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記者会見

トップページ > 記者会見 > 『花影』完成記者会見

完成記者会見

2008-03-10 更新

山本未來、キム・レウォン、河合勇人監督、若杉正明プロデューサー

花影

配給:アステア
3月8日(土)よりシネマート六本木、陣塾K's cinemaほか全国順次ロードショー
(C)2007株式会社花影フィルムパートナーズ

 『マイ・リトル・ブライド』『アメノナカノ青空』『屋根部屋の猫』といった映画やドラマで日本でも人気の韓流スター、キム・レウォンが、初めて邦画に出演したことで話題を呼んだ『花影』が完成し、相手役の山本未來らと共に記者会見を行った。在日三世の女性ジュエリーデザイナーと韓国の地方都市に住む小学校教師との運命的な出会いを描いた本作は、文字通り日韓のスタッフが集まって作られたラブ・ファンタジーだ。公開を前に、撮影のエピソードや本作の魅力を二人が語ってくれた。

-----最初に、皆さんからひとことずつご挨拶をお願いします。

若杉正明プロデューサー:正直申し上げて、びっくりしています。お忙しい中、こんなにたくさんの人においでいただき、本当にありがとうございます。皆さんを前にして、“これは違う映画の会見だったかな?”などと、ふざけたことすら考えています。私どもの会社は何本も映画を作ってきましたが、韓国との合作は今回が初めてです。日韓のラブ・ストーリー、ただのラブ・ストーリーではなく、(脚本家の)市川森一先生、山本未來さん、キム・レウォンさんといった、他に例を見ないような組み合わせで今回の映画が出来上がったことを、心から喜んでいます。すでに韓国でも全国公開が決まっていますが、まずは日本でたくさんの人に観ていただきたいと思いますので、どうか皆さんよろしくお願いいたします。
河合勇人監督:この度、『花影』の監督を務めさせていただいた河合と申します。監督として初めての作品でしたが、このような素晴らしい記者会見にお出でいただき、大変光栄に思っています。ありがとうございました。
山本未來:こんにちは、山本未來です。本当に今日はたくさんの方にお集まりいただきまして、うれしい限りです。ありがとうございます。これだけの方が会見にいらっしゃったということは、今日、世の中には大きな事件がなかったんだな、嫌なことはなかったんだなということで(笑)、今日は晴れの日だなと嬉しいですが(笑)。ちょうど桜の時期に撮影をしていたので、1年が経ち、もう間もなく桜がまた開花する時期に、やっと皆さんにこの作品をご覧いただける機会が出来ました。今日はよろしくお願いいたします。
キム・レウォン:はじめまして、私はキム・レウォンです。私にとって、海外で製作される作品に出演するのは『花影』が初めてです。そして、この作品に多くの関心を寄せていただき、心からお礼を申し上げます。どうもありがとうございます。どうか皆さん、良い記事を書いて、たくさんの方に教えてあげて下さい。よろしくお願いいたします。

-----この作品を作るきっかけは何ですか?

若杉正明プロデューサー:元々は、河合監督をデビューさせる企画を探そうというのがきっかけです。市川森一さんという老練で素晴らしい作家の方とお話をしていく中で、日本と韓国の垣根を取り除くようなとか、アジア市場をマーケットにしようとか、そういう大仰なことを考えていました。ですから、キム・レウォンさんと山本未來さんにご出演を快諾いただいた時点では、すでに脚本は出来上がっていました。

-----初監督作品がいきなり日韓合作ということで、かなりプレッシャーがあったのではないですか?

河合勇人監督:そうですね。初めての作品だったということもありますし、日本と韓国の合作なので両方の言葉で演出をしないといけなかったので、プレッシャーもありましたし大変でした。

-----ご自身から見た『花影』の見どころはどういったところですか?

山本未來:監督からは「私の韓国語だと言え」と言われましたが(笑)。今回は日本と韓国の釜山が舞台となっているので、私自身も在日三世の韓国人という設定で撮らせていただきました。仕上がりを拝見しましたが、この作品の脚本は、本当の意味で愛や人間との交流がすごく盛り込まれていたので、日本と韓国との良い意味での架け橋になる作品になったと思っています。

-----キム・レウォンさんから見て、日本の女優である山本未來さんの韓国語はいかがでしたか?

キム・レウォン:スゴイ!

-----キム・レウォンさんから見たこの映画の見どころはどこですか?

キム・レウォン:実は、完成した作品は今回の来日の前日に拝見しました。この映画のテーマのひとつは愛ですが、それ以外でも、人としての生き方が描かれていると思いました。“本当の幸福とは何なのか?”“私たちは、日常生活で目前の状況だけにしがみつき、それだけを所有しようとしているのではないか?”ということを改めて考えさせられました。そして、時には映画の中の(山本未來が演じた)尚美のように、“全てを捨て純粋な愛を探すことも必要だ、そういう勇気を持つことも必要だ”というメッセージも感じました。この映画をご覧いただく皆さんにも、その点を感じ取っていただければと思います。

-----日本映画初出演の感想はいかがでしたか?

キム・レウォン:今回は運が良かったのか、あるいは日本の撮影スタッフの皆さんはいつもそうなのか、本当にすばらしい人たちに恵まれて仕事が出来ました。大切な思い出を作ることも出来たので、この『花影』という映画は、僕にとって永遠に忘れられない作品になりました

-----お互いに言葉が通じないですが、現場ではどのような形で心を通い合わせていたのですか?

キム・レウォン:現場では、山本未來さんの素晴らしい韓国語に助けられて、コミュニケーションをとることができました。それ以外で通じない時には、通訳の方に助けてもらいました。
山本未來:私は、韓国語会話のソフトと一緒にニンデンドーDSを持ち込みました(笑)。この中から話してみたい会話を選び、空き時間にレウォンさんにいろいろけしかけていました(笑)。「未來って呼んでいいよ」「未來さん」「大丈夫、未來でいいよ」「じゃ、未來」「生意気!」って言ったりして遊んでいました(笑)。
河合勇人監督:今回の映画は韓国語も大きなテーマだったので、山本未來さんには「韓国語の台詞を完璧に覚えてくれ」と要求しました。僕のほうはといえば韓国語は挨拶程度だったので、最初にキム・レウォンさんと会った時には演出する際にどうしようかと戸惑いましたが、映画を作っている者同士、撮影用語については意外と通訳を介さなくても大丈夫でした。キム・レウォンさんはよく判っていらっしゃって、撮影中は「次は、こちらから撮るんだよ」と自らリードして下さいました。やはり、映画は韓国語も日本語も越えるんだなと思いました。

-----プロデューサーとして、お二人をキャスティングした理由は?

若杉正明プロデューサー:まず未來さんは、皆さんご存知かと思いますがバイリンガルなんですね。元々女優さんとしての素晴らしさは言うまでもないですが、ネイティブな英語を喋ることが出来るほど語学が堪能な方なので、こういう方なら韓国語はすぐに身につけられるのではないかなということでお願いしました。キム・レウォン君は“100万ドルの笑顔”とか言われていますが、最初にお会いした時に驚いたのですが本当にいい男で、日本の役者がまずいんじゃないか? というほど良い印象を受けました。日本のキム・レウォン・ファンから、山本未來さんが刺されるのではないか? というほどでした。

-----山本未來さんから見たキム・レウォンさんの印象はいかがでしたか?

山本未來:タイトルバックの笑顔がとても素敵で……。普通は男性の笑顔で映画を観ている側がうっとりすることはあまり考えられませんが、その映像を拝見した時には、“何て美しいんだろう!”と思うような笑顔を見せてくれました。韓国の俳優さんと一緒にお仕事をするのは今回が初めてだったので、“韓国の役者さんは何か違いがあるのだろうか?”とか、“演技に対する臨み方はどういったものなのだろうかな?”と思っていましたが、初めて現地でお会いした時から、ご自分の役や台本の内容についてとても熱心にディスカッションをされる方でした。本当に、熱意というか、情熱というか、若いのにすごいなと感じました。
キム・レウォン:ありがとうございます。

-----キム・レウォンさんにとって、この映画の撮影で最も心に残っていることは?

キム・レウォン:韓国での撮影で、山本未來さんの前を花びらが散っていくシーンだったのですが、実はあの花びらは私がとばしました。現場でやらせていただきましたが、今日はせっかく若杉プロデューサーもいらっしゃっているので、特殊効果の代金としてその時の日当を請求しようかなと思っています(笑)。
若杉正明プロデューサー:既に、充分に高いギャラをお支払いしているので(笑)。

-----今後、日本の映画からオファーがあれば、出演されたいですか? どんな作品だったら出てみたいですか?

キム・レウォン:もし良いシナリオ、良い監督さんに恵まれるのでしたら、どんな作品でも出てみたいと思っています。

-----初めて日本の現場を経験されて、何か発見はありましたか?

キム・レウォン:日韓の撮影現場には、それほど大きな違いがあると思いませんでした。先ほど監督もおっしゃっていましたが、現場ではかなり通じ合うところがあったので、コミュニケーションも簡単にとることが出来たと思います。日本の撮影現場は、俳優が最高のコンディションで演技に臨めるように本当に気遣いをしてくださるなということも感じました。

-----最後に、この映画をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

若杉正明プロデューサー:間もなく、3月8日から順次全国公開していくわけですが、必ずや皆さんの記憶に残るような映画になると思いますので、どうぞ応援をよろしくお願いいたします。
河合勇人監督:ひとりでも多くの方に観ていただければ、うれしいと思います。ラブストーリーであると同時に、ひとりの女性の成長物語にもなっています。ぜひ、皆さんご覧下さい。
キム・レウォン:やはり、この『花影』の見どころは山本未來さんの韓国語の実力だと思うので、どうか皆さん、その点にもたくさんの関心を寄せて下さい。
山本未來:今回の作品には初めてのことが多く、監督は初の作品、キム・レウォンさんは初の外国映画、私自身も初主演ということで、皆で愛情をこめて、いろいろなディスカッションをしながら作りました。出来上がりを拝見させていただきましたが、将来もずっと忘れられない、自分のライフワーク的な思い入れの強い作品になると確信しています。どうぞ皆様、女性・男性を問わずいろいろな方にとって心が洗われるというか、観終わった時に自分が綺麗になったような気持ちにさせてくれる映画です。ぜひ、キム・レウォンさんのスマイルと同じように、皆さんの心の中にも綺麗なスマイルを。ぜひ応援して下さい。よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

ファクトリー・ティータイム

韓流スターとして、多くの作品でその魅力的な笑顔を日本のファンにも見せてくれたキム・レウォン。今回の作品では、田舎の教員という地味な役どころながら、抑え気味の演技を通じて新たな魅力を披露してくれた。山本未來という大人の女性をパートナーに、どんな恋模様を見せてくれるのか? ぜひ劇場で確かめて欲しい。
(文・写真:Kei Hirai)


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