2022-07-11 更新
英国ロイヤル・バレエ団:ウィリアム・ブレイスウェル
7月15日(金)から全国公開となる英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン『白鳥の湖』の先行上映前に、ゲストを呼んでのトークショーを実施。当初登壇を予定していたケヴィン・オヘア芸術監督の日本到着が遅れ、急遽、本作「白鳥の湖」でジークフリート王子を演じるプリンシパルダンサーのウィリアム・ブレイスウェル氏が登壇することになった。ブレイスウェル氏は、7月13日(水)から渋谷のBunkamuraオーチャード・ホールで始まるロイヤル・バレエ・ガラ公演のために来日、日本に到着してから間もないにもかかわらず、疲れをみせず、日本のファンに向けて温かいメッセージを寄せた。
まず冒頭では、「お招きをいただきありがとうございます。この場に来られたことがとても光栄で、ご覧いただけることを嬉しく思っています。この数年世界は大変で、さらにこの数日、日本は大変な時期だった思いますが、『白鳥の湖』を観て楽しんで欲しいです」と挨拶。続いて、今期シネマ・シーズンのラストを飾る「白鳥の湖」の見どころについては、「リアム・スカーレットの振付、ジョン・マクファーレンのセット・デザイン、さらには、チャイコフスキーの音楽とこの三つが一緒になることで素晴らしい作品になっています。個人的には、第一幕のジークフリート王子が狩りに行くシーンが好きです。また、オデット&オディール役の大ベテランのローレン・カスバートソンとは、過去に一度だけ『くるみ割り人形』で踊ったことがあったのですが、ケヴィン・オヘア芸術監督が私とローレンの相性が良いということで、才能溢れる彼女と再び踊れることができ、とても幸せでした。また、彼女が産後に初めてフルの作品にでるということで、一緒に役柄を追求する場にいれたことも大変光栄でした」とコメント。
来期のシネマシーズンのラインナップ(「うたかたの恋 -マイヤリング-」「くるみ割り人形」「ダイアモンド・セレブレーション」「赤い薔薇ソースの伝説」「シンデレラ」「眠れる森の美女」)より「くるみ割り人形」で金子扶生(ふみ)さんのシュガープラム(金平糖の精)とのパ・ド・ドゥで王子役を踊ることについては、「金子扶生さんとは以前も踊ったことがあるのですが、他のダンサーにはだせないエレガントで技術的な素晴らしさを持ち合わせ、それは夢のような体験です」と最大の賛辞を送った。
また、7月13日からのガラ公演に関しては、「何よりも日本に来られたことが嬉しくて、とても楽しみにしていました。Aプロでは、佐々木万璃子さんと『白鳥の湖』2幕のパ・ド・ドゥを踊るのですが、彼女ほど努力する人はないのではと思うほど、この数週間、一生懸命に稽古されていました。努力家でそして美しい人です。『白鳥の湖』では大きな白鳥を演じていて、こちらも素晴らしいので楽しみにしてください。Bプロでは、大ベテランのマリアネラ・ヌニェスさんと『グラン・パ・クラシック』を初めて踊ります。彼女も初めてとのことですが、彼女ほどの大ベテランが新しいことに挑戦するのは珍しいなと思いました。完璧主義者で、ディテールにこだわって稽古されているので、私も対等に踊るために稽古を苦労しました」とエピソードを披露した。
また、日本のバレエ・ファンへ向けて「日本は大好きな国の一つで、日本で踊れることが楽しみで仕方ありません。日本のお客様は温かくて、バレエに対しての敬意を感じます。本当に心の底から感謝しています。また実は、今日ご覧いただく『白鳥の湖』のシネマ公演直後に舞台袖で、ケヴィン・オヘア芸術監督から、プリンシパルの昇進を告げられて、大泣きしました。そんなこともあり、この作品は私にとってとても特別な作品になりました。皆様にぜひ楽しんでいただきたいです」と温かいメッセージを寄せ、場内は大きな拍手でイベントは終了した。
(オフィシャル素材提供)
関連記事