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トップページ > インタビュー > 『リアル鬼ごっこ』谷村美月 単独インタビュー

谷村美月 単独インタビュー

2008-02-01 更新

いろいろな場面で予想もしていなかったことが起きますが、全然判り難くはないので、気持ちを空っぽにして見て下さい。

リアル鬼ごっこ

谷村美月

1990年6月18日生まれ。2005年、オウム事件をモチーフに描いた塩田明彦監督作品『カナリア』で映画デビュー、大きな反響を呼ぶ。以降、映画を中心に、テレビ、CMなど幅広く活躍。『檸檬のころ』『かぞくのひけつ』『魍魎の匣』『茶々―天涯の貴妃―』『コドモのコドモ』『神様のパズル』『おろち』と出演作が目白押しの、今、日本映画界で最も注目されている若手女優のひとり。
2月25日23:00から4夜連続で放送される『一瞬の風になれ』(フジテレビ系)に出演、ファースト写真集『花美月-ハナミツキ-』(集英社)を発表するなど、映画以外での活動も著しい。

配給:ファントム・フィルム
2月2日よりテアトル新宿他にて公開
(C)2007「リアル鬼ごっこ」製作委員会

 今や、“日本の映画監督の間で、最も人気が高い女優”とさえ言われている谷村美月の主演作『リアル鬼ごっこ』が公開される。原作となった小説は、鬼才・山田悠介が、弱冠19歳の時に書き上げた記念碑的作品。ユニークな発想とスリリングなストーリー展開が中高生を中心に大きな支持を得て、累計発行部数が100万部を超えたメガヒット作品だ。これまでとはちょっと違った役どころに挑戦した谷村美月に、本作の魅力を聞いてみた。

-----昨年から、谷村さんの出演映画が続々と公開されていますが、『リアル鬼ごっこ』はいつ頃撮影した作品ですか?

 だいぶ前ですね。今は高校2年生ですが、高校1年生の5月に撮影をしていたので、もう1年半以上経っています。

-----原作の小説はかなりユニークな設定ですが、最初に読まれた時にはどんな印象でしたか?

 自分の役は主人公の妹と聞いていましたが、原作にはあまり出てこなかったので、イメージを膨らますのが難しかったです。ある程度想像してから台本を読ませていただいたら、登場するシーンがかなり増えていたので、うれしいなと思いました。(石田卓也と)兄弟の役を演じたのですが、普通の会話の台詞よりも、パラレルワールドの説明や“なぜあなたはこの世界にいるのか?”といった説明が多かったので、それがすごく難しかったです。覚えにくくて話しづらい、まさに台詞といった内容だったので大変でした。

-----“もうひとつの世界”側は近未来のような設定ですが、そういう点で工夫したことや考えたことはありますか?

 本当に想像の世界だったので、頭というよりも体から入る作品でした。考えているといろいろなパターンが浮かんでくるので、“まず体から行っちゃえ!”みたいな。アクションも多い作品だったので、いろいろ考えるというよりも撮影を気楽に楽しんでいました。

-----愛ちゃんという今回演じた役はパラレルワールドにいるので事実上一人二役ですが、その点で苦労されたことは?

 病院に入院している愛とあちら側の世界にいる愛は、判りやすい正反対のキャラクターなので、やりにくかったという印象はありません。一人二役はやらせていただいたことがなかったので、ある意味では見せ場でもあるし、すごく楽しみでした。病院にいる愛は演じるのが楽しみでしたが、ぼぉっとしている演技だったので大変でした。最初はやりすぎるぐらいにやろうと思い演じていたのですが、監督から「やりすぎだから止めて」と言われたので、押さえて押さえてあのような結果になりました。

-----走っているシーンが異常に多いですが、撮影前にランニングの練習をしたり体を鍛えたのですか?

 体を動かすことや体力には自信があったので、特に何もやりませんでした。唯一監督から言われたことが「走る姿を格好良くしてくれたらいいよ」だったので、走るシーンの撮影の時には「今のはどうでしたか?」といつも聞いていました。意識したことはそれぐらいですね。

-----走るシーンは何回も撮り直しましたか?

 ほとんど1回で大丈夫でした。何回も撮り直したことはありません。

-----今回の相手役、石田卓也さんと大東俊介さんはどんな人でしたか?

 石田君は本当にお兄ちゃんといった感じで、“男”という人です。好き嫌いがはっきりしていて、嫌だったらはっきり嫌だと言うし、男らしい人だなという印象です。大東君は、お笑いキャラでしょうか(笑)? かっこいい雰囲気を持っているのですが、関西人らしいので、ちょっと面白いところもある人でした。パラレルワールドにいる時にはよく笑い、最後に離れるシーンも笑顔で別れていくのですが、石田君としてはそれが気持ち悪かったらしく、「お前はきもい!」と言われていました(笑)。2人の男の子と普通に融け込んでいけました。本当に3人仲良くやっていましたね。2人のお兄ちゃんについて行くという感じでした。

-----谷村さんだったら、石田さんが演じた熱血漢の翼のように、弟さんを救うために行動することは出来ますか?

 う~ん、そうですね。でも、弟は私より走るのが速いので、たぶん私のほうが何かと足を引っ張ると思います。私が助けるというよりも、私が助けられるのではないでしょうか? でも、最初にこの作品の試写を観た時には、“弟が好きな映画だろうな”とまっ先に思いました。弟と同じ世代の人に一番楽しんでもらえるような作品だと思います。

-----石田さん、大東さんと一緒に橋から水中に飛び込むシーンがありましたが、あれはスタントなしですか?

 飛び込んだ後は私ですが、飛び込むシーンはスタントさんです。意外と高さがあったので、すごかったですね。撮影の後に、こういう取材の席でも話が広がるので「やりたいです」と言ったら(笑)、「怪我をされたら困ります」と言われ、スタントさんがやってくれることになりました。私は高い場所も平気なので、やってみたかったのですが。でも、あのシーンはかっこ良かったですね。

-----水中に落ちた後のシーンだけでも、あまり綺麗ではなさそうな水ですし、大変だったのではないですか?

 6月頃に撮影していたとはいえ、寒かったですね。いろいろな虫が浮いている中に入ったので、最初は「うわぁ、汚ない」とか言っていたのですが、入ってしまえば意外と大丈夫でした。

-----足は底についていましたか?

 水深が深くてついていなかったですが、あまり水は怖くないので。最初は男性2人が「大丈夫か?」と気にかけてくれていたのですが、「大丈夫、大丈夫」と。あまり怖いと感じることもなく、普通に平気に呑気にやっていました。

-----相手役と言えば、『檸檬のころ』で共演された柄本 佑さんのお父さんである柄本 明さんとも共演されています。谷村さんに酷いことをする役どころですが、どんな方でしたか?

 すごく深いというか、独特な雰囲気のある方でした。お芝居をしている時も、控え室にいらっしゃる時も、独特な雰囲気を持っている方だなというのが第一印象です。でも、話しかけると私のような相手でもきちんと話して下さるので、良い方だなと思いました。この映画は『檸檬のころ』より先に撮影をしたのですが、佑君に『檸檬のころ』の撮影の後でお父さんと共演したことを言ったら、「あ、あぁ……」と言葉を詰まらせていました(笑)。

-----これが初の長編となる柴田一成監督は、どんな方ですか?

 ご一緒するのは初めてではなく、プロデューサーとして何本も一緒にやらせていただいているので、最初に“監督”と聞いた時には不思議な感じがしました。たくさん一緒にお仕事をさせていただいているからこそ、話しやすかったり、相談しやすかったり、役についていろいろなことを話すことができたので、苦労した部分はほとんどなかったですね。監督は「好きなようにやって良いよ」と言ってくれましたし、あまり「こうやって、ああやって」ということもありませんでした。監督のことは中2の頃から知っているので、よそよそしい感じはなかったです。

-----他の監督さんと比べて特徴的なことはありますか?

 独特なところはあまり感じませんでした。ただ、他の監督さんたちと比べるとお洒落な方なので、現場にいても目立ちますね。まだ、私自身が“監督”であることに慣れていないからなのかもしれませんが。

-----ドニー・イェンさんの弟子であるアクション監督の谷垣健治さんによるアクションの演出はどのようなものでしたか?

 以前に一度ご一緒させていただいたことがありましたが、ちゃんと指導していただいたのは今回が初めてです。よそよそしくなく話しやすい感じの方ですが、この作品で私自身にはアクションといえるほどのアクションがなかったので、指導してもらったことはほとんどありませんでした。唯一、鬼に追いかけられて、いろいろな障害物を避けながら狭い通路のような場所を通り抜け、追いかける鬼は障害物にバーンとあたるシーンだけアクションを演出していただきましたが、お手本を見せてもらった時にはすごかったですね。私に出来るかなと思うほどでした。谷垣さんの動きには普通に走って立ち止まるだけなのに雰囲気があって、それを見た時には言葉が詰まりました。“(私に)出来るかな?”という顔をされていましたが、何回もやらせてもらい、OKを出していただいた時には本当にうれしかったです。

-----ところで、最近放送されたキャノンのデジカメのCMは大変印象的でしたが、ご自分で見た時の感想は?

 CMは久し振りだったので、見た時には素直にうれしかったです。撮影時間が短かったので、“どうなっているかな?”と不安だったのですが、やはり見ている人が多いので、たくさんの感想を聞いた時にはうれしかったです。よくテレビで流れているので、反響は大きいですね。最初は見逃しやすいですが、アップで出てくるのが最後なので「構えて待っていられるので、見逃し難いから良いね」と言われました。

-----この1年間で谷村さんの周囲には大きな変化があったと思いますが、『リアル鬼ごっこ』が公開される2008年はどのような年にしたいですか?

 去年は、いろいろな作品や監督さんと出会いました。その中にはまだ観ていない作品もありますが、いろいろな作品をいろいろな人に観ていただけるのだなと思うと、早く観たいと思います。う~ん、一斉にいろいろな作品が公開されるのはうれしいですね。昨年公開された作品もありますが、今年公開される作品、そして、これから関わる作品もたくさんあると思います。早く公開して欲しい作品がたくさんあるので、もうわくわくしています。楽しみな年になりそうです。

-----最後に、この映画の魅力をひとことお願いします。

 とにかく皆走っているシーンが多いですが、はらはらする場面もあれば、最後には感動するシーンもあります。いろいろな場面で予想もしていなかったことが起きますが、全然判り難くはないので、考えるよりは、何も考えずに気持ちを空っぽにして見て下さい。私が気楽に臨めたように、皆さんにもリラックスして観ていただける作品になっているので、どうか肩の力を抜いて観ていただきたいと思います。

ファクトリー・ティータイム

本人はいたって快活な普通の女子高校生ながら、なぜか暗そうな役が多い印象のある谷村美月。『リアル鬼ごっこ』では、一人二役に挑戦したり、スクリーン狭しと駆け回ったり、今まで見せたことのない魅力を披露している。昨年12月22日には、3本の出演映画が同時公開されたほどの人気者となったが、今年も公開を待つ作品は目白押し。その第一弾となる本作を、まずは映画館で楽しもう!
(文・写真:Kei Hirai)


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