2022-10-03 更新
俳優主体のクリエイティブ集団「ワークデザインスタジオ」(代表:澤田和宏・浅沼直也)が手掛ける映画製作と劇場公開を目指す取り組み『HAKUSHI PROJECT』。
ワークショップを通じて作品を製作するという、これまでとは全く異なる視点からの映画製作の手法を取り、劇場公開された際の興行収入は、それぞれの作品に関わった監督・俳優・スタッフなどに還元されるという新しい仕組みとなっている。
正に「俳優の俳優による俳優のための」映画作りが実現した。そしてこの企画から生み出された作品群が、次世代映像産業の導入及び若手クリエイターの輩出を目指す彩の国ビジュアルプラザのインキュベートオフィス入居者向け支援プログラム「創る・魅せるプロジェクト」による上映支援を受け、このたび劇場公開される運びとなった。
本作は4人の監督たちが紡ぐ短編映画で構成されている。
1本目は、浅沼直也がメガホンをとった『薄氷のドーヴ』。余命を宣告された一人の男性とその内縁の妻とのミステリアスな関係を描いた作品。
2本目は、悶々とした気持ちを抱えた人々を描いた『you』。メガホンをとったのは、2021年8月に公開された長篇映画『愛のくだらない』が田辺・弁慶映画祭でグランプリと映画.com賞のW受賞を果たした野本 梢。
3本目は、感染症の流行で演劇祭が中止になり部員たちがバラバラになってしまった“あの日”を再現した作品『再演』。メガホンをとったのは、『惡党と物書き』『闇金ドッグス』など数多い作品を監督、映画だけでなくCMやプラネタリウム作品など様々なジャンルでの映像を演出している土屋哲彦。
4本目は、売れない芸人を主人公に描く『いろとりどりの』。メガホンをとったのは、2015年監督作『きらわないでよ』でショートショートフィルムフェスティバル&アジア2015をはじめ多くの映画祭に入選、受賞を果たし、国内外で評価を博した加藤大志。
先の見えない時代にもがき苦しみながら創作を続けた俳優と監督たちの記録が、珠玉の短編オムニバス映画として完成した。正に「明日は、まだ白紙」――。明日のことなんて、誰も分からない。だから、今を生きる――。
『薄氷のドーヴ』
末期がんを宣告された大道芸人の晋也は、自分の余命を悟り、同棲している芽衣と入院するまでに別れようと決心している。生きる気力を持ってもらうために晋哉を勇気づける芽衣。大道芸人らしく最後は芽衣を笑顔にしたい晋哉。2人の最後の時間が始まる。
(上映時間:30分)
『you』
専業主婦の妻に仕事の大変さを理解してほしい夫。結婚を目前として性の揺らぎに気づく彼。好きな人の想いに嫉妬する男友達。悶々とした気持ちを抱える彼らは、心と身体が入れ替わるプロジェクトに参加する。
(上映時間:33分)
『再演』
同級生・古屋の死をきっかけに、元演劇部の男女が15年ぶりに再会。廃校となった母校に集まった彼らは、古屋が残した脚本を囲んでいる。それは感染症の流行で演劇祭が中止になり、部員たちがバラバラになってしまった“あの日”を再現した物語だった……が、その結末は……。
(上映時間:24分)
『いろとりどりの』
売れない芸人の涼に出会い、白黒の日々が色づいたような気がした。つまらないお笑いライブも目の見えない葵にとってはそれを聞くのが唯一の楽しみだった。涼を養う葵。売れる気配のない涼にトリオの誘いが舞い込む。
(上映時間:33分)
(2022年、日本、上映時間:121分)
キャスト&スタッフ
『薄氷のドーヴ』
監督:浅沼直也
脚本:西 貴人・浅沼直也
出演:澤田和宏、鈴木タカラ
『you』
監督:野本 梢
脚本:野本 梢
出演:森戸マル子、澤田和宏、卯ノ原圭吾、中村更紗、かんた、大塚康貴、宮中麻衣、鈴木タカラ、折笠慎也、中村雄貴、吉岡優希、璃音、下京慶子、堀さやか、園山敬介、井内友理恵
『再演』
監督:土屋哲彦
脚本:山本タカ・土屋哲彦
出演:中村更紗、卯ノ原圭吾、園山敬介、堀さやか、鈴木タカラ、かんた、宮寺貴也、森戸マル子、澤田和宏、大塚康貴、井内友理恵、璃音、吉岡優希、宮中麻衣、佐々木穂高、小池舞、宮地大介
『いろとりどりの』
監督:加藤大志
脚本:加藤大志
出演:佐々木穂高、中村更紗、澤田和宏、卯ノ原圭吾、璃音、井内友理恵、森戸マル子、園山敬介、宮寺貴也、大塚康貴、中村雄貴、堀さやか、鈴木タカラ、吉岡優希、宮中麻衣、田中麻友、小池舞、大木菜摘、藤生眞有
配給
トリプルアップ
10月1日(土)より新宿K's cinemaにて2週間レイトショー、以降全国順次公開
■ オフィシャル・サイト: hakushi-p.com (外部サイト)
関連記事
・初日舞台挨拶