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2007-09-24 更新
ヴィッキー・チャオ
ヴィッキー・チャオ
1976年3月12日生まれ、中国安徽省出身。
北京電影学院卒業後、連続ドラマ「還珠格格」(99)で中国大衆電視金鷹奨最優秀女優賞を受賞。
チャウ・シンチーが監督・主演した大ヒット作『少林サッカー』(2001)、スー・チー、カレン・モクと競演した『クローサー』(02)、中井貴一、チアン・ウェンと共演した『ヘブン・アンド・アース 天地英雄』(03)などで、日本でも知られる。
シンガーとしても活躍し、中国を代表するマルチタレントとして大きな人気を得ている。
中国を代表する人気女優、ヴィッキー・チャオが本木雅弘と共演した『夜の上海』が公開される。偶然知り合った日本人ヘアメイク・アーティストと夜の上海を彷徨うことになったタクシー・ドライバーを熱演。一足先に公開した中国では大ヒットし、ヴィッキーの代表作との評価も高い。プロモーションのために来日したヴィッキーに、撮影のエピソードや本作の魅力を語ってもらった。
言われてみればそうですね(笑)。でも役にはぴったりでした。この映画のリンシーも、『少林サッカー』ほど醜くはないですがごく普通の子で、男の人からあまり注目されない女の子です。だから、映画の中で着ていた服装はぴったりだったと思いますし、リンシーも『少林サッカー』の女の子のように不幸を背負っている役なので、ぴったりだと思います。ただし、この映画で『少林サッカー』の私しか知らない日本の観客の皆さんが普通の役もやっていることを知ってくださったら、とてもうれしいと思います。そして、今回は『少林サッカー』よりもっと多い映画館で公開していただけるそうなので、そのこともとてもうれしく思っています。
これは私の想像ですが、私がリンシーと同じように単純な考え方をするけれど非常に善良なところもある人間だとプロデューサーが考えてくださって、選ばれたのだと思います。
はい、知っていました。本木さんは格好良いだけではなくて、役者としてすごくやりやすい人でした。お互い言葉は通じないですが、役者としての感性ではぴったりと呼吸があって、とてもやりやすかったです。役者によっては、なかなか一緒に作り上げようという雰囲気になれない人もいますが、本木さんはとてもやりやすかったです。
今回は半数近くが日本人スタッフだったので、通訳だけでも13人いましたが、私の印象では、日本と中国、お互いの良いところを活かした映画製作が出来たと思います。役者の中には中国人がいて、監督も中国人ですが、衣装もメイクも脚本も日本人が関わっていて、音楽も日本の方が作っています。確かにシンプルでありがちなラブ・ストーリーですが、それぞれの良いところをうまく活かした作品になったと思っています。
99%は私の運転です。タクシー・ドライバーの役ですから、車にものすごく慣れた雰囲気が必要だと思ったので、毎日撮影現場に行く時にも自分で運転して行き、現場から現場への移動の時も自分で運転しました。演技の時にはもちろんです。1日8時間ぐらい車の中にいました。いつも同じ姿勢なので腰が痛くなったりしましたが、タクシー・ドライバーの職業病や職業上の習慣が分かると思ったので、あえてそういう風にしていました。。私の運転する車に乗っている時間はおそらく本木さんが一番長いですが、とても安心して乗っていましたよ(笑)。
リンシーのように運転したら危ないですから、ゆっくりと。いつもは、あちこちを見ながらゆっくり運転しています。
私たちの台詞はお互いの言葉が分からないという設定なので、相手の台詞が分かったほうが不自然になります。もちろん、中国語に訳された本木さんの台詞は事前に知っているのですが、分からないほうが良かったですね。それぞれの台詞を勝手にしゃべりながら、お互い大きめの声でしゃべらないといけなかったのですが、逆にそれが良かったと思います。
その点は、お互いに心で感じる必要がありましたね。相手の気持ちを一生懸命感じようとすることが、普段の演技よりもっと必要でした。本木さんはすごく感性が鋭い人でした。私が本木さんを罵るシーンがあったのですが、2テイク目ですごく厳しく彼を罵りました。本木さんは私の台詞は分からないですが、その時にぱぁっと顔が赤くなったので、たぶん感じたのだと思います。ちょっと言い過ぎたのかなと思い、次のテイクでは抑えめにしましたが、この時、本木さんはすごく敏感な人だなと思いました。聞き取れない言葉でも、感じるのですね。
恋愛に関してはシャイですが、その他の点についてはそうでもありません。リンシーは、自分の気持ちを相手に告白できないという点では恥ずかしがり屋だと思います。実は、私も若い時にリンシーと似たような経験があって、ずっと好きだった人に気持ちを伝えられず、後で友達から彼に彼女がいることを聞いて、すごくショックを受けたことがあります。ですから、リンシーは割と分かりやすい役でした。
これは、監督が観客に答えを委ねていると思います。もしかしたら恋人同士になるかもしれませんが、もしかしたらあれだけで終わるかもしれません。ただ、私が思うのには、この二人がお互いのことを非常に好きなのは事実だと思います。一緒になるかどうかは分かりませんが、その点は事実だと思います。
いえ、水性ペンキです(笑)。
楽しかったです(笑)。私自身は、夜はいくら遅くても平気です。もうひとつ、夜のシーンが良いのはギャラリーがいないので精神的に邪魔されません。昼間にトントンのいる整備工場に車の修理に行くシーンがあったのですが、多くの野次馬の前で芝居をするのはとても辛いものがあります。ですから、夜のシーンのほうが楽でうれしかったです。ところで、昼間の事故のシーンは覚えていますか? 乗客が降りて吐き、運転手の私を罵るシーンですが、あのシーンの乗客がチャン・イーバイ監督です。
平気ですよ。監督の演技は上手いと思いませんからね(笑)。運転しながら、バック・ミラーで監督を見て、一生懸命リラックスしているふりをしていますが緊張しているのが分かったので、「監督、もっとリラックスなければ駄目ですよ」と言ったぐらいですから。監督も下手だと思ったのか、編集した時に、自分の寄りのカットは全てカットしていました。
スクリーンではまだですが、モニターの画面では見ました。女性の観客にはすごく気に入ってもらえると思いました。男性の方がどう思うかは分かりませんが。
やはり、外灘(バンド)と呼ばれる地域、川沿いにある租界時代の古い建物です。リンシーと水島がタクシーに乗っていた時、ライトアップが一斉に消えますが、あのライトアップした夜景はすごくきれいなので、ぜひ行かれると良いと思います。行かれたことはないですか? ないのなら、ぜひ行ってください。
相変わらずおおらかで、性格の良さを感じさせるヴィッキー・チャオ。本作の出来には、かなり自信のある様子だ。日本での認知度はまだまだ高いとはいえないが、この作品をきっかけに一気にブレイクしてほしい。
(取材・文・写真:Kei Hirai)
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