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2007-10-04 更新
日本のスタントマンの方たちは身体能力がすばらしいので、次回は日本で映画を撮るのもありかなと思いました
ダン・チューポン
1981年3月23日、タイ北東部生まれ。マハサラカム教育大学では、物理学の学位と教育課程を取得。その後、スリナカリンウィロット大学では学士号を取得する。また、幼いころから体操、格闘技・剣術・棒術などを学んでいたため、アクション監督のパンナー・リットグライ主宰のスタント・チームに参加。その後、03年に『マッハ!』の脇役で映画デビューし、そのずば抜けた容貌と、軽業師を思わせる様々なファイティング・スタイルで、『七人のマッハ!!!!!!!』(04)の主役に抜擢。タイ国内だけでなく、国外でも大ヒットしたことから“第2のトニー・ジャー”として注目を浴びている。
配給:ポニーキャニオン、ヘキサゴン・ピクチャーズ、リベロ
10月6日より銀座シネパトス、京成ローザ他にて公開
(C)2006 SAHAMONGKOLFILM INTERNATIONAL CO.,LTD. ALL LIGHTSRESERVED
『七人のマッハ!!!!!!!』で度肝を抜くアクションを見せてくれたダン・チューポンが、前作を上回るアクション大作『ロケットマン!』を引っさげて日本にやってきた。お馴染みのアナログ・アクションに加えデジタルによる見せ場も満載、タイ映画の新たな魅力が溢れた本作の魅力を語ってくれた。
特撮シーンはとても大変でした。ロケットは本物ではありませんが、100発ぐらい打ち上げました。実際に火がつくようになっていて、セッティングに1時間以上かかりました。
パンナー師匠からのアドバイスは全くありませんでしたが、全力で本気でぶつかってこい! という気迫を感じました。ヒットすると本当に痛いので、年をとっている師匠にはなかなか本気で向かっていけませんでしたが、師匠のほうから僕のお腹に強烈なパンチを食らわせ、僕を怒らせて演技での感情を引き出そうとしてくれました。
ロケットのアイデアを聞く以前に、チャルーム・ウォンピム監督の作品と聞いただけで、タイではぶっ飛んでいるという印象を受けますが、ロケットを使うアイデアはすごく珍しいと思いました。タイの文化や風習ではロケットを使うことがあるので、これを武器にするアクション映画は面白いアイデアだと思いました。撮影でロケットに乗った時には、実際に飛ばすわけではないとはいえ怖かったです。ビルにすると3~4階程度の高さだったので、ワイヤーで安全が確保されているとはいえゾクゾクしました。
脚本を読むと、外国映画のキャラクターに例えるのならロビンフッドのようだなと思いました。金持ちを襲い、貧乏人を助ける設定は似ています。孤高のキャラクターについては、自分自身と似ているのでそれほど大変ではありませんでした。スー・シアン(ロケットマン)が東北タイ出身という設定については、自分も東北タイ出身ですから子供の頃から地元の風習を知っていたので、すごく気楽でした。
特にそのようなシーンはありませんでしたが、難しくても避けられないのがパンナー師匠との対決シーンでした。他のシーンでは特に問題ありませんでしたが、師匠との対決シーンは気持ちを落ち着かせるのに大変でした。
実は、新作を準備中です。『ロケットマン!』と同じチャルーム・ウォンピム監督の作品で、『ロケットマン!』とは違ったアクション映画で新境地を開拓しようと思っています。役者としては、アクションだけではなくいろいろなキャラクターを演じることが出来るようになりたいですし、次回はぜひアクション・コメディをやりたいと思っています。ジム・キャリーのようにコメディもシリアスな演技も出来るようなすばらしい役者になりたいと思います。今朝、汐留で行ったイベントで日本のスタントマンの方たちと共演しましたが、皆さん身体能力がすばらしいので、日本で映画を撮るのもありかなと思っています。
子供の頃から憧れていたアクション・スターは、タイならパンナー・リットグライ師匠、外国ならブルース・リーさん、ジャッキー・チェンさん、ジェット・リーさんです。タイの俳優ではトニー・ジャーさんも忘れてはいけません。
たくさんいますね。自分が映画を観る時には、主演俳優やどんな作品なのかを気にするよりも、役者さんの演技に注目しています。例えば、コメディならどんな風に演じているのか、シリアスな役柄ならどんな風に演じているのかといったところです。それぞれの役者さんはその人なりの魅力があるので、自分が役を演じるときには、それぞれの役者さんならではの良い部分を参考にして演じています。
皆が団結したり、愛し合ったり、仲良く出来るような妖術を使いたいと思います。そういった姿を見ると幸福になるので、団結していない、愛し合っていない人たちがいたら使ってみたいと思います。
映画に出演するようになってから、俳優になる前の頃を振り返ってみたことがありますが、自分自身はスターになっても変わっていないと思っています。もちろん、僕の生活も変わっていません。というのも、僕の交際範囲はそれほど広くないので、毎日朝起きて、スタントマンたちと一緒にスタントの練習をして、夕方家に帰る。時には地方で映画を撮ることもありますが、その時もスタントマンたちと一緒にいる。スタント仲間と楽しむこともありますが、以前と変わらない気楽な生活をしています。でも、周囲の人は、変わったと言えば変わっています。一番変わったなと思うのは、実家に帰った時です。実家の周囲の人たちは、昔から僕の顔を知っているのに、帰ってくる僕の顔を見たいとやって来ます。そういった点は変化したと思います。
さすが仏教国タイのスターだけあり、常に礼儀正しく、質問には丁寧に答えてくれた。間もなく80歳を迎えるフミポン国王についても、王様が心を痛めるのでタイ人同士の争いは止めようと語っていたのも印象的。スクリーンで見せるアクション・スターとは異なった一面を見せてくれたひとときだった。
(文・写真:Kei Hirai)
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