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2007-12-17 更新
ウィル・スミス、アキバ・ゴールズマン(脚本)、フランシス・ローレンス監督
配給:ワーナー・ブラサース映画
12月14日(金)日米同時公開!サロンパス ルーブル丸の内ほか全国ロードショー
(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc.
リチャード・マシスンの不朽の名作SF小説の3度目の映画化となるアクション超大作『アイ・アム・レジェンド』。『コンスタンティン』のフランシス・ローレンス監督と初タッグを組み、“地球最後の男”を演じたウィル・スミスが監督と、製作・脚本を担当しているアキバ・ゴールズマンと共に来日。サービス精神旺盛なウィルは終始ハイテンションで、笑いの絶えない会見となった。
ウィル・スミス:(日本語で)コンバンハ、……コンニチハ(笑)。
アキバ・ゴールズマン:こんにちは、皆さん。ここに来られて本当にうれしいよ。(ウィルにマイクを叩かれるという悪戯をされ、真っ赤になり)……ア~オ! 温かく迎えてくださってありがとうございます。
フランシス・ローレンス監督:私たちをお招きくださってありがとうございます。今回、プロモーション・ツアーでは日本が最初になるんだ。とても誇りに思っているよ。この映画を楽しんでいただけるとうれしいね。
ウィル・スミス:ウォ~!! ありがとう! 本当に日本に来られてすごくうれしいよ。興奮している。東京が大好きだし、今日は良い天気だし、『アイ・アム・レジェンド』は素晴らしい映画だから、ここに来られてひたすらうれしいよ。でもって、こうして騒いでいる自分はちょっぴり愚か者(silly)な気分だ(笑)。“silly”って日本語で何て言うの? “アホ”(笑)?
ウィル・スミス:正直言って、1時間ほぼ独りきりで、台詞なしの演技をするのは、結構怖いものがあったよ。だから、いろいろとリサーチをした。特に、POW(Prisoner of War=戦争捕虜)や刑務所で独房に入っていた経験のある人たちと話をした。彼らに聞くと、常に一日のスケジュールを細かく立てていないと落ち着かなかったということなんだ。例えば、今日の午前9時から午前11時までは爪を研ぎ、次の午前11時から午後1時までは靴を磨くとか、一つひとつ予定を立てておかないと気持ちが落ち着かないとは、孤独な状況に置かれていた人たちが一様に語ってくれたことだった。……今後はもっと短く答えるよ(笑)。あ、そうだ! (監督のほうを向いて)もう一つの質問は僕と仕事をしてどうだったか?だったよ(笑)。
フランシス・ローレンス監督:もちろん、脚本読みの段階から、いろいろなことに関してウィルと話し合いを重ねてきたが、実際に撮影に入ってからの彼の演技の素晴らしさは目をみはるものがあったね。その驚きというのは、例えばミュージシャンの見事な演奏を聴いたり、体操選手のすごい演技を見たりするのと匹敵するものだった。いろいろなことがきちんと出来るだけでなく、それを一層良いものに変えていくということも、彼はやってのけたんだ。本当に驚くべき演技を見せてくれたよ。
ウィル・スミス:(日本語で)アリガト(笑)。
ウィル・スミス:撮影の前半は、ロサンゼルスで家族と一緒だったので、一人っきりということはほとんどなかった。だから、孤独を感じている彼は僕からものすごく遠い存在だったね。人が周りにいると刺激を受けるし、当然その刺激に反応するものだ。ところが今回は独りきりなわけだから、頭の中でその刺激を想像し反応するということをしなくてはいけなかった。だから、ロバートは自分で質問し答えるということを心の中で行っているんだ。ああいうのはなかなか大変だったよ。……まだ長いな(笑)。さらにもうちょっと短く答えることにするよ。……(カメラマンの一人がその場を離れるのを見て)ちょっと君、君! どこ行くの(笑)!? (「オフィシャル・カメラマンですので、いろいろな位置から撮影するんですよ」とMCに言われ)そうか、分かった、納得した(笑)。
アキバ・ゴールズマン:今活躍している俳優の中で、ウィルのように演じられる人はわずかだよ(財布を出して現金を見せ、にんまり)。今回の脚本は、外面だけでなく内面も描き続けなければいけなかったので、それをどういう風に書き込んでいくかが大変だったね。だから、俳優が内面の演技をするにあたって、余計なものは一切排除できるような形で書いていった。これは大掛かりな作品だが、実際にはキャラクターの隠された心の動きを追っているものだ。それを体現できたのは、ウィルだからだと思っている。
ウィル・スミス:(口パクで)アイ・ラヴ・ユー(笑)!
アキバ・ゴールズマン:裏でまた、話をつけよう(笑)。
ウィル・スミス:ヘタに人間の名前を挙げたら問題が多いから、止めることにするよ(笑)。今回の作品で一番興味深いところはやっぱり、「地球上でたった一人の人間になったら何をするか」ということで、これは皆さんも考えると思うし、僕も考えたよ。人間というのは互いに必要とするものだ。人とはぶつかることもあるし、腹が立つこともあるけど、実際に独りっぼちになるということほど恐ろしい経験はないと思う。だから僕だったら、どこでもいいから近くの建物に飛びこんで、人がいないか必死で探すだろうね。
ウィル・スミス:彼女は本当に利口な犬だった。犬の知的レベルにもいろいろあるもんだと思い知らされたよ。ペットを飼っている人はたくさんいるけど、どうしようもなく間抜けな犬も多いね(笑)。でも、彼女は極めて利口な犬だったので、トレーナーの方に「彼女を引き取りたいんだけど」とお願いしたんだけど、彼女にはすでに家族がいるのでそれは叶わなかったんだ。
ウィル・スミス:今回の役柄は軍の将校だから、当然ながらいろいろな部署で訓練を受けてきている。だから、さまざまな武器の扱い方も熟知しているはずだ。そんなわけで、僕も銃を持ったときにそれらしく見えるよう、しっかりと訓練を積んだよ。
フランシス・ローレンス監督:私が一番気を遣ったのは、あくまで本物に見えるということだった。ウィルは撮影に入る前にいろいろなリサーチをしっかりしてくれる人だし、武器の扱い方に関するコンサルタントもいたから、そういった部分での心配は全くなかった。私はただ、現場のテンションが十分に上がっているかとか、足を怪我している演技がきちんと出来ているかとか、そういうことをチェックしていったという感じで、武器の使い方に関して指示を出したということはなかったね。
ウィル・スミス:あの曲を聴くのはもう、ちょっと辛いね。俳優というのはとりわけそうだと思うけど、ある曲を聴くと、それに結びつく瞬間が記憶にプログラミングされる。だからあの曲を聴くと、映画の中でのことなのにサムの悲劇を思い出してしまうものだから、大好きな曲なのに、僕にとってはとても辛い曲になってしまったんだ。
フランシス・ローレンス監督:この映画で私がとても気に入っているシーンがいくつかある。例えば、マンハッタンでハンティングをするオープニングのシーンだとか、サムの悲劇のシーンなどは大好きなんだけど、過去の2本と比べて今作のどこに特別感があるかというと、主人公が長い旅に出るところだね。これまでの2作はある意味、ジャンル映画と呼べるものだが、今回は主人公に光を当てていて、彼が味わった喪失感など心の旅を描いているというところに大きな違いがあると思う。
アキバ・ゴールズマン:1950~1970年代のSF映画は、ある種の寓話として作られたと言えると思う。例えば、『猿の惑星』『ソイレント・グリーン』『サイレント・ランニング』のような作品が良い例だが、SF映画は我々の世界である地球を見つめる手段として作られていたんだ。その後、SFが流行らなくなる時代が来たわけだが、昔と同様、今の新しい世界の状況を理解する手段として、ドラマと組み合わせたら大変面白いジャンルだと思うし、奥深い作品が出来るのではないかと私は考えているんだ。
ウィル・スミス:(通訳さんに向かって)彼はそんなにしゃべってないよ。君、何か付け加えたでしょ(笑)?
ウィル・スミス:日本のブラジル・テレビ? ワァオ~(笑)! 一体視聴率はどれくらいだい?
ウィル・スミス:300……000人だろ(笑)!? (ポルトガル語で何か言うと、ブラジル人マスコミ席が大受け。)
ウィル・スミス:初めて会ったときから彼女は本当に美しい女性だと思ったよ。彼女の目を見つめると、そこには美と生命の喜びが溢れている感じだった。絶望的な世界の中でも、まだ神の存在を信じることができるキャラクターの役には申し分ない女性だったよ。彼女のことは『シティ・オブ・ゴッド』を観て知ったんだけど、喜びとパワーに溢れているという印象を受けて、ぜひ一緒に仕事がしたいと思ったんだ。
(カメラマン席を指差し)ところで、あそこの男性にちょっと立ちあがってもらいたい。皆さんにお教えしたいが、あの人、眠ってたんだよ(笑)。寝てくれて感謝するよ。あなたと一緒に写真が撮りたい(笑)。(……というわけで、一緒に写真撮影。)
ウィル・スミス:人は頭の中でものを考えているが、時としてそれは行動と結びついていなかったりする。でも、それぞれ個人が少しでも良くなろう、少しでも自分を進歩させようと努力していけば、世界は少しずつ良くなっていくと僕は信じているんだ。わずらわしく嫌なことがあったとしても、それを他人のせいにせず、今一度自分自身の心に問いかけるようにし、少しでも向上することを目指せば、世界は絶対に良くなると、今回この役を演じて学んだよ。
上機嫌で、監督、アキバ・ゴールズマンと共に雄たけびを上げながら登場したウィル。会場でもおいしいところは逃さず、マスコミ“いじり”もお見事で、さすが一流パフォーマー。会見の間、就寝中のカメラマンはよく見かけるが、寝ていたことでウィル・スミスと記念写真を撮れたなんて幸せな方は、前にも後にも今回のカメラマンだけだろう。
(文・写真:Maori Matsuura)
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