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『もっと超越した所へ。』
舞台挨拶付き最速試写会

2022-09-01 更新

根本宗子、山岸聖太監督

もっと超越した所へ。mottochouetsu ©2022『もっと超越した所へ。』製作委員会
配給:ハピネットファントム・スタジオ
10月14日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

 8月28日(日)、『もっと超越した所へ。』舞台挨拶付き最速試写会が行われ、原作・脚本の根本宗子、山岸聖太監督が登壇、いち早く映画を鑑賞した観客との質疑応答も行われた。初めてのお披露目とあって温かい拍手と興奮に包まれた熱気を前に登壇した根本は、「自分の演劇が映画となる初めての体験なので、感想が楽しみです」、監督も「劇場で初めて観ていただいて、拍手が聞こえてグッときました。」と挨拶した。


 2015年上演の舞台をみた当時大学生だった近藤プロデューサーが、2019年に映画化の話を持ちかけたことがきっかけとなった本作。根本は「映画化オファーを聞いた時点で、上演から5年近く経っていたので作品を間違えてるのかな?」と思ったと告白。「最も映画化が難しい作品だと思ってたので何回もこの作品であってますか?と確認しました」と明かす。根本からの熱烈なオファーにより、山岸監督に白羽の矢が立った経緯として「元々、山岸監督のファンで、『下北沢ダイハード』でご一緒した時も、物づくりの相性がいい印象でした。おもしろがるポイントが似ていると思っているのと、わたしの描く物語に対し、性別という点で人間を捉えていない感想をくださる印象だったので、山岸監督にお願いできるなら、とお預けしました」という。山岸監督は「根本さんの演劇や脚本そのものが面白いので、それを素直に全面に出していきました」と受け止める。映画化にあたり脚本も手掛けた根本は、「舞台と大きくは変わってません。ただ7年前の作品なので、流行っているものや言葉が異なるので今の時代に合わせて書き換えてます。最初の打合せの時はコロナの描写を入れる予定はなかったのですが、コロナ禍になって改めてこの作品と向き合った時に、マスクの使い方一つにしても、いろいろな人の生活様式の違いを、4組書き分ける中で表現できるかなと思い入れることにしました」と時代に合わせてアップデートしていることを明かした。


mottochouetsu

 恋愛あるあるが詰まった脚本について根本は、「7年前の舞台脚本を読み返してみたら、パワフルでエネルギッシュで、言いたいこと全部言っているなと。セリフで、客席全員の胸グラをつかみにいってましたね。その勢いとエネルギーは、そのままに今の自分として、映画脚本に書き直しました」と、その脚本を渡された監督は「女性あるあるだけでなく、男性あるあるも詰まっていて、男性の皆さんもイタイなと思う部分もあると思います」とコメント。


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 質疑応答タイムになると、男女問わず高校生から40代前後のまで幅広い観客から、映画に関することや恋愛についてさまざまな質問が飛び交った。タイトルの意味を聞かれた根本は、「当時自分が劇作をやっている中で、戯曲を書くことに比べて、演出面の成長が足りないと感じていて。演出家としてもっと超越した所へいきたい!と思ってつけたタイトルなんです。タイトル先行で物語は作りました」と告白。「演劇の仕組みを壊す・超えていくことを初めてやった作品で、客席とうまくコミュニケーションをとれた実感があり、そこを映画でも活かしてくださったと思います」と、映画ならではの手法でクライマックスを表現していることに自信をのぞかせた。

 自分の恋愛を振り返りながら楽しんだという女性から、好きなシーンやセリフについて聞かれると、根本は「束縛しがちな怜人(菊池風磨)が交友関係を嫌な角度から詮索してくるセリフです」と回答。「自分で書いたのに、毎回“ウザっ!”と、菊池さんにムカついてました(笑)。イヤな感じを、ちゃんとスカッとするぐらい演じてくれて、素晴らしかったです」と答えると、監督は「富(千葉雄大)が鈴(趣里)と別れるときに、“またお茶でもいこーよ”“おうちにも呼んでよ”というところ。やだなあって(笑)。他人からみると可愛いし楽しく見えるかもしれないけど、あれは言われた本人は最悪ですよ。行くわけがない!」との言葉に、場内は大爆笑。大学生女性から、「共感するクズ男」について問われると、監督は「恋愛をキレイに終わらせようとする無様さに共感しますね。男の汚い、ズルいところなんですけど、そういうとこあるんです。根本さんの作品や舞台を観ると、いつも叱られてるような気持ちになります」と答え、「良いようにキレイに丸めようと、自分に向けて言ってるんでしょうね」との監督の答えに根本も納得した様子。

 根本は「この作品は、女性側の“自分がこんなことをやってしまってイヤだな”というところや、男性側のイヤだなという部分を笑ってもらって、スカっとしてほしいなという気持ちで書きました」とまとめ、熱い感想と質問の最後に「個人的には、日本では演劇原作が映画になることが少ない中で、こんなにも原作に愛を持って作っていただけることは劇作家としても本当に幸せで夢のようなこと。公開までどんどん盛り上がったらいいなと思ってます。ありがとうございました」と感謝の気持ちを述べた。


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(オフィシャル素材提供)



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