮っていきたいと思ったからです。ですから、私財をつぎ込んでまでも撮影に臨みました。でも、お金のことは気にしていません。実を言いますと、この作品を完成させるのに3年半を費やしましたが、その間に私が稼げたのは一日2食のご飯だけでした(笑)。
でも、私はそれ以上のことを報いてもらえたと思っています。すばらしい出演者に恵まれたからです。先ほど、中村獅童さんが披露されていましたが、現場についた初日にワイヤー・ワークを使って槍を振り回すシーンを撮りました。ワイヤーに括られつつ体を真っ直ぐに保っていなければいけませんので、初めてやったときに首をひねってしまったようです。でも、中村さんは何も言わずに7~8回くらい撮って、OKが出てからアシスタントの方からその話を聞きました。現場にいた全員が、中村さんのプロフェッショナルな姿勢に感動しました。私は、日本人の方たちのプロ精神を学ぶことができました。金城 武さんもそうです。事前に多くの参考文献を読んで、私が見落としていたことに関しても指摘してくださいました。生き生きしたキャラクターを創り出してくださいまして、すばらしい友人であるからこそそういう風に助言してくださったと思いますので、感謝しております。
トニーとは長年の友人です。現場では20キロ位ある重い鎧を身につけていましたが、自分のシーンを撮影していないときにも決して休むことなく、他の現場で他のスタッフの仕事を見たり話をしていたりして、全く疲れを見せませんでした。彼も私にとっては掛替えのない友人です。
チャン・チェンを見ていますと、時には若い頃の自分を思い出しました。理想に燃えつつ、でも反逆精神もあって影の部分ももっていますが、くじけずに必死で頑張る姿は昔の自分のようでした。
リー・チーリンさんはとても美しい方ですが、現場ではずいぶんサポートしてくださいました。
また、作曲してくれた岩代太郎さんは素晴らしい音楽を提供してくださり、それによって映画が一層引き立てられました。ありがとうございました。
つまり、現場は大変でしたし資金面の問題もありましたが、私はこれだけ素晴らしい友人に支えられまして、さまざまな困難を乗り越えて素晴らしい作品に仕上げることができました。こうしたこと全てはお金よりも私には大事なことです。

トニーさん、自腹を切ってでも映画を完成させた監督をどう思われますか?

トニー・レオン: 監督が自腹を切ったという話は聞いたことがあります。ですが、確かめることはしませんでした(笑)。そういうことを確かめるよりも、しっかり脚本を読み込んで準備しておいたほうがいいかなと思いましたので。監督は本当に素晴らしい方で、とても情に厚く、良い人です。私もこの映画に出演し多くの方たちと一緒に仕事をしましたが、みんなで一致団結しまして、困難があるときにも楽観的に前向きにそれを乗り越えようとし、それが実現しまして本当にうれしいと思います。

トニーさんと金城さん、国を背負って戦う男たちを演じていますが、あさってから北京オリンピックが始まります。同じように国を背負って闘う方たちにメッセージがありましたら、よろしくお願いいたします。

トニー・レオン: こ(笑)……すべてうまくいきますように、そして楽しんでいただけるように願っています。 金城 武:4年に一度で、おそらくスポーツ選手の方たちにとっては一番大事な日だと思いますが、プレッシャーを押しつけるのも申し訳ありませんので、今まで頑張ってきたものを発揮すればいいと思います。
金城 武: 4年に一度で、おそらくスポーツ選手の方たちにとっては一番大事な日だと思いますが、プレッシャーを押しつけるのも申し訳ありませんので、今まで頑張ってきたものを発揮すればいいと思います。
トニー・レオン: 中華料理を満喫してください(笑)。

中村さん、単身で中国に乗り込んだということで不安なこともたくさんあったかと思いますが、映画同様の信頼、友情関係というのはあったのでしょうか。流暢な中国語をどうやって覚えられたのですか?

中村獅童: トニーさんは本当に優しい方で、いつもニコニコと僕のことをご覧になっていて、(トニーのほうを見て)まさしくあんな感じで、別に面白いことをやっていたわけじゃないんですけど、いつもニコニコされていましたね。撮影中はホテルもご一緒させていただいていまして、卓球をやろうと約束していましたが、なかなかお互い忙しくて時間が合わず出来なくて、食事も行けませんでしたので、クランクアップの日に連絡先とちょっとしたメッセージ、プレゼントも頂きまして宝物になりました。監督からはやっぱりいろいろなものを吸収したかったので、ずっとそばにいました。食事のときもご一緒させていただいたんですが、そうするうちに僕が冗談を言ってもすごく笑ってくださったり、監督も冗談を言われたりして、こんな言い方をしたら失礼なのかもしれませんが、お父さんのような存在になり、とても可愛がってくださいまして楽しかったですね。
台詞は一応、日本で覚えてから中国に行ったんですけど、現場で変わることも結構あったので、フィルムが回るまでずっと通訳の方に台詞を何度も言っていただいて耳に焼き付けて、外国の歌を覚えるのと同じで聞いたのを真似ながらやっていきました。

今回は中村さんと卓球をやらないのですか、トニーさん?

トニー・レオン: (突然ふられ、慌てて)今回はインタビューの数が大変多いので出来ないとは思いますが、楽しみにしています。獅童さんからプレゼントをいただいたのですが、それは彼が出演した映画『ピンポン』でした。あれを見たらもう、怖くて相手が出来ません(笑)。皆さんもご覧になったらビックリすると思いますよ(笑)。

本作の見どころをお聞かせください。

トニー・レオン: たくさんの魅力があるかと思います。危機の部分、情感の部分、衝突の部分といった物語は大体後半に含まれていますが、実は今回、私がこの映画に出演して思ったのは、いろいろなことを体験させていただいたということです。例えば、これほどエネルギーを必要とする映画はこれまでほとんど経験したことがありませんでした。突然暑くて、突然寒くて、乗馬も出来ないといけませんし、立ち回りもこなさなくてはなりません。さらに、お琴まで出来なくてはいけませんでした(笑)。そういうことで、いろいろやらせていただき、本当に良い経験をさせていただきました。
チャン・チェン: 金城 武:見どころは……クライマックスにたくさんあるかな……。僕、まだ観てないんですけど(笑)。ただ、諸葛孔明的には後半に、伝説的に語られていることが出てきます。もちろん、前半も面白いんですけど、後半は大画面で観るとものすごい迫力のアクションが出てきます。
中村獅童: 僕の役どころとしては、先ほどもお話ししましたように、馬に乗って戦っているところであったり、とにかく戦闘シーンを観ていただきたいですね。ビックリしたのが、アクション・シーンなどでも10台以上のカメラが一斉に撮っているということでした。山のほうからも崖みたいなところからも撮っていたりしていますので、それがすごい迫力となって映像にも表れていると思います。監督と最初にお会いしたときも、1時間半~2時間くらいずっとこの映画のことをお話ししてくださって、その監督の熱い気持ちが僕の心を動かしましたし、その想いというのは必ず画面から伝わってくるのではないかなと思いますね。僕のラスト・シーンは最終日に撮って、朝の7時くらいまでず~っと撮って、そのまま飛行機に乗って帰ったというくらい、ものすごく時間がない中で撮ったのが僕のラストでした。後編なのでまだ観ていないんですが、ぜひ後編も楽しみにしていただきたいなと思います。

大変な撮影だったと思いますが、エピソードがありましたら教えてください。

金城 武: 僕だけアクション・シーンがないので、幸いなんですけど(笑)。孔明という役なので、アクションがないのは正しいですよね。ただ、すごく暑かったんですよ、とにかく。5月から撮影が始まって、真夏が過ぎて、秋前で僕の部分は終了したんですけど、皆さんは真冬まで続いたようです。夏のときはすごく暑かったですし、皆さんは鎧など着ていたので大変でした。僕もそれだけ暑いという気持ちでやりました。団扇なんて持ってましたけど……(笑)。実際、団扇はすごく助かりました(笑)。
チャン・チェン: 面白かったのは、曹操軍のメンバーとは撮影現場でなかなか一緒にならなかったのですが、ある日、ホテルで僕がバスケットをしていたところ、曹操役のチャン・フォンイーさんがたくさんの人を引き連れて運動をしているので、“あれ、何してるのかな?”と思ったら、最後に実際に曹操軍と対面する場面になったとき、一緒に運動をしていたのは、彼が率いている猛将たちだったということが分かりました。撮影自体が本当の「三国志」の戦争のときのようで、自分たちのメンバーとは団結しているんですけど、なかなか敵陣とは会わないという感じでした(笑)。
リン・チーリン: 私、映画は初出演ですので、初めのうちはいろいろと困りました。恥ずかしさがなかなか抜けず、トニー・レオンさんのような大スターと一緒にお仕事をさせていただくということで、その恥ずかしさをコントロールするのが難しく、顔がぽ~っと赤くなってしまったんですね。でも、監督さんが私に「この役を演じているときは、芯がしっかりした、柔らかさの中にもしなやかさがある女性を演じてほしい」とおっしゃいました。ですから、私が全編を通して演じていますのは、しなやかで優しい女性ですが、後編になりますとその芯の強さが前面に出てきていると思います。

監督、トニーさん、金城さん、この映画を観る方々にどんなメッセージを受けとっていただきたいですか?

ジョン・ウー監督: この作品を通じて私が伝えたいメッセージはまさしく、友情と勇気です。これがキー・ワードになります。戦争は残酷なものです。残酷であるほど、平和のありがたさ、尊さを感じられるでしょう。特に後編の第二部ではそのメッセージを強く打ち出しています。
もう一つ観ていただきたいのは、陣地の組まれ方です。皆さんも小説で読まれたことがあるかもしれませんが、映画では実際に見たことがないでしょうから、ぜひその辺も楽しんでいただきたいと思います。兵法などもこの映画で再現しています。もう一つ、見どころとしては船に火をつけて敵陣に攻め込むシーンがありますが、これも非常にスケールが大きいものですので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
また、今回の撮影に関しては、アメリカ・韓国・日本・香港・台湾の各地から素晴らしいスタッフが結集しており、私たち全員の努力の結晶がこの作品となったのです。つまり、アジアの力でハリウッドに匹敵する作品を創れるというところを見せつけたわけです。ハリウッドのやり方で中国のストーリーを撮れるということが証明されたのです。
トニー・レオン: 「赤壁」はいろいろな角度から描くことのできるテーマだと思いますが、今回ウー監督は人々を励ますという姿勢でこの映画を撮りまして、私は大変うれしく思いました。この映画で伝えたいのはとても前向きなメッセージです。例えば、団結の重要さ、愛、平和、希望といったものが全部この映画の中にこめられています。
金城 武: あまり言うことがない……(笑)。メッセージは今、お二人がおっしゃいましたが、いかに大きな困難があっても、友情・絆を大切にしてみんなが団結すれば、必ず勝てる、必ず夢はかなうという前向きなメッセージがあって、すごくいいなと思いました。
あとは、僕が普通に観てもすごく面白かったんですけど、「三国志」ファンの方たちにとっては、有名な人物たちが登場するのを見ただけすごくうれしくなってしまうんじゃないでしょうか。それに、「三国志」ファンじゃなくても、ジョン・ウー監督のアクションがありますし、ロマン、男と男の絆、友情、愛情すべてを含んでいるとても豊かな作品ですので、どなたが観てもすごく面白いと思います。

ファクトリー・ティータイム

トニー・レオン、金城 武というアジアを代表するスターをはじめ、錚々たるメンバーが勢揃いして圧巻のひと言だった会見だった。久々の大スペクタクル、これは絶対に映画館で観なければ損!だ。
(文・写真:Maori Matsuura)


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