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『虎の流儀』
オフィシャル・インタビュー

2022-09-29 更新

原田龍二


とおいらいめいtora-ryugi
©2022「虎の流儀」製作委員会
配給:ユナイテッドエンタテインメント

 9月30日(金)に公開を控える映画『虎の流儀』シリーズ(「~旅の始まりは尾張 東海死闘編~」「~激突! 燃える嵐の関門編~」)。主演の車田 清(くるまだ・きよし)を演じた原田龍二のオフィシャル・インタビューが到着した。


原田龍二

 1970年10月26日生まれ、東京都出身。
 第3回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」準グランプリを受賞後、俳優デビュー。以降数々のドラマ、映画、CMなどで幅広く活躍。
 映画『日本一短い「母」への手紙』では、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。ドラマ『水戸黄門』の5代目“助さん“としても人気を集めた。
 2021年からはTOKYO MXの人気番組『バラいろダンディ』に金曜日MCとして出演中。また、YouTubeチャンネル原田龍二の「ニンゲンTV」も好評を博し、2022年6月には小説家デビューも果たした。



最初に脚本を読んだときに率直な感想は?

 最初に台本を読んだとき、「この役を演じたら楽しいだろうし、出来上がった作品も絶対楽しいものになる」と思いましたね。原案・企画もされている田中(宏章)プロデューサーが「あぶない刑事」や「西部警察」が好きな方なので、ただの任侠ヤクザ映画ではないエンタテイメントな作品になるんじゃないかと。ただ、地方ロケも多いですし、大変な撮影になるとも思いましたが、2作目の『~激突! 燃える嵐の関門編~』では、それがパワーアップしていました(笑)。


当初からシリーズ化は決まっていたのですか?

 とにかく、田中プロデューサーが、この作品に懸ける熱い想いがスゴかったんです。2021年11月に、1作目の『~旅の始まりは尾張 東海死闘編~』を撮っているとき、2作目以降の構想や世界観をたくさん話されてきて……(笑)。毎日のように田中さんから聞くうちに、僕の中の熱というか、士気みたいなものが上がって、改めてふんどしを締め直すというか、皆さんと一致団結して「シリーズ化する作品にしたい!」という気持ちになりました。それで2022年の3月に2作目『~激突! 燃える嵐の関門編~』を撮影しました。


tora-ryugi

義理と人情に厚い「車田 清」というキャラクターについては?

 台本を読むうちに、どこか不器用で、欠けていて、つい支えてあげたくなるような人間だと思いました。なので、彼のモチーフのひとつにもなっている『男はつらいよ』の車寅次郎のように、みんなに愛されるキャラクターになればいいなと。「実際はどういう人物なのか?」という想像をかきたてられるところも似ている気がします。そして、同じ昭和を代表するキャラクターでもある『トラック野郎』の一番星桃次郎も、どこかで意識して演じています。


劇中で「車田 清」が発する定番の口上についてはいかがでしたか?

 彼がどこか浮世離れしている、明らかに普通の人じゃないところを表す重要なカギだと思いました。「車田 清」を語るうえでは欠かせない大事なセリフ。そこに関して、特に監督からの細かい演出はなかったのですが、単に声を張り上げればいいってもんじゃない。僕の中でテンションを上げるというか、スイッチを入れないといけなかったので、口上のシーンは毎回緊張しましたね。


また、「車田 清」は、「昭和の何が悪いんだよ!」というお決まりのセリフを発します。

 昭和はすでに2つ前の時代ですか、「古いモノがいけないの?」「新しいモノがいいの?」という想いがあると思うんです。古くても日本人ならではの義理や人情を大事にしている彼だから言えるセリフでもありますし、実際に僕自身昭和の人間なので、個人的にも言いたいニュアンスのセリフでしたね。この作品を象徴しているセリフだと思います。また、フライト・ジャケットに腹巻きといったファッションもそうですが、決してカッコ良くなりすぎない。それによって、完璧なヒーローにならないことも心がけました。


あえて、本作における昭和テイストを出すことで意識されたことは?

 演じるうえでは、そういうセオリーみたいなものはないと思うんです。僕も実際に感じるまま演じましたから。あえて計算して演じると、観ているほうが恥ずかしくなるような気もしたんです。そういう意味では、昭和を生きてきた役者さんに大勢出ていただいたことは大きかったような気がします。実際に2作目の『~激突! 燃える嵐の関門編~』では、僕のほうから石倉三郎さん、せんだみつおさん、六平直政さん、はいだしょうこさん、木下隆行さんといった方々に直接お声掛けさせてもらい、出演してもらいました。


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ロケ地である名古屋・岐阜地区(1作目)、北九州・山口地区(2作目)での撮影エピソードを教えてください。

 地元のフィルムコミッションの方にご協力していただき、ロケ・セットなども実際のものを使わせてもらったので、とてもありがたかったですね。あと、実際の三輪バイク(トライク)のチームの方にもご協力していただいたのですが、リーダーがロック・バンド「クールス」のリーダーでもある佐藤秀光さんなんです。男気溢れる本物のバイカーの方々なので迫力が違う。だから演じるというよりは、普段皆さんで走られている雰囲気を現場に持ってきていただきました。僕もカメラが回っていないときに、皆さんとコミュニケーションを取らせていただき、楽しかったです。また、アーケードや街角で撮影するときも、「撮影させてもらっています」と、できるだけ地元の方に一言お声がけさせてもらいました。


2作の見どころについて教えてください。

 1作目の『~旅の始まりは尾張 東海死闘編~』では博打シーン。「手本引」の撮影はこの世界に入って初めての経験でした。そういう意味では、これも昭和っぽいかもしれません。2作目の『~激突! 燃える嵐の関門編~』でいえば、爆破とカー・アクション・シーン。CGを一切使わないというプロデューサーのこだわりもあったので、この時代、周りのスタッフさんは大変だったと思います。かなり迫力あるシーンになりましたが、ここでも昭和っぽさを感じてもらえるかもしれません。


また、原田さん自身が漁船から海に転落する危険なシーンもあります。

 爆破シーンでは近くでものすごい熱風を感じる経験もしましたが、その逆の寒さもあったわけです(笑)。僕は数日前から下見をし、ボディ・スーツのフィッティングをし、ダイバーさんと打ち合わせするなど、やる気満々で現場に行ったのですが、万に一つの危険性を考え、「本当に、3月の海に落ちるシーンが必要なのか?」と、スタッフさんのあいだでディスカッションが行われたんです。でも、漁船から落ちてしまうこと自体が「車田 清」のキャラクターに大きく関係しているし、絶対に面白いシーンになると思っていたので、その熱を皆さんに伝えてやらせてもらいました。撮影後のケアもしっかりしていただいたのですが、用意していただいたお風呂が熱湯だったんです(笑)。


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今後の「車田 清」の活躍も気になるところです。

 僕も絶対にトラブルを起こすであろう「車田 清」の今後の人生や激しい生き様みたいなものを、引き続き見ていきたい気持ちでいっぱいです。自分で演じてなくても、気になりますよ! 完全に時代と逆行している彼がやっていることって、世直しというよりは、昭和の魂で出会った人々の凝り固まった心を解きほぐしているんじゃないかと思うんです。よくいえば、潤滑油みたいな存在。なので、皆さんにも「車田 清」を通じて、映画を観ているあいだ、素敵な夢を見ていただけたら嬉しいですね。


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(オフィシャル素材提供 取材:くれい響、撮影/鳴海雅和)




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