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2007-10-09 更新
誰にでも共感できる部分がある、温かいものが残る作品になったと思います
竹財輝之助
1980年4月7日生まれ。『仮面ライダー剣(ブレイド)』(2004)で俳優デビュー。『劇場用 仮面ライダー剣(ブレイド) MISSING ACE』(04)、『水に棲む花 ROMANCE OF DARKNESS』(06)、TBS系ドラマ『愛の劇場 砂時計』(07)などに出演。
配給:松竹
10月6日より全国公開
(C)2007映画「未来予想図」製作委員会
ドリカムの名曲『未来予想図』『未来予想図Ⅱ』の世界が映画化された『未来予想図』が、公開された。ピアニストとしても活躍する松下奈緒の相手役に抜擢されたのは、期待の若手俳優・竹財輝之助。公開を直前に控え、撮影の思い出や作品の見どころについて語ってくれた。
正直に言うとまだ客観的に観ることが出来ず、自分のあら探しをしているような段階ですが、誰にでも共感できる部分があるので、温かいものが残る作品になったと思います。
僕たちの世代にとっての、学生時代から大人になるまでの普通の男女を描いた物語なので、学生時代の恋愛やちょっとした悩みなどは絶対に判ると思います。松下さんが演じるさやかの親子関係や、少し上の年代なら原田泰造さんと西田尚美さんが演じた倦怠期を迎えた夫婦の物語もあるので、幅広い年代の人に共感してもらえると思いました。
監督が自然な二人を撮りたいと言われたので、今回は役作りをしないで撮影に臨みましたが、今までは自然に演じることがほとんどなかったので、それが逆に難しかったですね。自分の素の部分を出しても良いということだったので、前半の台詞には結構アドリブもありましたが、その辺ではちょっと苦労しました。慶太と同じように以前から建築が好きでしたが、専門的なことを勉強したことがなかったので、少し勉強しました。
今は俳優という仕事がすごく楽しいので、死ぬまで続けられればと思います。昔の夢は、サッカー選手や調理師、パイロットなどいろいろあったのですが、それよりも今の仕事が楽しいですね。少しずつですが、自分の理想に近づけているかなと思います。
やはりスペインですね。スペインのシーンは風景がすごい。日本ではあり得ない空気感、日本では見たことがない空の色がとても印象に残っています。役柄の上でも、卒業旅行で行ったシーンとその5年後のシーンがあったので印象に残っています。個人的にもガウディの作品に会いたかったですし、実際に会えた時の感動、呆然とした感じは今でも印象に残っています。ですから、スペインでのシーンには、ぜひ注目してほしいです。
スペインの現地スタッフの方は12時間しか働けないという拘束がある関係上、朝6時から撮影が始まると夕方の6時にはほとんど終わっていたので、ちょこちょこと遊びに行きました。ほとんど加藤雅也さんと一緒に食事に行ったりしていたのですが、1回だけ、加藤さんとは別行動でカンプノウ(の巨大スタジアム)にサッカーを見に行くことが出来ました。オフは1日だけありましたが、この日は加藤さんと一緒に映画には出てこないガウディの建築を見に行ったり、コロニア・グエルという場所に行きました。
はい、それは常々思っています。
一見すると弱々しいですが、人のことを本当に考えることが出来る奴だし、自分が好きな夢に向かっている時には一直線で何も見えなくなるし、一番仕事を大事にしている奴かなと思います。
最初はクールで凛としたイメージでしたが、素の松下さんは意外と気さくな人です。とても話しやすい方ですし、少し失礼な言い方ですが男っぽいところもあるので(笑)、男友達と話しているような感じになりました。松下さんが演じたさやかは、お会いする前のイメージに近かったです。凛としていますが、弱いところを人に見せたくないような部分もあります。実際にはすごく悩んでいるのに、人前では弱みを見せない強い女性だと思います。
そうですね。後半部分はほとんど決め撮りですが、前半部分の学生時代は、自然な二人を撮りたいということで台詞はほとんどアドリブでした。何も相談せず、いきなり出てきたものを撮ってもらいましたが、上手くいけたかなと思っています。
社会人になってからは多少意識しています。外見はもちろんですが、中身も変えないと芝居が変わってこないですから。技術的なことでは、台詞の間を少し長めにとったり、しゃべる時のトーンを少し低くしたり、余計な動きを少なくしたりするようにしました。
この作品が決まる前にも聞いたことはありましたが、何となく良い曲だなというぐらいで、この映画に出演が決まってから改めて歌詞を読み直しました。
涙が出るほど感動してしまいました。あの曲を聴く前に、プロデューサーから「君たち二人が主人公の、この作品を見て書いてくれたんだよ」と言われたので、より感慨深いものがありましたね。
特に作品や芝居については話していませんが、中村正人さんは一度だけ撮影現場に来てくださいました。
本当に慶太みたいな感じですね。休み時間に遊んだり……。というか、遊んだことしか記憶にありませんが(笑)。ちょっと空き時間があると、車で海に行ったり、バイクでいきなりツーリングに行ったり。あの頃は、時間だけはすごくあったので、遊ぶことに全精力を傾懸けていました。勉強した記憶はほとんどないです(笑)。
いつも役を作り込んでから現場に入るタイプでしたが、今回は現場に入って雰囲気を感じて出てきたものを演じたので、この経験は今後にも生かせると思いました。
どうでしょうね。難しいなぁ……。うん、引くと思います。よく話し合うと思いますし、どのくらい思いが強いかにもよりますが、何か心に響くものがあれば引くと思います……。引けるかな(笑)?
辛いけれど、日本にいたくなかったという気持ちが強かったと思います。別れたシーンの後でも何度かさやかに電話をしていますが、電話番号を変えられていました。日本にいるのも辛いし、逃げるわけではないですが、とりあえずさやかに連絡が取れない場所に行きたかったのだろうと思います。さやかの言動には意味があると感じていたはずなので、さやかのためというわけではないですが、日本にはいたくないと思っていた時に、ちょうどスペインの話があったので行ったのだと思います。
本当は何回か追いかけるはずだったのですが、男として追いかけるのはどうだろうという監督の意向もあり、あのようになりました。監督は、すごく男目線で考えている方だったので、あっけにとられて呆然としている感じで良いということになり、あの場所で立ち止まっています。すごいショックを受けると動けないことってありますよね? そちらの感じを強く出しました。もし追いかけると、慶太が少し弱く見えてしまうからなのではないでしょうか?
あの時点では、慶太はスペインに行くことを諦めていたので、話し合ってもさやかが悩むのは判っていたし、悩ませたくないという気持ちもあったので、あのような結果になったと思います。本当は相談できれば一番良かったのですが。
難しいな(笑)。この作品の核にもなっていますが、伝える時にちゃんと伝えないと、言いたいことが言えなかったり後で後悔したりする、そういうことを感じてほしいですね。相手のことを考えるのはすごく良いことですが、考えすぎると何も繋がりがなくなってしまうことがあるので、思ったことは口に出して伝えたほうが良いと、少しでも思ってもらえたらと思います。
あらゆる役をこなせる役者になりたいと思っています。今まで似た役はありましたが、同じ役を演じたことはなかったのは幸せなことですね。これからも全く違う役柄を演じたいと思います。
とても大きなことを言うと、ジョニー・デップが好きです。自分自身を殺せるような役者になりたいです。ジョニー・デップは役によってガラッと変わる人なので、彼のように役になりきる、素の自分が全く見えない役者になりたいと思います。そういう意味でもジョニー・デップは好きです。
作品自体が女性目線で描かれているので、すごく共感できる部分がもちろんあると思いますし、この作品はこう伝えたいというのは言いたくないんです。やはり、作品を見て自分で何か感じてもらうのが一番なので。何か温かいものを感じて帰ってもらえばと思います。
甘いラブ・ストーリーの主役を多くの人から共感を得られるキャラクターで演じきった竹財輝之助だが、本人も劇中の慶太に負けないほどの爽やかな青年だった。甘いルックスながら、演技については常にチャレンジしていこうという芯の通った考えの持ち主。これからの出演作が楽しみな俳優だ。
(文・写真:Kei Hirai)
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