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2008-02-22 更新
イントロダクション
人生の終わりを迎えるとき、あなたが最後に思い起こすのは誰の名前だろう? 長年連れ添ってきたパートナーの名前か、最愛の子供たちの名前か、それとも……? 2人の娘に見守られながら、最期の時を迎えようとしているアンの脳裏に浮かびあがったのは、過ちの記憶と共に封印してきたハリスという男性の名前だった。40数年前、若さと情熱のすべてを注ぎ、ハリスを愛したアン。だが、2日間で燃え上がったふたりの恋は、取り返しのつかない悲劇を引き起こし、唐突に終わりを告げる。結ばれなかった愛、言えなかった言葉、かなわなかった夢。今、そのすべてを思い出すアンと、そんな彼女の知られざる過去に触れ、自分たちの人生をみつめなおす娘たち。死の床にある母の切ない思い出が、娘たちに幸福を求める勇気を与え、未来に希望の光を投げかけていく。その情景を、優しいぬくもりに満ちたまなざしで描きあげた本作は、心に染みいるような感動を約束する愛と人生のドラマである。
まず目を奪われるのが、アカデミー賞をはじめ数々の賞に輝くゴージャスな女優陣の顔ぶれだ。現実と夢、記憶と幻覚の狭間を漂いながら、人生で最も激しく燃え上がった2日間の恋の思い出を紡いでいくアンを演じるのは、過去6回アカデミー賞にノミネートされ、『ジュリア』で助演女優賞を受賞している英国の名女優、ヴァネッサ・レッドグレイヴ。アンの親友ライラには、『ディア・ハンター』から『プラダを着た悪魔』まで、アカデミー賞史上最多の14回のノミネート歴を誇るメリル・ストリープが扮し、凝縮された出演シーンの中に、ハリウッド最高峰に位置する大女優の存在感を刻みつけている。そのストリープの実の娘メイミー・ガマーが、若き日のライラを溌剌と好演。さらに、レッドグレイヴの実の娘のナターシャ・リチャードソンが、アンの長女コンスタンスの役で出演と、英米2組の名優の母娘共演を実現させた点も、本作の大きな見どころだ。
作品紹介
重い病に倒れたアン・ロード(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は、長女のコンスタンス(ナターシャ・リチャードソン)、次女のニナ(トニ・コレット)と、夜勤の看護師(アイリーン・アトキンス)の看病を受けながら、静かに人生の最期を迎えようとしていた。混濁する意識の中で、「ハリス」という男性の名前を口走るアン。だが、コンスタンスもニナも、その名を耳にするのはこれが初めてだった。「ハリスと私がバディを殺したの」という母の言葉に、驚く娘たち。そのかたわらで、アンの意識は、40数年前のあの夏の日へと戻っていく……。
(2007年、アメリカ、上映時間:117分)
キャスト&スタッフ
監督:ラホス・コルタイ
出演:クレア・デインズ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、メリル・ストリープ、グレン・クローズ、メイミー・ガマー、ナターシャ・リチャードソン、トニ・コレット、パトリック・ウィルソン、ヒュー・ダンシー、アイリーン・アトキンスほか
配給
ショウゲート
2月23日(土)日比谷みゆき座ほか全国ロードショー
オフィシャルサイト
http://www.itsunemu.jp/(外部リンク)